見出し画像

自分の頭で考えるススメ

正解のない時代、”自分の頭で考えて動く”重要性が声高に叫ばれる。

この”自分の頭で考えて動く”には「作法」がある。作法とは先人が試行錯誤の結果、できるだけ無駄のない形で成果を得られるためにあみ出した方法である。

作法その1「覚える」

自分より優れた人、優れた考え、確かな事実をまずは脳みそに叩き込む。叩き込むとは覚えることであり、覚えるためには疑いを抱いてはいけない。理解できなくても、納得できなくても、ひとまず叩き込む。

作法その2「疑う」

覚えたことがどういうことなのかを疑う。疑うということは言われたことを鵜呑みにするのではなく、疑い続ける、つまり自説を立てるということ。あの言葉はこういうことかもしれない、もしかしたらこういうことかもしれない、というように考え続ける。

作法その3「検証する」

自説が正しいか検証する。その段階で正しいという見解に至っても、さらに疑い続ける。それは自分の習熟度によって自説も変化するから。未熟な段階の自説に満足してしまうと歩みが止まってしまう。

この作法2と3を繰り返す。もちろん作法1の覚えることは、一つや二つではないので、平行して多くのことを作法2、3の篩(ふるい)に掛けることになる。そうやって作法2と3を続けていると、気づいたら自分の頭で考えていることになる。

僕は合気道の稽古でこの作法を繰り返している。

まずは先生の言うことを覚える。未熟な僕にとって理解できることは少ないのでひたすら覚えておく(作法1)。そして自説を立てられるようなレベルになったら(覚えたことの中にはしばらくして自説が挟み込める余地が生まれることがある)、それを検証する(作法2、3)。チャンスがあれば先生に自説をぶつけてみることもある。滅多にないけど。

言われたことが、2年後ぐらいに自説が立つことがある。自説が立つようになるとそこからはわりと早い。自説から検証へのターンは短期間で繰り返すことが可能だから。こうして緩やかではなるが上達していく。緩やかだからこそしっかりと身につく。

これは自分の頭で考える作法である。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?