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星野リゾートの戦略から学ぶ②|定石通りの経営をすると何が起こるか

こんにちは。あんでぃです。

『おもてなし産業をかっこよく』
を合言葉に、星野リゾートの働き方や戦略の特徴であったり、
現場で働いていて感じることなどをお伝えしております。

本連載では星野リゾートの基本的な戦略を紐解いていきます。
企業戦略を細かく紐解くことによって、成長していくための普遍的な要素を見つけ出していきたいと考えています。

なお、連載にあたり、参考にしているのは、PIVOT 公式チャンネルでの星野リゾート代表、星野佳路のインタビュー「星野リゾートに学ぶ」です。
※一部画像はその際の動画からキャプチャーしています


1回目の前回は展開のスピード感を保つために、運営に特化する戦略についてお伝えしました。

2回目の今回は「企業運営の定石」について。


企業運営における定石とは?

私は高校生時代に柔道部で日々汗を流しておりました。
柔道において、まず最初にやることは、受け身の練習。
相手に投げられた時に、怪我をしないようしっかり受け身をとれるようになるために、反復練習します。
これは、10年20年と長く柔道をしている方も同じで、練習の始めには必ず受け身の練習をします。

みなさんも、なにかを習得する上で何度も何度も繰り返し練習したことはないでしょうか?
大抵のことには上達するためのステップ=定石というものが存在しますよね。
企業運営でも同じで、動画インタビューの中で紹介された競争力を強化するための定石がこちらです。

私は以下のように理解しています。

・顧客の満足を優先し、その満足度をしっかり測定する
・運営を効率化させる
・非効率な分野、リソースが不足している分野などはアウトソーシングする
・一人一人が自発的に行動できるように動機付けする

これは企業運営の定石として、数十年語られてきたものです。

定石を守り続ける

星野リゾートでは常に顧客満足度を計り続けています。
「インバウンドのゲストが増えてきたがどのような項目の満足度に影響がでているだろうか?」
「先日取り組んだお酒の振る舞い。どのように影響しているだろうか?」
といったように数字を一つの重要な指標として、各施設の運営判断をしています。

また、各ブランド毎(星のや、界など)に認知率や利用移行度を毎年同じ時期に同じ条件で外部機関に依頼をしてチェックし続けています。
「数年単位で取り組み続けてきたサブブランド戦略によりどれだけ認知が変わったか?」
といったように経営判断の材料としています。
長年、定石を守り続けている、まさに教科書通りの経営を行なっています。

みんなが同じことを行うと何が起こるのか

しかしながら、この定石というものは一般化しており、どの企業も行なっています。
すると何が起こるか?
サービスがコモディティー化してしまうのです。
コモディティー化とは、どれも品質がある程度良くなって、差別化できない状態のこと。

例えばシャンプー。
スーパーに行けば、どれも髪をしっかり綺麗にしてくれるシャンプーがずらっと並んでいます。
今や洗浄力のないシャンプーを見つけることはできません。
(動画の中で星野佳路は、昔はまずいコーヒーやカレーがあったと例を挙げていました。)

みんなが同じ教科書を用いれば、同じような結果が生まれるというのは当然のことでしょう。
だからと言って、教科書を捨てるわけにはいきません。
虚をついてやろう、と受け身の練習をしなければ怪我をしてしまうからです。

では競争に勝ち抜くにはどうしたらいいのか?
その方法については、次回紐解いていきましょう。


定石から個人が学べることとは?

定石を守る⇨コモディティー化
という流れから個人として何ができるのだろうか?

星野リゾートが行っていることを振り返ってみると、定石を守りつつ、それを深く思考することではないかと思いました。

毎年行っている認知度調査。
それまでの戦略や戦術によりどう変化したか?
マーケットの変化により、どのような影響があったか?
これらの内部・外部それぞれの変化を徹底的に考え、未来を予測していく。
つまり、定石をただ守るだけでなく、その一つ一つの精度を上げていくことが重要ではないでしょうか。

サービスマンはサービスの基礎をマニュアル通り覚え、反復して練習し、お客様に提供します。
マニュアル通りにできたらそれでOKではありません。
それだけでは、他と変わらない。
つまり印象に残らないシャンプーと同じなのです。

一つ一つの所作が、
もっと効率的にできないだろうか?
お客様にどう映っているだろうか?
こちらのお客様の潜在的なニーズに応えるためには、マニュアル通りに接客するのが正解だろうか?
と深く思考し、改善し続ける。
それが、感動を生むサービスに昇華していくのではないだろうか。
ただの定石では終わらせない、弛まぬ創意工夫が求められるのだろう、そう感じました。

自分の仕事がコモディティー化していないだろうか?
常に振り返っておきたいものですね。


『おもてなし産業をかっこよく』
あんでぃでした。



星野佳路のインタビュー「星野リゾートに学ぶ」はこちらからご覧いただけます。



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