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星野リゾートの戦略から学ぶ①|スピード感を保つために特化したもの

こんにちは。あんでぃです。

『おもてなし産業をかっこよく』
を合言葉に、星野リゾートの働き方や戦略の特徴であったり、
現場で働いていて感じることなどをお伝えしております。

本日からは星野リゾートの基本的な戦略を紐解いていきます。
企業戦略を細かく紐解くことによって、成長していくための普遍的な要素を見つけ出していきたいです。

なお、連載にあたり、参考にしているのは、PIVOT 公式チャンネルでの星野リゾート代表、星野佳路のインタビュー「星野リゾートに学ぶ」です。
※一部画像はその際の動画からキャプチャーしています


1回目の本日は業界では特徴的な戦略でもある「運営特化」について始めていきましょう。

星野リゾートの軌跡

本題に入る前に、星野リゾートの歴史について。
実は、星野リゾートの歴史はとても古く、1914年に星野温泉旅館として開業しています。
そして、2001年に軽井沢エリア以外の施設・リゾナーレ八ヶ岳の運営を開始するまでに90年弱の時を経ています。
それから運営特化に舵を切って、22年の歳月をかけ、国内外に63施設と規模が拡大しています。

ホテルや旅館を所有せずに運営に特化するとは?

例えば、新しいホテルを建設するとなった時の場合。
土地を『所有』するオーナーが、どのようなホテルにするか開発計画を立てます。
必要な資金を銀行などの金融機関から調達します。
建設が進む中で、従業員を雇用し、『運営』の準備を始めます。
オープン後も『運営』する中で、必要な投資や開発があれば、金融機関と相談をしていく。。。

このように今までの業界では、ホテルを『所有』し、『運営』するというのが一般的でした。
一方、星野リゾートでは、『所有』と『運営』を分離させ、
所有=オーナー、投資家
運営=星野リゾート

と棲み分けをしたのです。

まさに選択と集中。
『リゾート運営のプロフェッショナル』を目指し、運営のみに専念していく戦略を取ってきました。


所有しないメリットとは?

ここで疑問に思うのが、なぜ星野リゾートはホテルを所有をしないのか?ということです。
施設の運営が安定し、長く続けば続くほど、オーナーはより多くの利益を得ることができます。
運営に特化するということは、その利益を失うことになります。

その利益を犠牲にしてまで、運営に特化した理由。
それは、数をこなし、スケールを活かすためです。
所有しないことにより、金融的なリスクなくなるため、運営施設を増やしていくことが可能になります。
(もちろん従業員の確保などの多くの課題があります)
一つ一つの案件での利益を最大化させるのではなく、より多くの数をこなし運営を効率化させること。
そして、運営のプロフェッショナルとしての地位(企業ブランド)を確立させよう、という戦略だったのです。

ブランドの確立によって、今では土地を所有せずとも、宿泊施設の開発段階から取り組むことができています。

奈良監獄の宿泊施設企画開発


運営特化から学べる個人の成長戦略

以上のように、運営特化をすることにより、星野リゾートは成長を維持してきました。
さて、この企業の成長体験から個人へと当てはめた時にどんなことが考えられるでしょう??

私は「一つに専念し、数をこなす」ということだと思いました。

2001年、リゾナーレ八ヶ岳の運営を始めた時、相当の苦労があったことでしょう。
当時、社内では反発があったと聞いています。
90年間、軽井沢で淡々と旅館経営をしてきたところから、突然別の地域で、新たな形の宿泊施設を運営するわけですから。
並大抵の反発ではなかったでしょう。
しかし、運営特化に専念し、そこから数をこなしてきた結果が今の施設数に繋がっています。

何事もそうですが、新しいことを始めるということはとても大変。
数年前の話になりますが、ブログ運営という形で、私は同じような体験をしました。
移住した島根県の魅力をもっと多くの人に知ってもらいたい!とトリセツシマネというブログを立ち上げた時のこと。

↑出雲旅行を考えている方はぜひ参考に↑

初めは、サーバーやドメインといった訳のわからない言葉と悶々と格闘し続け、ブログの立ち上げだけで心が折れそうに…
1記事を描くのにも5時間かかり、とても苦労したのを覚えています。
しかし、とにかく数をこなそう!と決め、3ヶ月間は毎日投稿を続けました。

すると、記事を書くスピードも1時間程度まで短くなるほどにスキルが上がっていきました。
アクセス数も徐々に伸びていき、月間で20万回閲覧されるブログに成長。
それだけではなく、地域ブロガーとしてのブランディング(と言っては大袈裟ですが)が確立し、何度か地元テレビに出演するご縁もいただきました。

振り返ると、やはり最初に
「ブログで旅行者のお役に立ちたい!だから数をこなそう!」
と決意したことが、結果に繋がったと感じています。


以上、星野リゾートの基本戦略『運営特化』からの学べることを考えてみました。

『おもてなし産業をかっこよく』
あんでぃでした。

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