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スタッフが納得感もって経費削減に取り組むには??

こんにちは、あんでぃです。

現職ではありがたいことに、旅館でたくさんの国の方と接することで多くの刺激をいただいています。
また、過去のお仕事では海外営業をしていたため、いろんな国でお仕事をさせていただきました。
台湾、中国、オーストラリア、モンゴル、バングラデシュ、パキスタン…
いろんな国の方とお仕事で接すると、
「世界にはたくさんの働き方があるなぁ」
と思いつつも、
「日本の働き方って特殊だよな」
とも思います。

日本人はめちゃくちゃ働きものだと思うし、
しかも、あらゆる場面で改善を繰り返し、効率化させる。
タイパや時給脳なんて言葉が使われる日本での生活。
ある意味窮屈だけど、それによって生み出される技術革新は海外の方から見たら「すごい!」ってなるんでしょうね。

タイパ=タイムパフォーマンス
「時間対効果」と言われ、費やした時間と得られた満足度の相対性を意味する言葉

時給脳
時給はいくらなのか、日給や月給を1時間あたりで割るといくらになるのか?と考える思考


経費削減!と言われてスタッフが考えること

ふと思ったことです。
もし仮に、時給能のスタッフが多い職場にて、
経費削減をしよう!
と言われた時に、スタッフはどう感じるのでしょうか?

例えば、経費を削減するために、毎日行っている振り返りのミーティングをやめるとしましょう。
15分程度のミーティングを行うことで、残業時間が減り、人件費を削減できるかもしれません。

しかし、時給脳のスタッフにとっては、そのミーティング分の収入が減ってしまいます。
もしかしたら、減ってしまった15分の収入のために、新しい不要な仕事を生み出すかもしれません…

では、経費削減をする上で、どうしたら組織にとってもスタッフにとってもWIN-WINになるのでしょうか?
3つのポイントでお話ししていこうと思います。

①目的を明確化する

以前、星野リゾートにピンチの局面がありました。
新型コロナ流行による観光業界への打撃です。

その際に、星野佳路代表は独自の数理モデルを使い、星野リゾートの倒産確率を算出し、社員に一斉に共有しました。
「会社を潰さないように、意識を変えよう」
と、「CS(顧客満足)やブランド」の優先順位を下げました。
今まで貯金をしてきたブランディングを引き換えにしてでも、必要最低限のサービスにより徹底的なコスト削減を断行したのです。
まさに「現金を掴んで話さない」戦略を推し進めました。

結果として、コロナ禍でも収益の悪化は抑えらました。
それだけでなく、マイクロツーリズムという新たなマーケットニーズまで生み出したのです。


会社の存続を目的とするためにピンチをしっかり認識する、というコロナ禍で星野リゾートの取った戦略。

スタッフが納得する大義名分。
何のために経費削減をするのか?
という目的を、周知徹底することがまずは経費削減の第一歩なんでしょう。


②認める仕組み

ただ闇雲に経費削減をしても、精神的にも疲弊します。
例えば、今まで当たり前につかっていたもの、カラーコピーだったり、印刷用紙だったり。
つどつど、白黒コピーや両面印刷に設定しなければならない…
経費削減とともに手間が増えることも多々あります。
正直、面倒臭いと思える施策も多々あることでしょう。

やはり、そのような時に、目的のために工夫をしたことが認められる仕組みはあってしかるべきだと思います。
評価者はそのような各スタッフの取り組みにしっかり気づくことだ大切。
また、スタッフ自身も、
やってみた施策が、一月でどのくらいの経費削減に相当するのか?
をしっかり計算し、その成果を訴えるべき。

どう考え、どう対策してきたか?
を組織としてもしっかり認め、各スタッフはその経験を自身の成長と評価に繋げる。
そんなポジティブな循環が生まれると、より組織が活性化するのではないでしょうか。


③削減分を未来へ投資する

最後のポイントが私は一番大切だと思っています。
それは、削減した分の効果を何に転換させるか?を明確にすることです。
ただ、業務を効率化させても、ただ働く時間が短くなり、より忙しくなっただけでは、納得感は生まれづらい。

そこで、これだけ効率化をすることで、こんなメリットが生まれるんだよ、と明示することが大切ではなかろうか。

例えば、界 玉造では、効率化を進めることで、コンセプトの体現に繋げようと取り組んでいます。

島根県で2施設となった温泉旅館ブランド界。
界 玉造のコンセプトは
「いにしえの湯と出雲文化を遊ぶ宿」
と位置付けて、界 出雲と棲み分けをしています。

温泉・日本酒・神楽
の3本柱の出雲文化を、旅館滞在でとにかく遊んでいただこうというコンセプト。
そのために、スタッフはさまざまな出雲文化をお客様に提案することが求められます。
そこで、スタッフ一人一人が、自分の興味にあった文化チームにて知識を深めようとしています。

経費削減で浮かすことのできた時間や支出。
これらをコンセプト体現のためのチーム活動に充てる。
未来への投資とわかるような経費削減は、スタッフにとって納得感のあるものになると思います。


以上、経費削減を納得感もって進めるためのポイントについて綴りました。

旅館の働き方は少し特殊な例かもしれませんが、
・目的を明確化すること
・取り組んだことをしっかり認めること
・未来への投資となる活動に充てること

の3点については、どんな組織でも応用がきくのではないか?と思いますが、いかがでしょうか?


おもてなし産業をかっこよく。
あんでぃでした。

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