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星野リゾートの戦略から学ぶ⑥|活動間にフィット感を生み出す

こんにちは。あんでぃです。

『おもてなし産業をかっこよく』
を合言葉に、星野リゾートの働き方や戦略の特徴であったり、
現場で働いていて感じることなどをお伝えしております。

本連載では星野リゾートの基本的な戦略を紐解いていきます。
企業戦略を細かく紐解くことによって、成長していくための普遍的な要素を見つけ出していきたいと考えています。

↓第一回はこちら↓

なお、連載にあたり、参考にしているのは、PIVOT 公式チャンネルでの星野リゾート代表、星野佳路のインタビュー「星野リゾートに学ぶ」です。
※一部画像はその際の動画からキャプチャーしています

前回は競争市場において必要な、独自の姿を築く(差別化する)ための第2ステップとして、「トレードオフを伴う選択をする」について解説しました。

今回は最後のステップ「活動間にフィット感を生み出す」についてです。

活動間のフィット感とは?

なんだかいまいちピンとこない言葉が出てきます。
活動の間のフィット感。。。
前回、トレードオフを伴う選択をすることで、他社が真似しづらい状態にしていくことをお伝えしました。
星野リゾートがとってきた選択とそれぞれの関係性を図示するとこのようなものです。

・それぞれの要素がそれぞれの要素をサポートしている状態であること
・一つ一つを真似するのに犠牲が伴うこと
・全部を真似した効果は一つの真似した効果には勝てないこと

といった状態であり、小さな会社が大きな会社に迫っていく時のパターンと動画の中で説明されています。

例えば、サービスチーム。
不動産を所有をせずにとにかく運営に特化することにより、運営する施設をスピード感持って増やすことができ、サービスの経験値を増やすことができる。
一方で、サービスチームによって労働生産性が上がることで、運営力が評価されて運営施設を任される機会が増えることになる。
このように、活動間の要素が補完しあっている状態こそ、フィット感が生み出されていると言えるでしょう。

日本旅館メソッドの活動間のフィット感とは

もう少し例を挙げてみましょう。
日本旅館メソッドについて。

西洋型サービスでは顧客の要望に応える「サービス」をします。
(サービスとは「仕える」「召使」という意味から来ており、もともとは「奴隷」というラテン語が語源です)
つまり、お客様とサービススタッフは対等ではありません。

一方、日本旅館メソッドとは、主客対等におもてなすということ。
顧客の期待を類推し、もてなす。
遠方から友人が尋ねてきた時にどんなことをしておもてなしするか、のイメージに近いです。
そんな日本旅館メソッドは一般的なホテル業界とは違うスタイルのサービス。

この日本旅館メソッド、前出の図ではFlatな組織・人材と繋がっています。
ちなみに、星野リゾートでは上司・部下といった考えは一切ありません。
Flatな組織・人材とは、横並びの対等な関係であり、ピラミッド型の組織ではないということです。

私たちは業務において、上下関係なく、Flatに接することを心がけます。
お客様に対しても、対等におもてなすことを心がけます。
対人関係で対等が求められる⇨お互いの戦略が補完しあっている
と言えるのではないでしょうか。

フィット感を生み出すとどうなるの?

お互いが補完しあう関係になると、他の企業が真似をしようと思っても、一つだけ真似しても、勝てないということです。
運営特化だけ真似したところで、サービスチームを取り入れなければ施設展開のスピード感は劣ります。
Flatな組織・人材を採用しても、旅館メソッドで顧客対応しなければ、本当の意味で対等な人間関係を築くのは難しい。

つまり、活動間にフィット感を生み出すことは、真似されにくい独自の姿を作るためという結論に至るわけです。


以上、ここまでマイケルポーター博士の競争戦略理論をご説明してきました。
最後に復習として、カレー屋さんの例で締めくくりたいと思います。

カレー屋さんの開業したら、まずやること。
人件費、材料費、経費、家賃など経費を適切な状態にすることで、生産性のフロンティアにのせます。
ここがスタートライン。
そこから、
・椅子をおかない
・看板メニュー1種類のみ
など、回転率を意識したトレードオフを伴う選択をとります。
最後に、調理時間をとにかく早くすることで、
「座った瞬間にカレーが出てくる」という活動間にフィット感を生み出します。

うぅむ、フィット感の例がちょっとすっきりしなかったですね。
ここは反省。。。



『おもてなし産業をかっこよく』
あんでぃでした。


なお、星野佳路のインタビュー「星野リゾートに学ぶ」はこちらからご覧いただけます。


※TOP画像はOMO小樽で開催されているスイーツで船上ティータイム
「小樽運河アフタヌーンティークルージング」でした。


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