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ぼくとおじさんと - 僕の一日

番外編⑤ 僕の一日 ep.3

コンビニの事務所から文乃に携帯で電話を入れた。
自宅に向かっているということで、彼女の提案で今日は外で食事をしようという事になった。
自分の仕事は終わったのでオーナーと桜間に電話をしてからアルバイトに挨拶をし、店横奥に止めていた自転車に飛び乗り自宅へと急いだ。時計は8時を過ぎていた。
自転車のライトの調子が悪い。電池の取り換え時だ。
最近できた総合雑貨屋で自転車用のヘルメットも買っておこう。自転車のヘルメット着用は任意だけれどテレビでは必要だと言っているので、そのうち義務化されるのだろう。
コロナ禍で受ける予防接種は任意だと言っていたが、居酒屋や旅館では入店入館に接種証明書が必要になる。政府と民間では、言っている事とやることが違う不思議な国だから日本は。
コロナでは、僕は接客業なのでオーナーからの要請で、いやいやながら2回予防接種を受けて、2回とも具合が悪くなって寝込んだ。さすが3回目は受けるのを辞めた。
注射をしてもコロナに罹る人は罹っているのだから。死者も出て大騒ぎをしているコロナだが、コロナ予防接種を含めて一体全体、コロナって何なのだろうか。
居酒屋で接種証明がないと言って断られたが、そもそも接種証明をもって歩いている人がいるのか。僕は自転車の上で、ギコギコ漕ぎながら腹を立てていた。
第二店舗から家まではほぼ直線道路で帰れる。帰路は自転車の上で、うだうだ考えながらマンションに着いた。
急いでエレベーターに飛び乗り自宅に着くと、文乃は既に帰宅していた。
「さっき着いたばかりよ。」文乃の声がした。洗面所で顔を洗っている。
タオルで顔を拭きながら居間に戻り、彼女は大きく息を吸いながらソファに腰を下ろした。
「ああ、今日は疲れた。おなかも空いた。コンビニのお弁当でもいいのだけれど、ねえ武志、郊外で食べない。どこか星の見えるところで。ねえ、どおかしら。」
「郊外、いいよ。星の見えるとこ?」
「うん。疲れたり気分がさえない時、星が見たくなるの。ここでは夜、晴れて雲がかかっていなくても、見える星は一個か二個ぐらい。沢山光っている星が見たいの。今日、晴れているでしょう。武志が嫌でなければ、どうかしら。」
僕には嫌も応もない。即準備にかかる。
鍵とメットと財布。携帯と、そしてイヤホンは必須の道具で車上の会話には必要なものだ。
しかし今まで文乃とのツーリングは午前出発で、いつも夕方に戻っている。
だからバイクで夜の、しかも星なんて見たことがない。
混雑したこの町や周辺では無理だろう。木の茂った森に囲まれた所は東松山のおばあちゃんの墓参りに行った所しか知らない。
あそこならバイクで一時間半も走れば着くことができる。しかし、関越の高速代金と今日自転車で走りまくった僕にとっては体力的にちょっときつい工程だ。
そうだ、見沼田用水なら近いし家もまばらで車の排気も少ないだろう。星も見えるかもしれない。だがバイクで行くと近すぎないか。文乃にとって、バイクで走る振動が楽しいのかも知れないので、静かな研究室で椅子に座ったままの文乃の気分転換のツーリングだから、場所と掛かる時間も考えてあげなければならない。
星の見える所? そうだ、おじさんなら分かるかもしれない。
携帯に電話を入れた。おじさんは出ない。酒を飲んでいるのか、寝ているのか。
「星の見えるいい場所、知っている?」
文乃に聞くと文乃も分からない、と言う。
「じゃあ、行き当たりばったりだ。とりあえず出よう。どこかで星が見えたら、その近くで食事をして、近くの高台でも探して星をみようや。」文乃はうなずく。
出発前にばたばたしたが、やがて文乃も着替えて二人で駐車場に行く。
暗がりの奥に鎮座しているバイクのホコリを取り払いガソリンの量の確認をし、一度ふかして状態を見てから二人で乗り込む。
「フミ、今日はどうだった。」
「うん、やることが多くて、文章書きの一日だったけど、結構面白かったけれど疲れたわ。」
僕の腰にしがみつく文乃の声がイヤホンから届く。
「今日、午前中早めに先生の同期の五十嵐先生が見えて、話も弾むから私にメモを取ってくれと言われて同席したの。午前中いっぱいの話を、先生に文書で残しておいてくれと言われて、文章書きの一日だった。」
「それも大変だったな。」
「でも、同じ生化学で免疫関係だから、私には勉強になったわ。話の流れを綴るだけでなくて、関係する文献も調べて、研究室のスタッフや学生にも読んでもらおうと思って書いたの。」
バイクの左折右折に車体を傾けて進む角度に合わせ、文乃も姿勢を傾けて話し続ける。
「五十嵐先生は、違う分野で実績を上げている先生で、うちの先生とは違う角度で入り込む人で、それ自体勉強になるの。参考にする文献や資料も多く、それは私の研究の参考にもなるし、研究室のスタッフと話し合える良い材料でもあるのよ。それを見越して先生はメモを取っとけと言ったのね。」
文乃は僕には専門的な話はしない。それは僕にはわからないからという事ではなく、そんな彼女の働いている姿を知ってもらいたいという彼女自身の思いをからだろうと、僕は思っている。
「その作業は、明日も続くの?」
「いえ、今日のことは今日で済ますつもりで頑張ったから、疲れたのかも。文書を書きながら、今日、星を見たいと思っていた。」
「星か。僕も、そして僕たち、しばらく星なんて見ていないよな。」
満天下に広がる星は、親父に連れられて行った長野の山の中で2,3度見ただけだ。
そして安堂のおじさんと行った北海道での星ぐらいだろう。
今度文乃と旅行でもして、温泉につかりながら満天の星を眺めてみたいものだ。その時には桶に酒を乗っけて、ちびちびと呑むのもいいだろう。
文乃にその話をすると「馬鹿。」という一声が返ってきた。
「フミのやっていること、僕とは畑違いでわからないことばかりだろうが、今度落ち着いたらよく聞いて理解したいと思っているんだ。」
僕は文乃のことを知っているようで、実はよく知らないのかもしれない。だから彼女の仕事や研究していることも理解してあげるためにも、一度時間を見て色々教えてもらおうと考えてはいた。
「今日、文書まとめをしながら武志にもわかりやすく私のやっていることを書いてみたいと思ったの。それは私に子供ができたら、子供にお母さんのしていることを知ってもらえるように書いてみたいというような気持、そんな気持ちになったの。私の言っていること、おかしいかしら。」
「いいんじゃないか。君が、夢をもって仕事をしているのだから、その夢を僕なり子供と共有できるのは素晴らしいことだと思うよ。」
僕は心の中で「星と子供。」とつぶやいた。
文乃が子供と言ったこと、そして星が見たいと言ったことは二つとも重なっているのかもしれない。
一度僕の子供を堕した時、その子供を星に託した話を聞いていたので、彼女の思いがそのまま僕に伝わってくる。
あの時僕は悔いた。彼女の身と心を深く傷つけていたことを悔いた。僕にできることは四六時中彼女のそばにいて彼女の傷を少しでも癒してあげることだった。
バイクに乗りながら、星空を探していた。まだ見当たらない。
赤羽を通り、荒川の橋を渡って産業道路を大宮に向かって進んでいる。見沼湿地あたりで星空が見えるかもしれないので、とりあえず進むしかない。
「私のやっていることは別に難しいことじゃないのよ。話してしまえば易しいことなのだけど、専門に研究すると専門用語が多くて、研究者にはその専門用語が理解の早道なので専門用語という普通会話には溶け込みずらい言葉を使っているというだけよ。」
そうか。以前、何かの用で市の議会を見学したことがあったが、その時市議は市の職員と専門用語で話していたことを思い出した。
あれは建築関係の事での質疑応答だったと思うが、細かい事柄には必ずといってよいほど専門用語が使われていた。普段耳にすることのないような言葉が質疑応答で使われていて、僕にはチンプンカンプンの会話だったが、これは政治全般に言えることだし、そもそも専門家というのは学者からにして経済や哲学にしても難しい言葉で講義している。
普通に僕たちが目にし、話していることのはずだから、普通に話せと言いたくなる。
「今、どの辺を走っているのかしら。」
「川口に入り、産業道路を大宮に向かって走っている。浦和あたりで見沼の湿地あたりに向かって星空を探そう。でも、見沼も集落が増えているから、どうかな。
ところで、フミの今日の出来事は文書書きの一日か。」
「武志や子供たちのために、どう書こうかという事も考えていたの。
だって、わたしのやっていることは究極には人間の体の健康に関わることをしているのだから、私たちの普段の会話に乗っけてもいいじゃない。」
「難しくなければな。」僕はいつも思っている。学者や専門家は、話せば易しいことを敢えて難しく言うから嫌なのだ。そもそも用いる言葉・単語が難しい上に、やたら外国語が入るんだ。自分で話して、自分で納得している。自己満足で話しているような話には僕は付き合わない。
でも、文乃はそんな女じゃないから、聞いてみる気にはなっている。
バイクの速度を落とす。
「私の研究のイントロは免疫なの。人間の体にある,人間の体を内側から治す力ね。ヒポクラテスという人、武志も知っていると思う。ギリシャ時代の人で医学の父といわれている人よ。彼が言っているの。人間には自然治癒力が備わっている、医者の仕事はそれを御手伝いすることだってね。だから飽食も絶食も、そして睡眠も不眠も度を超すといいことはないって、当たり前の事言っているのだけれど、人間の体ってデリケートなもので、それをバランスよく調整しているのも人間の持つ力なのね。」
「人間の持つ治癒力というのも、東洋医学ではそれが基本だよ。」僕は持っている知識を総動員して、文乃に答えた。
「指圧や針も、ツボを刺激することで自然治癒力を高めると聞いている。
西洋医学は悪いところは切って捨てる。薬も毒をもって毒を制すように人間の体を機械やモルモットのように考えているので、俺はあまり好きじゃない。」
「そうね、東洋医学も西洋医学も成り立ちが違うので同じ土俵で勝負はできないし、人間の体と健康に関して、今は統合していく方向にあるわよ。中国の総合病院では、西洋医療と東洋医師が共に働いているって聞いているわ。
今私がやっているのは人間が健康を維持するために、細胞や遺伝子レベルで解析できるところから調べているの。
人間の体の中にはいろいろなスイッチがあって、そのオンオフで健康が維持されていく。老化もそんなスイッチが関係しているとされているし、病気もそういうところから研究が進められているのよ。
病は気からというけど、ストレスが起こす体調不全は大きな問題でしょう。
脳から出るドーパミンの不足はパーキンソン症を引き起こし、手足の震えや筋肉の固化や体のバランスを崩してしまうし、ドーパミンの過剰は統合失調症や過食の原因にもなるのよ。
人間の体には幾百のスイッチがあって、そのオンオフで調整している。それを細胞レベルや遺伝子から調べることをしているのが私の仕事なのね。
また、人間の体に入り込んで悪さをするものに対する研究も必要なことね。日本では絶滅したと言われている天然痘も国際交流が進む現代で、この天然痘ウイルスが入り込み患者を増やしているのだけれど、かってのインカ帝国もスペイン人の持ち込んだウイルスで幾百万の人が死に、帝国が滅亡してしまったことがあったけど、人間に入り込んでくる未知のウイルスの研究も必要で、コロナウイルスのように世界中で研究と対策を進めているわよね。
ウイルスや細菌が全部悪いわけでなく、人間の腸にはビヒズス菌など消化吸収に必要な菌もあるし、牛は消化酵素がなくて、腸に取り入れた消化菌で消化しているの。四つある胃、反芻胃で時間をかけて消化するの。
そうそう、人間の女性にある胎盤・胎胞、体内で幼児を育て出産するけど、卵を産む種と違うのは、この胎盤はウイルスがDNAに入り込んでできたと言われているの。」
文乃はそこまで言うと一息ついた。何か周りを見渡しているようだ。
「宇宙に関しても分からないことばかり、地球に関してもね。人体に関しても分からないことばかりで、だから私なんか分からないことの入り口に立った小学生みたいなもので、反対にやることが多いことが励みになるのね。
ところで武志、これだけ走ってみても星が増えないわね。」
「ああ、これから右折して見沼の周りを廻ってみるよ。」
僕がそう言って浦和を迂回する道に入るや否や、おじさんから電話が入った。
そのまま電話に出ることが出来るのだが、バイクを路肩に寄せて電話に出ることにする。
おじさんは酒を飲んでいたようで、僕の着信に気が付いて電話をくれたのだが、星空に関しては一言「満天下の星空は秩父に行かなきゃ見られないぞ。」で終わってしまった。
バックシートから降りて側に立っていた文乃に伝えると、別に驚いてはいなかったが少しがっかりしたようだ。「一か月ほど前、朝の4時ごろだったかしら、目が覚めてベランダに出てみたら東の空が茜色で鮮やかに明るくなっていて、見上げると下弦の月の左に明るい星、あれは火星なのかしら、見えたの。ベランダから見渡せる空に星を数えることが出来て、見上げた空半分で8個もあったの。東京であんなに星の数を見たのは初めてで、うれしかった。
武志を起こして見てもらおうと思ったのだけれど、ぐっすり寝ていて起こせなかった。
今日みたいに晴れた夜ならどこかで沢山の星が見ることができると思ったのだけれど、やっぱり大気の汚染のせいか薄雲でも出張っているのか、月と火星しか出ていないみたい。」
文乃は空を仰いでいる。
「でも、これだけ澄み渡っているのだし、朝方に見上げたら、この間のように多くの星が見えるかもしれない、かも。」
文乃は自分を納得させているようだ。
 「見沼でもこの調子じゃ、このまま走っても同じか。
どこかで食事してから高台を見つけて、出ている月と星にお祈りでもしていこうよ。」
文乃はうなずく。二人ともお腹が減っているのだ。
グリップを握りバイクにまたがり車を走らせる。今度は星探しではなく食堂探しになった。
見沼湿地の周りを走っても食堂はおろか商店も見当たらない。夜だからしょうがないかもしれない、通りに出よう。
文乃に何が食べたいか聞くと、簡単なもので良い、そばでもいいとのことで、信号傍の駐車場のある店に入った。
店は蕎麦屋だが酒飲み客が結構いて、そんな客相手なのか遅くまで店を開けているようだ。
おかみさんにそばを注文すると、仲間と酒の相手をしていた親父さんが「よっしゃ」と声を上げて厨房に入っていった。
お腹が空いていたこともあるのかもしれないが、蕎麦は美味しかった。
蕎麦を食べながら、僕は今日あったこと、高木と阿部さんの話をした。二人が復帰したことを、文乃は自分の事のように喜んでくれた。
ガソリンが高くなって、なかなかバイクに乗れないが今日のツーリングは気持ちが良かったことと、昼乗った自転車でペタル漕ぎのリズムの楽しさと、その時考えたことも文乃に話した。僕の現実感覚と、おじさんたちの話や世界観、そして政治家などと感じる距離感の事だ。
「武志は、少し考え方を変えたほうがいいかも。おじさんたちの考えていることや考え方は、武志の言うような上から目線という言葉で非難できるようなものではないと思う。
武志がおじさんたちの話に向き合うんじゃなく、気分や感覚でおじさんたちを判断しているように見えるの。むしろ、話から逃げているように思えるの。話が難しく感じて理解できなかったら、正直に言えば優しく説明してくれるわよ。
私がおじさんたちの話を聞いて刺激になるのは、私の知らないことがたくさんあることを自覚させてくれること、これは今の私の研究でも言えることだけど、そして真剣に聞きたいと思うのは、こんなこと言ったら失礼だけれど、この先短いおじさんたちが自分を差し置いて私たちのことを心配してくれていることを感じるからよ。私たちの社会、それはコミュニティ、共同生活体の事でもあるし、それを囲み包んでいる政治や歴史を教えてもくれる。それを話してくれる時間、おじさんたちにとっては私たちの持つ時間よりも、もっともっと大切で貴重な時間なのよね。そんな時間をおじさんたちと過ごすことが、後になって大事なことだったと後悔しないためにも、私は進んでおじさんたちの話を聞きたいと思っているの。」
文乃の言っていることは正しいかもしれない。僕は逃げているという気持ちはないが、関心が薄いかもしれない。
自分の身の回りのことが絶えず頭にあって、親父の借金の返済の事、コンビニの営業やシフトの事、文乃の事など皆大事で、それ以外のことに関わり切れないというのが今の僕なんだ。ただ、おじさんたちが言うように、このまま戦争が日本で起きれば僕が戦いの前線に立たされることになる。国の経済政策いかんで飯が食えなくなるかもしれない。国が大学や研究機関に金を出さなくなれば文乃は研究もできなくなる。
そう考えると政治も経済も社会も自分を取り巻いていることから逃げることはできないわけだ。
文乃はそのことを言いたいのだろう。
「フミ、分かった。僕も若いつもりでいるから、もっともっと勉強するよ。
安堂のおじさんが、落ち着いたら今度仏教の、あのなんて言ったっけ、般若心経をサンスクリットで解説すると言っていたけど、フミ、聞きに行くか。」
「仏教? 般若心経? 安堂のおじさんクリスチャンじゃなかったっけ? ふふ、でも面白そうね。私参加してみる。」
食事も終えた。こんな時、酒をコップで一杯喉を通すと蕎麦も胃で喜ぶのだが。こうなると早く家に戻って一杯やりたい。バイクに乗る時は酒は飲めないが、ツーリングの後の一杯は何とも言えない味わいがある。
気が付くと文乃がすでに支払いを終え、帰り支度をしていた。
星は、帰りながら走るバイクの上で拝むことにする。

帰路は早い。目的地がはっきりしているので速度も上がる。
ライトで切り開かれた暗い闇が風と共にヘルメットフェイスをよぎって後ろの闇に溶けていく。速度を上げたバイクの振動が心地よい。
帰路は無口でいたが、一言だけ文乃に声をかけた。
「今日は君を抱くよ。疲れていなければね。」
文乃が「いいわよ。」と、返事をする。
「一つだけ聞きたいことがあるのだが。僕がフミと合体しようと、ふと君を見た時、冷めた目で僕を見ている時があるけど、オイラ下手くそか?」
「何言っているの。私があなたを見つめるのは、あなたが私をしっかりと抱いてくれ、そして私があなたにしがみつく。私を離さないで、そして私もあなたを離さない、そんな愛しいあなた、武志を確認する眼差しを送っているのよ。」後ろから僕にしがみついていた文乃の指先が僕の服の上から抓るようにまさぐる。
バイクの心地よい振動が二人で共有する一体感に繋がっているのかもしれない。

今日も一日があわただしく過ぎていく。
星に願いをかける文乃のためにも、早く子供が欲しいと思った一日が過ぎてゆく。


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