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Amazfit GTR 3 Pro レビュー〜軽さと高級感の両立を高い次元で実現したスマートウォッチ

そもそもスマートウォッチは必要なのか


レビューの前に、スマートウォッチの在り方について議論する。筆者はGTR 3 Proを購入した現在でも、スマートウォッチの購入についてプライオリティを低く設定している立場である。
何故なら筆者はトレーニングや健康管理といった類に興味がなく、通知の確認や決済についてもスマートフォンでやればいいと考えているからである。
筆者は大学生であるが故にそこまで健康に気を遣う必要がなく、スマホオタクであるが故にスマホはいつでもすぐに取り出せる場所に持っているため、スマートウォッチに通知や決済を任せる意味が極めて薄いのである。
従って、筆者にとってスマートウォッチとは、充電式の少し多機能なデジタル腕時計に過ぎない。
しかしそれでも筆者がスマートウォッチを購入したのは、普段カジュアルな服装であるため、アクセントに(バイトでも使うから)カッコイイ腕時計をつけたい考えていた筆者が、ガジェットオタクとしてどうせ腕時計を買うなら、一般的な腕時計ではなくスマートウォッチにしたいと考えたから…である。
このような理由から、筆者はスマートウォッチらしい機能についてほとんど重視しておらず、デザインや腕時計としての基礎的な利便性を重視していることをご理解頂きたい。

Amazfit GTR 3 Proを選択した理由


スマートウォッチの選び方には様々あると思うが、筆者がまず重視したいのは電池持ちである。上記のように、筆者は腕時計ではなくわざわざスマートウォッチを選ぶ動機が薄い。従って、基本的に時刻表示のみの用途であるにも関わらず、毎日又は2,3日に1度充電しなければならないスマートウォッチを購入した場合、ボタン電池式で5年ほど電池が持つ一般的な腕時計と比較した時、QOLが大きく低下することは当然である。そのため、ライトユースでは少なくとも10日以上電池が持つスマートウォッチでなければならない。従って、Apple Watchと、Galaxy Watch・Pixel Watchといった多くのWear OS搭載スマートウォッチは選択肢から外され、残る選択肢のほとんどは中華メーカーのスマートウォッチとなる。
次にデザイン。スマートウォッチのデザインは、主に丸型と角型の2種類に大別される。角型のスマートウォッチも検討したが、最近の機種でマトモなブランドの製品に限定した場合そもそも種類が少ないことと、何れも"Apple Watchを買えない人が付けているスマートウォッチ感"が否めないと感じたことを理由に、丸型とした。
またブランドについて、上の条件に照合すると、有名なスマートウォッチブランドはそのほとんどがスマートフォンブランドと一致する。スマートフォンメーカーのスマートウォッチの多くは、自社のスマートフォンと組み合わせて使用した時、より利便性が高くなる仕様となっている。筆者は、実用上の違いはさておき、自身が使用しているスマートフォンのブランド以外のスマートフォンブランドから出ているスマートウォッチを買うことは癪に障ると考えた。筆者が使用しているスマートフォンのブランドはAppleとvivoであるため、電池持ちを考慮するとスマートフォンブランドのスマートウォッチではVivo Watchのみが選択肢となった。他方、スマートフォンブランドではないスマートウォッチブランドとして有名なものは、Amazfitくらいである。
最後に価格に関して。スマートフォンはQOLを大きく左右するものであるため、QOLが十分に向上するのであれば、筆者はスマートフォンにいくらお金をかけても構わないと考えている。しかしその一方で、筆者はスマートウォッチに関して一般的な腕時計とそう変わらない用途での使用を想定しているため、筆者にとってスマートウォッチはQOLを大きく左右するものではない。従って、スマートウォッチにはできるだけお金をかけたくないと考えた。具体的な予算は1万円程度とした。結果として、安くても2万円程度のVivo Watchは選択肢から外れ、選択肢としてAmazfitのスマートウォッチのみが残った。

一般的な相場でいうと、1万円程度で買える丸型のAmazfitスマートウォッチとしては、中古のGTR2やGTR2eが挙げられる。しかし幸運にも、筆者はメルカリで1万円の美品中古GTR 3 Proを発見した。GTR 3 Proは昨年GTR 4が登場したことで一世代型落ちとなってしまったものの、AmazfitのメインストリートモデルであるGTRシリーズの上位機種であり、十分なクオリティを備えている。中古相場2万円強のGTR 3 Proを1万円で購入できた理由は、中国版だからである。中国版とグローバル版及び日本版との違いは、システム言語が中国語に限定される点である。尚、通知はフォントが日本語のものではないものの、日本語で受け取ることが出来る。また、スマートフォンアプリもグローバル版と同じものが使用できる。とはいえシステム言語が中国語に限定されるため敬遠されがちな中国版であるが、スマートウォッチをちょっと多機能なデジタル腕時計としか考えていない筆者にとって、本体の言語設定などほとんど関係ない。時刻表示の方法は、世界共通なのである。

買ってから気づいた素材の重要性


Amazfit GTR 3 Proの購入動機について記したが、決して合理的とは言えない動機も多い。加えて最終的に、"安さ"という消極的な理由で購入したため、正直あまりGTR3 Proには期待していなかった。それどころか、買った後にXiaomi Watch S1 ProやVivo Watch 2の方が高級感があってカッコイイなぁ、などと考えていた。
しかし開封後暫くして、スマートウォッチの素材について調べた結果、GTR 3 Proは奇跡的といえるほど筆者にピッタリのスマートウォッチであることが判明した。

スマートウォッチのボディに使用される素材はいくつか存在するが、現在最も主流な金属素材は"アルミニウム"と"ステンレス"の2種類である。
アルミニウム素材の特徴は、軽量さである。ステンレス素材の特徴は、アルミニウムに比べ重い一方でステンレス素材ならではの光沢があり、高級感があることだ。
先述したXiaomi Watch S1 ProやVivo Watch 2といったスマートウォッチにより高級感があるのは、ステンレス素材を使用しているからである。しかしその代わりとして、アルミニウム素材を使用していて、重量32g(バンドなしの時)のGTR 3 Proと比較した場合、15g程度重い。
筆者は2年ほど前、初代Huawei Watch GTを購入したものの、重くて取り回しが悪くすぐに売却してしまったことを思い出した。
Xiaomi Watch S1 Pro(S2)、Huawei Watch GT3、Vivo Watch 2、Amazfit GTR4といった最近の中華ハイエンドスマートウォッチでは、高級感が優先されているため全てステンレス素材が用いられている。従って、先述した条件に当てはまるスマートウォッチの中では、Amazfit GTR 3 Proがほぼ唯一軽量なアルミニウム素材を使用しているのである。
もし仮にステンレス素材のスマートウォッチを選択していた場合、初代Huawei Watch GTを買った時と同じように、重量を理由に再び売却していた可能性が高いことを考えると、Amazfit GTR 3 Proとは運命的な出会いをしたことになる。

このように思い至って以降、Amazfit GTR 3 Proをすっかり気に入ってしまった筆者は、公平なレビューなどできない状態にある。高級感に欠けると思っていたボディも、今ではシックで大人なデザインだと好感を抱いている。

皆様方がスマートウォッチを購入する際は、是非重量30g前後のアルミニウム素材のものと重量40g強のステンレス素材のものを家電量販店でつけ比べてみて、軽さと高級感どちらを優先するか、じっくり検討してみてほしい。

改めてAmazfit GTR 3 Proのレビュー


ボディ素材について少し熱く語ったところで、改めてボディ以外の要素についてレビューしていこうと思う。
とはいえ、先述したようにスマートウォッチをちょっと多機能なデジタル腕時計としか思っておらず、加えて今まで多数スマートウォッチを触ってきたわけでもない筆者は、完全にスマートウォッチ"ニワカ"である。そもそも総じてGTR 3 Proを気に入っているため、あまり身のあるレビューはできない。

ざっと使用感としては、
・動作は軽快である。
・電池持ちは(公称値通り)とても良い。
・ウォッチフェイスの数は申し分なし。
・機能の量や設定のカスタマイズ性も満足である。
・実用性はともかく、計算機や道案内、メモ、追加の健康管理機能など、様々なアプリをインストールできるのは面白いと思った。
・iPhoneでもAndroidでも、できることにほとんど差はなさそう。(アプリで1部Androidでしか動作しないものがある)
・健康管理とかトレーニング関連の機能は使っていないので分からない。
・システム言語が中国語に限定されていることは、ほとんど気にならない。設定についてもほとんどスマートフォンアプリ側から変更できる。ウォッチフェイスの曜日などは、英語表記のものが多い。そもそも中国語なので日本人なら何となく意味はわかる。通知は1部の漢字が中国語フォントであるが、日本語に対応している。

といったところで、かなり満足している。
ただしバンドについては、フッ素コートで一般的なシリコンバンドより品質が高いとはいえ、見た目としては普通であり高級感に欠ける。アリエクスプレスで金属製バンドを別途購入することで、この問題を解決した。

Apple Watchについて


完全に余談である。

筆者は電池持ちを理由に、真っ先にApple Watchを選択肢から外したが、実は将来的にApple Watchを購入することを、以前から決意している。

理由としては、
・歳を重ねると今よりも厳格な健康管理やトレーニングが必要になると考えられるため、一般的な腕時計ではなく敢えてスマートウォッチを選ぶ理由ができる。
・Apple Watchは他のスマートウォッチに比べ遥かに知名度が高く、高級腕時計を身につける人が多い社会的地位にある人が身につけても、恥ずかしくないブランドを築き上げている。社会人になって自分の社会的地位がどのようなものになるかはさておき、数十万の高級腕時計を買うくらいならApple Watchを購入した方がコストパフォーマンスに優れる。

という2点が挙げられる。従って、Amazfit GTR 3 Proとのお付き合いは、大学を卒業するまでだと考えている。

最後に


重ねて言うが、筆者はAmazfit GTR 3 Proを非常に気に入っている。
✅軽い(バンド無しで32g)
✅安い(1万円)
✅丸型でカッコイイ
✅電池持ちが良い
✅本体ソフトウェアやスマートフォンアプリのクオリティも高い
このような特徴を全て兼ね備えるスマートウォッチは、唯一Amazfit GTR 3 Proのみだろう。本当に良い買い物をしたと思っている。

ただし、だからといってAmazfit GTR 3 Proを皆様方に勧めたいとは全く考えていない。最初に筆者はスマートウォッチのプライオリティを低く設定している理由を述べたが、そもそも自身の生活においてスマートウォッチが必要ない…という方々は多いだろう。加えて、スマートフォンをポケットに入れない女性の方や、スマートウォッチにブランド力を求めている方等は、より多機能であり世界的に有名なApple Watchを購入する方がいいだろう。それ以前に、そもそもAmazfit GTR 3 Proは中古でも普通は1万円で手に入れられるものではない。GTR 3 Proを日本での定価である4万円弱の商品であると仮定した場合、GTR 3 Proを購入することが最適な選択肢であるという人はほとんど居ないだろう。

いくら多くの人が良いと評するものでも、万人に最適なものであるとは限らない。ガジェットを購入する際は様々な角度からの意見を参考にしつつ、自身のライフスタイルと照らし合わせた上で、最適な選択肢を選び出すことが重要であると、筆者は考える。

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