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完璧な朝

雲ひとつない真っ青な空に太陽が輝いています。
空気は澄んで少し冷たく感じます。
晩秋の朝の光は、真夏と違って、少しだけオレンジ色がかっています。
その柔らかさが心地いいです。

少しひんやりした風が、光沢のある糸で縫製されたカーテンを軽く揺らしています。太陽の光がカーテンに反射して、まるでスターダストが舞っているように見えます。

絨毯の太陽が当たっている部分は床暖を入れているみたいにほんのり暖かいです。

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花瓶に挿したお花も朝日に照らされて一層美しく見えます。

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飼い猫の小太郎は、その朝日が差し込む正面にあるソファーで寛いでいます。私が近寄ると、ゴロゴロ喉を鳴らし、目を何度もゆっくり閉じたり開いたりしてくれます。これは、愛情表現のひとつだそうです。

動物は正直です。好きな気持ちを表現してくれていることに、偽りはありません。優しく背中を撫でていると、ふうっと軽く息を吐いてあごをソファーにつけて体を伸ばして寝始めました。

生きている。
柔らかくて、暖かくて、息をしている生き物が私のそばにいる。
私を好きでいてくれる。
そのなんと心強いことか。

こんなキラキラした輝きの中で、そばに命の存在を感じながら、美味しいコーヒーをゆっくり飲む。これ以上の幸せはないと思えるほど、この朝の一瞬は何ものにもかえがたい奇跡の時間です。

私が生きていることも、
小太郎が生きていることも、
そして同じタイミングでここに存在していることも、
こんな美しい朝であることも、
すべてが偶然なのです。
それが全部合わさっているなんて、もう奇跡でしかありません。

どんなに辛いことがあっても、
もう二度と太陽が昇らないと思ってしまうような闇が心に広がっても、
あと一分、
あと一時間、
あと一日だけ、
ここに居続けてみよう。

自分の暗い心の中ばかり見つめていないで、
自分の周りの景色に視線を持っていってみよう。

そうすれば、実は一人なんかじゃないと気づきます。
こんな素晴らしい完璧な朝に出会えるチャンスもあります。


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