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才能ないと好きなことしちゃダメ?

人と人との出会いは本当にわからない。そして、人生はどの方向に発展するかも予測できない。そんなことを改めて認識する機会を与えてくれた映画でした。

年の差58歳の二人が出会うきっかけは、ボーイズ・ラブ。

始まりは、75歳の老婦人が、ただ表紙の絵が綺麗という単純だけど一番純粋な反応で手にしたマンガでした。

若さとは、身体年齢でも数字上の数の小ささでもないと確信しました。宮本信子さん演じる雪の素直に感動できる心そのものが若さなのです。

ボーイズ・ラブのマンガのストーリーに惚れ込んで、おずおずと、でもあっという間に距離を縮めていく17歳と85歳に、年の差は全く感じられません。お互いがそのほとばしるようなBL愛を素直に出せる相手をみつけられた嬉しさが、スクリーンいっぱいにあふれていました。

もう、まさに青春そのものです。

もちろん、芦田愛菜さん演じる17歳のうららにも、75歳の雪にもそれぞれの現実があります。ものごとは決して簡単には前に進みません。

でもちゃんと地に足を付けて、何かを学びながら二人とも成長しているのです。成長できている間はやっぱり若いのです。

好きなことがあると、人は強くなれる。

好きなことがあると、好きな人が周りに集まってくる。

好きなことが、思いもかけぬ場所に連れて行ってくれる。

好きなことは、人生を豊にしてくれる。

「才能ないとマンガ描いちゃダメってことある?」
という雪の問いかけと、終盤でうららが、
「楽しかった。うん、楽しかった」
とひとりごとをつぶやくシーンが印象的です。

その真意を理解するために観る価値のある映画でした。





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