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ブログ連続投稿のコツ

気付けばブログをほぼ毎日書くようになってから、一年が経とうとしています。

ブログそのものを始めたのは、ずっと前、まだ父が存命だった頃です。亡くなった2012年より前、体が衰えてきて毎日の楽しみがないとぼやきはじめた父に、少しでも刺激をと思い、始めたのがこのブログでした。

その頃は、まだ飼い猫の小太郎もいなかったので、タイトルも今とは違っていて、日々思いついたことや、観た映画や読んだ本の感想、少しでも父が興味のありそうな話題を自分なりに探しては書いていました。

しかし、これがなかなか難しかったのです。

父を喜ばせたい気持ちばかりが先走って、それとは裏腹に、ブログを書くことがどんどん重荷になっていきました。

毎日書いていたものが、二日に一回、三日に一回と間隔があくようになり、最後には、一週間に一回がやっとの状態になってしまいました。

そんな折、
「お父さん、ふらふらする足をひきづるようにして、パソコンがある二階に上がって、毎日、あなたのブログが更新されていないかチェックしてるよ」
と母から聞いてショックを受けました。

そんなに首を長くして待っている父を、七日のうち六日間もガッカリさせている自分が不甲斐なく、その父の姿を思い浮かべるだけで胸が張り裂けそうでした。

この経験でわかったことは、
「気持ちだけでは書き続けられない」
ということでした。

では、気持ちがあるのになぜ書けなかったのか。

それは、
「文章を書くことに対して気負い過ぎていたから」
のひと言に尽きます。

気持ちが強ければ強いほど、父が喜ぶような記事を書きたい。張り合いになるようなものを書きたい。ちゃんとしたものを書きたい。

何がちゃんとしたものなのかもはっきりしないのに、そうやって、どんどん自分をがんじがらめにして、一文字たりとも書けなくなってしまったのです。

やっとの思いで二階に上がってきた父にしてみれば、内容はなんでも良かったはずです。自分のために娘が書いた文章を読めることが、父は嬉しかったのです。その気持ちを満たしてあげられなかったことは、今でも心に引っかかったままです。

その時の後悔があって、父が亡くなってから、しばらくブログから遠ざかっていました。



ところが、今は、ほとんど苦にもならないどころか、毎日楽しくブログを書き続けられているのはどうしてなのでしょう。

やはり、一番の理由は、
「文章を書くことに対して気負いがなくなった」
ことです。

どうせ、誰も読んでくれていないかも知れないし、大好きな小太郎との日々をただ記録しておくための小太郎日記のようなものだと思えば、文章を書くことの敷居が低くなったのです。

敷居が低いから、書けなかったらどうしようなどと自分を追い込んだりもしません。

そして、毎日書いていると、それなりに反応もあったりするので、張り合いができました。

一旦、ブログを書くことをルーチン化してしまうと、案外悩まずに、とにかく何か書けるようになってきたのです。

この時点で、
「ある種の好循環」
に入れたのだと思います。ただ、これが理由の全てではないとも感じています。

小太郎が好きという気持ちだけではない何かがあるのです。
好きという気持ちだけなら、父への想いの方が強かったくらいです。

父に対する想いは能動的なもの。
小太郎について書く時の想いは、受動的なもの。
そんな違いがあるような気がしています。

父を想って書いていた時は、父のために、自分の中から何かをひねり出して、とにかく能動的に何かを書かなければいけない感覚が強かったのです。

ところが、小太郎について書くときは、小太郎に何かを引き出されて書いている受動的な感覚なのです。

父に宛てて書く。
小太郎について書く。

その時点で、大きな差があることに気づいたのです。

つまり、小太郎の行動をじっと観察したり、小太郎の気持ちを考えてみたりしているうちに、書きたいことが自然と浮かんでくるのです。


あー、これだっと思いました。

「書くべきことは私の外にある」

私の外の世界は広大です。それなら、きっと書く種は無限にあるはず。そう思ったら気が楽になって、ここまできました。


猫の絵本作家の町田尚子さんの画集「隙あらば猫」の
プロローグに、こんな一文があります。

「絵本を描くコツがあるとしたら、
 それは、猫の後をついて行くこと。
 大事なのは、
 最後まで猫の姿を見失わないこと。」

私もしっかり、小太郎の後を追いかけて行きたいと思います。


町田尚子さんの絵本はとても素敵です。
猫好きにはたまりません。
その数々の絵本から選りすぐりの絵が集められた画集、
ご興味ある方はぜひどうぞ!


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