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絵本「つなみ てんでんこ はしれ、上へ!」

「つなみ てんでんこ」とは東北地方につたわる言葉で、「津波のときには、てんでんばらばらでにげろ」という意味です。

ひとりひとりが自分の命に責任をもって本気で逃げることで、まわりもつられて逃げるはず。結果、みんなのいのちを助けることにつながるという考え方です。

そして、逃げることは、恥ずかしいことじゃないと締めくくられています。

考えてみれば、津波のような有事に限らず、生きるとはそういうことではないでしょうか。

自分のことは自分が責任を持って守る。自分の責任も持てない人間が、他人を救えるはずがないのですから。

そして、究極的に大事なのは命を守ること。そのためには、逃げるという決断が一番大事なこともあるということ。

あの大震災の日から十二年が経ちました。

絵本の最後のページの文が胸に残ります。

いのちさえあれば、これからなんだってできるものな。

指田 和・文   伊藤秀男・絵   ポプラ社


「逃げるは恥だが役に立つ」というタイトルのドラマもありました。恥かどうかは、その後の生き方によるのではないでしょうか。

まずは自分を救い守るために、「逃げるのもあり」ということを覚えておけば、引き返すことの出来ない一線を越えなくてすむはずです。

この暑さの中、息をして生活するだけで充分頑張っています。そんな自分にやさしくしてあげましょう。

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