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音楽業界を目指す若者達へ〜プロローグ(前編)〜

このマガジンは、新卒や第2新卒で、音楽業界を目指す若者に向けて、2021年の今の業界の現状と求められる人材について、業界の内側から解説していくことを目的に立ち上げました。

音楽アーティストのデジタルファンクラブや大手レコード会社のEC、音楽ライブのオンライン配信など、ITサイドで音楽業界を支える裏方の会社の社長をやっている“たじまる”社長と、ビクターエンタテインメントで、サザンオールスターズのチーフプロモーターからデジタル部門の統括を経て、取締役やら、グループ会社代表取締役やらを経験し、現在ポニーキャニオンでデジタル戦略担当のエグゼクティブ・プロデューサーをやっている表側のアンドレ元部長の二人で、表・裏の両面から今の音楽業界を解説していきます。

僕が音楽業界を目指した1980年代は、エンタメの中心は音楽だったと思います。しかもアナログ盤とCDという形あるものが音楽を象徴的に表していて、街中に音楽が飛び交っていました。当時バンド活動に明け暮れていた自分は、就職活動が始まったとき、漠然と好きなことをやりたいという甘い考えで音楽業界=レコード会社を目指しました。

当時は、“寄らば大樹の陰” “終身雇用制” “年功序列”という時代で、とりあえず企業に入社すれば、出世競争はあれど、そこそこにはなるだろうというムードで就職活動をしていた気がします。

今の世の中と違うのは、パワハラやセクハラ、働き方改革なんていう言葉はもちろん、メンタルケアなどという上品な言葉は聞いたことさえありませんでした。結果的に仕事は自分で覚えるもの、先輩の背中を見ながら仕事を覚えろ、やる気が無いなら辞めてしまえ、まぁみんなこんなムードの中で就職して新入社員から始まったのではないでしょうか?

2021年、現在はというと、音楽業界のレコード会社でも、コンプライアンス問題、働き方改革、メンタルヘルスケアにはとても敏感です。残業時間がMaxに近づくと、現場で仕事があっても帰らなければなりません。場合によっては若手担当に変わり、女子高校生が集まるイベント会場で、オッサンマネージャーが汗をかきながら握手会を手伝う光景もたまに見かけます。更に、150年近く続いたレコード盤、CD、ダウンロード配信という所有型ビジネスモデルは崩壊し、疑似所有型モデルApple Music、Spotifyなどのサブスクリプションサービスというデジタル技術満載のストリーミングビジネスが主流になりつつあります。

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僕がレコード会社に入社した時代なら、とりあえず会社に入ってからやりたいポジションを目指そうと考えてもなんとかなりましたが、アナログからデジタルに移行するにあたり、最近はディレクター、プロモーター以外に、必要とされる人材のパターンが増えています。現役でレコード会社の現場もサポートしてる自分には、この人材の幅が一番悩みの種です。社内の人材育成だけでは追いつきません。基本音楽好きという根性論だけでも会社が成り立たなくなってきました。

プロローグ前編で言いたいのは、このマガジンでこれから説明する、これからレコード会社が必要とする人材、必要なスキルの持ち主を先に知れば、就職活動や、自分の進路を考えるのに参考になるのではないかという事です。そんなことをたじまる社長とClubhouseで雑談しながらこのマガジンを始めてみようと思いました。続きは後編で。。。

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