ダニエル・E・リーバーマン『人体600万年史』をゆっくり読む①
なぜ、『人体600万年史』を読みはじめたのか。
走るのが好きだ。一度に、約200km走ったこともある。それは大学生のころ、もう20年近く前。レースに出るわけでもなく、一人でリュックを背負いたびたび100kmくらい走った。友人からは変人扱いされた。
大学を卒業し上京して仕事に就いた。都会を走るのは楽しくなかった。時間にも追われるようになり、走らなくなった。その間、日本にマラソンブームがやってきた。
数年前、『BONE TO RUN』という本を読んだ。これだったのか、と思った。靴箱の奥にしまい込んでいたマラソンシューズを取り出して走った。3kmも走れなかった。歩くように走り、走り続けることで距離を伸ばしていった。ようやく10km走れるようになったころ、大学の友人から連絡が来た。
「今度一緒にフルマラソンを走ろう。」
彼は言った。マラソンブームの波に彼はいつの間にか乗っていた。
彼に、いいよ、と答えた。半年後に10年ぶりのフルマラソンを走った。4時間以上かかった。
もう一度『BONE TO RUN』を読む。
人の体に埋め込まれた「走る」という行為。初めて読んだ時から5年、再び体は100kmに耐えうるようになった。おそらく、100マイルにも耐えうるだろう。走れるか否かはどうでもいい。そもそもなぜ走るのだろう。
ダニエル・E・リーバーマンは裸足への回帰を提唱する。『BONE TO RUN』は、彼の研究を実例を用いて紹介していると言っても過言ではない気がする。現代において彼なしでは、超長距離について語ることが出来ないと、至った。彼の研究こそ、人がなぜ走るのか、の問いに答えてくれるだろう。
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