【インタビュー】自分の世界が広がるパラレルワールドのすすめ〜ワーク・ライフ・インテグレーションへの道#07〜
今回ご紹介するのは&donutsで初めて産後・育児休暇を取得した後、職場復帰したメンバーのワーク・ライフ・インテグレーションです。第二子を迎える際、保活や小さいうちから長時間預けることが初めての経験であった不安から、一旦退職すべきか悩んでいた彼女。
でも、&donutsにはその不安を経験済みのメンバーがいて、そんな仲間たちとの会話の中で不安も少しずつ解消され、職場復帰へのチャレンジを決めたそうです。(「仲間との対話で芽生えた想い」のストーリーはこちらから↓)
こんにちは。郊外でのWork Near Home(職住近接)を実践する&donutsプロジェクトの広報担当、松下です。
育休後、以前と同じ「デジタルマガジンチーム」で業務復帰したIKBさんは、Webオペレーションの仕事を担当しています。乳幼児の育児と仕事の両立の大変さは想像に難くないわけですが、それでも「仕事をしていたい」のには、読者の皆さんもきっと共感してしまう理由がありました。
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松下:&donutsへの入社前も、Web系の仕事をしていたのですか?
IKB:インフラ系のサーバー・エンジニアです。コンピューターネットワークのベースを作るデータセンターの仕事をしていました。インフラ系の仕事は24H対応であることが多く、夜勤はないものの夜中のコールや対応が発生するために、子育て中の女性には向かないと思いました。実際、男性が多い職場でしたね。
松下:では、妊娠を機に退職したのですか?
IKB:そうです。それからは、保育園や幼稚園以外に親族等に預けるあてがないので、何か起こった時に対処できないと思い、子育てに専念していました。
北海道出身で大学からは東京に住んでいましたが、結婚後、姉がいる千葉県に住むことにしました。夫が都内に通えて、緑が多いけれど田舎すぎず、かつ都会すぎない今の環境を気に入っています。
松下:それで&donutsの柏の葉オフィスに出会ったんですね。入社の決め手は?
IKB:&donutsの発足当時にオフィスがあった、KOILという素敵なところで働けたらなぁと思っていたので、求人を見つけた時にはこれだ!と思いました。近くには大学やベンチャー企業などさまざまな機関があり、産官学による街としての可能性を感じました。
もちろん、&donutsだと前職のIT系の経験が活かせる上に、同じような子育て中の女性が多く、子育てしながら勤務しやすいと思ったことが入社の決め手となりました。電車が苦手だし、子育てとの両立のために体力を温存したかったので、電車通勤が必要な都内で仕事をすることは考えられませんでした。
新しい居場所を持ちたい!という切実な思い
IKB:仕事を再開したいと思うようになったのは、上の子が幼稚園にいた頃です。最初は子どもが小学校に入ってからでいいと思っていたのですが、幼稚園児のママたちの中にもたくさん働いている人がいることに気づき、私も新しい生活スタイルを作りたいと思ったんです。新しい居場所を持ちたい、って。
松下:何かそう思うきっかけがあったの?
IKB:そうなんです。私は思い悩んでしまうくせがあって、1つの世界しかないと、その悩みからなかなか抜け出せないんです。新しい世界を切り拓けたら、抜け出せるんじゃないかって思う出来事があって。
松下:時には環境や人間関係を物理的に変えたり、他にも自分の居場所を持つことは大事だよね。
IKB:そうなんです。仕事をしていたら、上手に切り替えられます。同じところで悩まなくて済む。というより、次々に人との会話や新しい業務が発生し、家事や子育てもあり、悩む暇もありません!
松下:「在宅勤務母のWeb仕事」という記事にも書いてくれてるよね。複数の場所をもちたいと仕事を早めに再開したと聞いて、「パラレルワールドが好き」というのもそれが理由!?って思いました。パラレルワールドについて説明してもらっていいですか(笑)?
もう一つの宇宙、パラレルワールドの存在
IKB:パラレルワールドは量子力学の世界の1つなのですが、多世界解釈・多元宇宙論などとも言われています。この宇宙と並行して存在する別の宇宙に、自分と同じ人間がいて、この生活とそっくりな生活をしているかもしれない。想像するだけでワクワクして、悩みなんてどうでもよくなるんです。
IKBさんお勧めの宇宙の本は『ますます眠れなくなる宇宙のはなし
〜「地球外生命」は存在するのか』佐藤勝彦著 宝島社
松下:SFだね〜。そんなことがあり得るとは知らなかったー。IKBさんはいろんな世界の存在を見ているんだね。確かにいろんな場所、いろんな世界を持つことで自分の世界や価値観が広がるなと思います。それに、宇宙やパラレルワールド!?の視点で見たら、自分の悩みなんてちっぽけに思えてくるかも。
IKB:そうなんです!だから興味があるんです。
松下:実際に&donutsという新しい場所を持つようになって、何か変わりましたか?
IKB:まさに、自分の世界が広がりました!&donutsにはいろんなモデルがいます。先輩・後輩という区別はなく、友達とはまた違う、仲間という存在。知らない分野のことを教えてもらうことも多く、いろんなことを吸収し、自分のプラスになっていると感じます。
同い年頃のメンバーが、&donutsとは別の世界で賞を受賞したり、本を出したりと活躍している話を聞くと、とても刺激になります。自分もまた何かで頑張れるんじゃないかと思えるんです。
それに、複数の居場所・世界を持つことで、精神的なバランスが取れると感じていいます。仕事仲間との会話。ママ友達との会話、家族との会話。それぞれリンクしていないようで実はリンクしていて興味深いです。
母子ともに、社会に育てられて...
IKB:こうした社会とのつながりの大切さは、子どもにとってもそうだなと思います。保育園代はかかりますが、仕事を再開してよかったと思っているんです。というのも、保育園に預けるようになってから、子どもの成長が著しくて。小さいながらも表情や言葉が豊かになり、社会性が身につきました。親としてとてもうれしいことです。友達や先生、つまり社会に育ててもらっているんだなと感じます。そういう意味では、私も社会に育てられていますね。
松下:&donutsで学んだことはありますか?
IKB:ここでは仕事の進め方に対し、細かい指示はありません。ただ、自由=楽ではないということを学びました。自分自身で考え進めていくことは責任が生じます。成果を形にする必要がありますし、緊張感があります。メンバーに助けてもらいながら切磋琢磨して、私自身、成長していきたいです。
メンバーとのやりとりもそうですが、コミュニケーション力ってとても大切だなと思っています。人とのやりとりも、していなければ衰えることを育休中やコロナ禍で実感したので、ライティングやコミュニケーションの勉強もしていきたいです。
松下:コミュニケーションや在宅勤務で工夫していることはありますか?
IKB:短時間勤務なので時間内に収めなければならないのは大変です。メンバーには素直になり、仕事の進め方やコミュニケーション方法に関する要望を伝えるようにしています。
現在は在宅勤務ということもあり、自分好みに環境をカスタムしています。集中したい時は好きな音楽をかけたり、休み時間には夕食の煮物を仕込んでおくことも。もちろん、メンバーに会いたくなったらオフィスに行くこともあります。
松下:ワークやライフを充実させる方法については、記事や&donutsのSNSでも発信してくれていますね!最後に、ワークライフバランスや、働き方のことで悩んでいる方へのメッセージをお願いします。
IKB:コロナ禍もあって、良くも悪くも働き方が180度変わってしまった今、むしろ先入観などのさまざまな垣根を越えて、挑戦する大きなチャンスなのかもしれません。そして、パラレルワールドな視点で見たら(笑)、失敗しても、失うものはそれほどないんじゃないかと思うんです。ぜひ、やれることを思い切りやってみてほしいです。
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考えすぎてしまったり落ち込んだり。答えが出ないことでも、悩み続けてしまうことがよくあります。IKBさんもそんな性格だと自認している一人のようですが、悩んでも答えが出ないならばと、物理的に新しい世界を持つことで、悩む暇をなくしてしまったのです。
新しい世界を持つことは、社会とのつながりを増やすこと。世の中にたくさんいる尊敬できる人、刺激をくれる人、面白い人たちと接し、会話する機会をくれる「仕事」を通して、自分を成長させることにもつながっていきます。
IKBさんのワーク・ライフ・インテグレーションは「仕事を通して居場所を増やし、いろんな自分を発見すること」なのかなと思いました。別の宇宙で生活する自分は、こちらにいる自分とどう違うのかな?と想像するのは確かにワクワクしますね!皆さんも、たくさんの世界を並行して持ってみてはいかがでしょうか?
次回もお楽しみに…。
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子育て、介護、複業…ライフとワークをどちらも満喫し、
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