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日本にたった2本のみ存在する神の液体

過去様々なお酒を飲んできた中で「あれは凄かった」と思い出すお酒がある。

今回はその内の一本について書こう
まさに神の液体

▶︎Blandy’s MCDXIX(1419)

オーラあり過ぎる

マデイラ島発見から600年を祝うスペシャルブレンド
2019年に600本のみリリースされ、日本には2本のみ存在する
熟成庫から最高のVTのみ選び、3世紀にわたる最高のブレンドに
中身は11種類のブレンドで1863 年~ 2004年がブレンドされている。
wine-searcherで見ると1本1500mlで70万円前後

造り手はブランディーズ、特に洗練されたマデイラを造る生産者

ポルトガルのマデイラは、同じくポルトガルのポート、スペインのシェリーと並んで世界三大酒精強化ワインの一つ

特殊な製法で造られるマデイラは不滅
数百年前のマデイラが現在も数多く残り、今でも楽しめる

1862年!
1895年!

この日はマデイラの勉強会で日本で1番マデイラに詳しい生き字引みたいな佐藤マスター直々に教えて頂いた。お店はこちら。

マデイラは熱を取り入れた製法の為、紹興酒的なソトロン系だったり、ドライフルーツの香りが特徴だが、このブレンドは世界軸が違う

極上の古いコニャックの様なランシオ香がムンムンと立ち上がる熟成香の極み。

このランシオ香は醸造由来の高級脂肪酸をキーにして、長期樽熟成中に酸化してメチルケトンに変化、そのメチルケトンが蒸留時にできたエステルと混ざって生まれる特殊な香気成分。

それがこのMCDXIX1419からはっきりと感じられる。


シナモン、黒蜜、ドライマンゴー、冷頂烏龍茶などスパイスとドライフルーツなど各要素の香りが一つに融合している。

もう香りだけで葉巻が吸いたくなる。



口当たりは何の凹凸もないウルトラスムースでシームレスなテクスチャー。

黒蜜、干し葡萄、ドライアプリコット、極上の甘味が幾重にも重なり、重層的な味わいを生み出している。そのドライフルーツ的な熟成感の中にもマンゴーのような爽やかな酸も内在している。

ミッドパレットは複雑なまま繋がり、余韻には美しささえ感じる綺麗な酸とずっと口中に漂う長いフィニッシュ。

人間の手では創ることの出来ない「時」の凄さを体感した。
しかし、何世代にも渡って引継がれて来た熟成酒は、最後人間の手によるブレンドで昇華する。

人間の為に生みだせるのは人間だけ

この神の液体を jancisrobinson.comでTamlyn Currinはこのように表現

Tasted from a 20-cl mini sample bottle. From vines over 50 years old. Lot 19036. Bottled 26 July 2019. Released 5 September 2019. A special bottling to commemorate the 600th anniversary of the discovery of Madeira. Only 600 magnums released. RS 100 g/l. Dark brown and redolent with acetone, maple-syrup-soaked pecans. Chestnuts in tamarind. Warm spices, cinnamon, nutmeg. A whisper of verdigris in the fire-lit gleam of toffee. The dragon-breath glow of mountain-mine rubies. The moonlit halo of sea-salt gold. A wine that pulses with the urgent indigo beat of an artery, the sleepless pull of midnight tides, the smoke of stone-ringed pyres drumming memories into dark, star-spilled skies. Calls to mind Silvia Plath and her Ariel: 'Stasis in darkness. / Then the substanceless blue / Pour of tor and distances. / God’s lioness,' God's lioness, this wine…

神々の獅子!笑

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