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品質は生産量に比例しない、しかし情熱は比例する。情熱のイタリアワイン。

イタリアワインの深すぎる世界を歩くには優秀なパートナーが必要だ。
今後、何を買うか、より、誰から買うか、がますます加速する。

なぜかと言うと酒業界は人材が不足しており、その傾向はますます顕著になっているから。どこも人を募集している。高い能力のある人材は独立するかより良い環境に行く。

上手いだけの人間になるなよ、と自分に言い聞かせ、今回は情熱のモンテ物産・松嶋兄貴の勉強会「イタリアワインの今を切り取るvol5」をまとめる

伊達男・松嶋兄貴

この素晴らしい会の発端はこちらの記事を
変態紳士クラブは捕まってしまいましたが、Tokyo Gentleman‘s Wineclubは永久に不滅です。

この頃の文章ふざけすぎだな(笑)

ということで、このあり得ないイタリアワイン会、コロナ禍でしばらく延期しており、ようやく第五弾を迎えられた。

このトップワインを飲む勉強会をもっと広げていきたい。

見る人が見るとわかる恐ろしいラインナップ
スピネッタの天才醸造家が手掛けるコントラット

イタリアはシャンパーニュの3倍

イタリアのスパークリングワインの生産量が9億本を超えた。(シャンパーニュは3億本)イタリアの成功理由は「比較しないこと」
価格勝負をかけなかったこと、シャンパーニュとはキャラが違うよ、で売ってきた。これは何事にも通じるが模範は対象の廉価版にしかなれないのだ。

日本酒の泡もシャンパーニュを目指すのではなく、気軽にテラスで飲めるプロセッコ的なジャンルを目指した方が良いと思うのは私だけ?

創業1867年のコントラットは2007年からピエモンテのスターであるラ・スピネッタのオーナー兼醸造責任者のジョルジョ・リヴェッティが造りに携わり2011年にはコントラットのオーナーとなった。

リヴェッティはシャンパーニュ愛好家で毎年研修にも行っている。イタリアでも負けないレベルの泡を造りたい、と大幅な改革を行い品質は飛躍的に向上。イタリアの最注目エリア、アルタランガでイタリア究極の泡を追求している。まだ歴史は浅いが今後が楽しみなエリア。


個人的に最高に好きな造り手、ビアンキスタ、サン・ミケーレ・アッピアーノ。

イタリア屈指のビアンキスタ(白ワイン醸造家)

ハンス・テルツァーのサンクト・ヴァレンティンシリーズはどれもその品種の特徴が明確な凄いワインを造る。イタリア最上のワイン評価誌、ガンベロロッソで最優秀エノロゴ10名の1人に選ばれ、「2000年ワイナリー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。
このゲヴュルツは香りは細いが強く香水のよう。滑らかな果実味に、心地よい苦みが味わいを引き締める。鋭く刺すような研ぎ澄まされた香りを合わせるなら、断然中華でしょう。

また凄いワイン来た…

日本に60本のみ

優良年だけ造られる特別なワイン。最高の区画、最高の葡萄、最高の醸造。初リリースで世界優秀ソムリエ・イタリアワイン評論家ルカ・ガルディーニ99点。
圧倒的にフルーツが香る。キウイ、白桃、南国フルーツがムンムンと立ち上がる。幾重にも重なる香りはフルーツショップ。味わいは大きな旨味の塊がゴロリと転がり込む。その塊は大きな円のまま余韻まで進み消えない。
世界トップソーヴィニョンブラン10本指に間違いなく入る味。


ピノノワールも一緒に比較

せっかく比較したのにピント泥棒がおるな。コメントもなぜだかこれだけない。ピントもコメントも盗まれた。


究極の白ワインの一つ、アッピウス2014マグナム

例えるなら「アベンジャーズ」みたいなワイン

究極のブレンドワインアッピウス。上のサン・ミケーレ・アッピアーノが毎年栽培している最高の葡萄から頂点を選抜、それをブレンドして造られる究極のワイン。ヴィンテージでもちろん比率は異なる。
香りも味わいも何重、何層に折り重なった複雑、緻密さ。遠くから見ると巨大な塊が実は近くで見ると細かい要素の集合した塊、だというのがよくわかる。調整したという味ではなく、個性の強い人間を集めたら勝手にバランスとって仲良くしてる、みたいな味。



VT違いも飲み比べ、ってまたお主か

アッピウス2017もピントを奪われたのでコメントは割愛する。ムルソー的な香ばしさ、滑らかさのある味わいだが、酸も若さも残りこれは長期熟成する味わい。
君悩んでるふりしてピント狙ってるよね?


ベルターニの新しいチャレンジ。トップ生産者は常にチャレンジしている。

トップ生産者からのメッセージ

今年ガンベロロッソでワイナリーオブザイヤーに選出されたベルターニ。瞑想のワインと言われるアマローネで有名な造り手だが、この新しいチャレンジは「クリュシリーズ」。

ヴァルポリチェッラエリアの自社畑から、イタリアとは思えないエレガントでピュアなスタイルのワインを手掛けている。どちらも12%台というのが凄い。パワフルなだけがイタリアではない。

このワインから感じるメッセージは「クリュ(場所の個性)」「低アルコール(12%台)」「エレガンス」

どれも今からの時代に必要なもの


ヴィンテージ違い、製法違い

老舗も進化する時代

50年は余裕で熟成を続けるベルターニのアマローネ。そのアマローネの最新ヴィンテージ2012年から大きな製法の変化があった。
それはマロラクティック発酵の有無。
無しになったということは、リンゴ酸の爽やかさを味わいに取り入れたいという考えが見て取れる。

2012年 マロラクティック発酵無し
香りドライフルーツ、バニラ、スパイシー、野性味のある香り。
様々な要素が複雑に絡み合い、余韻の酸が早い。

2010年 マロラクティック発酵有り
香り黒系果実でまったりと甘やか、黒糖的なコクがあり、閉じている。
味わいは練れた質感でスムーズ、ボリュームあり滑らかで奥行きがある。

フィニッシュの印象が全く違う。これは何十年後かに答え合わせをしたい。

この年代でもアマローネなら不滅

不滅のアマローネ

1981年 正規・蔵出し
香りはプルーン、カレー粉的スパイス、リキュール的な凝縮感のある甘い香り、赤系黒系のドライフルーツ、グラス1杯でもじっくり楽しめる。味わいはまだまだ将来を期待させてくれる。味わいは練れたパワフルな果実味ながら立体的な酸が存在し、奥行きがある。この酸味がベルターニの特徴と言える。背骨がビシッとあるから濃厚でも飲み続けられ料理を呼ぶ。

このアマローネを大きいグラスで食後にじっくり飲みながら葉巻と合わせたい。


埼玉の社長、聞こえていますか?

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