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地下の回廊の薄闇で「また会いましょう」Ⅰ

Tokyo Gentlemen’s Wine Club
2018年に開催されたワインのプロフェッショナルが集まる濃厚無比なワイン会(余りにも長くなり過ぎたので、2編に分ける事にした)

Tokyo Gentlemen’s Wine Clubメンバー

ヒロヤショップ榊原さん、長谷部酒店長谷部さん、サントリー柳原さん、シャトーラグランジュ&ライラヴィンヤード桜井さん、BB&R堀野さん、菅原さん、アークセラーズ佐藤さん、ワインエキスパートコンクール優勝の和田さん

酒の素晴らしい点は、全てがうまく運んだ時、その場にいるメンバーを結ぶ地下の回廊のような役割を果たしてくれる事。それは時が経っても、その地下の薄闇のどこかでお互いの存在をふと思い出し、感じることができる。

この飲酒というジャンルは、ある程度までたどり着くには膨大な経験値と知識を要するが、その先には一生の趣味にもできるような楽しいことが待っている。

ここに集まったメンバーは皆、ブラインドで品種、国、エリア、生産者、ヴィンテージまで探偵のようにじりじりと犯人を追いつめていく。

その過程を飲みながら参加していると仲間との飲酒というのは、人生の中でも素晴らしい経験となり血肉になるのだ。

当日のラインナップ

▶ルフレーヴ ピュリニー モンラッシェ 1er レ コンベット2005年

この数年で一番値上がりした白の造り手では?ルフレーヴの熟成は特徴的な樽と黄色果実の融合した胡麻油的なフレーバーが出ると毎回思う。熟成して果実感がちょうど良い。華やかで高いトーン、熟した黄色系果実、蜜的フレーバー。アタックは滑らかで綺麗、凝縮感のある柔らかな果実味、終始柔らかいテクスチャーはコンベットっぽい。中間は滑らかな繋がり、後口は大きく滑らかで大きい余韻。ミネラル感は穏やか。

▶キスラー キスラーヴィンヤード2004年

カリフォルニアシャルドネの最高峰。通称キスラーキスラー。香りはチェスナット、熟した黄色系果実、紅茶、マロングラッセ、など香りは発展している。アタックは滑らかながら凝縮感あり、まったりとした練れたテクスチャー、中間は滑らかに繋がり、後口は大きく柔らかい、ミネラル絡むオイリーな余韻。特徴的で近づきやすい味筋。

▶メオ カミュゼ フレール エ スール コルトン シャルルマーニュ2014年

メオカミュゼのネゴシアン。香りはフラワリーで引き締まった印象、ミネラルを感じタイトで細身。アタックは滑らかでピュア、繊細できめ細かい酸、中間はミネラル感でつながり、後口は石を舐めるミネラル感の余韻。

▶ジムバリー ジ・アーマー2012

世界のシラーズを代表するカルトワイン。シラーズの頂点であるグランジを超えたヴィンテージもある。目が覚めるような香り、明らかに果実の熟度が異なり、スパイシーでブラックペッパー的な香りとジャミーでパワフルな黒系果実にユーカリ的なハーバリーなタッチが奥行を出している。

アタックはガツンとパワフル、滑らかだが力強い、明らかにニューワールドのニュアンス。中間は力強く、太いタンニンで繋がり、後口はパワフルで長く強い余韻。アフターにヨードや青海苔の香りが伸びる。ただパワフルなだけではなく、高いレベルの酸、タンニンの質全てが高いポイントでバランスしている。これは赤身肉を噛みしめながら飲みたいワインとして印象に残った。

▶ポール ジャブレ エネ エルミタージュ ラ シャペル1985年

「20世紀最高のワイン」にも選ばれた世界を代表する1本。私の持ち込み。この時代はコルクが短く、抜栓がめちゃくちゃ大変そうだった。。香りは獣、燻製香、ドライブラックベリー、珈琲など非常に複雑なアロマ。果実にプラスして動物やスパイスが混じっている。アタックは凝縮感あり滑らかでパワフル。これだけ古くても強さは健在。中間は芯が太く、力強く繋がり、後口はヨードのフレーバーと力強く長い余韻。状態もバッチリ。

▶カステッロ ディ ランポッラ サンマルコ 1994年

スーパータスカンの一角。香りは凝縮感のある黒系果実、リキュール的で濃密。アタックは熟成由来の滑らかさ、凝縮感ありジャミーな果実味、酸味は練れているがタンニンはまだ存在感があり、構造がしっかりしている。後口はそのままタニックで力強い余韻。まだ熟成できるポテンシャル。最新VTで10,000円前後で20年以上軽く熟成するなら良いアイテム。

▶リナルディ ドルチェットダルバ1997年

バローロではなくなんとドルチェットダルバ。これはブラインドではわからない。。香りは熟成感強く、酸をまとった黒系果実。アタックは爽やか、酸味主体で、綺麗な熟成。中間は酸味で繋がり、後口はミネラル、軽やかな余韻。綺麗なフィニッシュ。

前半でこれだけ素晴らしいワインを飲みながら、まだまだ凄いワインが登場する。書きながらももう一回飲みたい。

後半に続く🔜



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