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本質は沈んだ後、浮かび上がる

人は何に価値を感じているのか


酒屋になるべく上京し、13年間東京の最前線で酒を販売してきた経験の中、店頭でよく尋ねられていた質問にそれはよく表れていた。

・高いもの
・希少なもの
・有名なもの
・最近人気なもの
・美味しいもの

どこに人が価値を感じているのかとてもよくわかる質問だと思う。

しかしこの中で液体の価値を生み出している本質とは「味」だ。

日本料理一凛の白魚の天ぷらとみむろ杉春酒

順としては「味」を追求した結果「人気」になり、名前が売れて「有名(ブランド)」に、そして即完売が続き「希少」になり、欲しくても買えない人が増えると転売が起きて「高く」なる。

良いお酒とは一部では「高い」ものとして認識されている。
これは海外の方に多い傾向、ある程度の値段なら間違いはないでしょう?というわけだ。

その値段の高さを生んでいるのは「希少性」。
いわゆる幻のお酒という使い古された謳い文句。
しかしそれもコントロールできる時代になってしまった。

確かにこの手順で見ると、高いものを買うことで途中を全て飛ばせるので良いものに当たる確率は高まるかもしれないが、それはお金持ちの話

価値と価格は違う

今SNSマーケティングで賑やかしている幻のお酒達は「味」以外の要素を全て持ち、様々な媒体を満たしている。

でもそれもいずれ、、というか消費者は長く騙せないと思う。

100円の水を10,000円で売れるか、みたいな売り方があるが、100円の水は100円の水。そもそも売り手は10,000円の価値のあるものを発掘し10,000円で売るべき。

だから売り手としてブレない為にこちらが見るのは「味」のみ。「味」でしか判断しない。

尾張の骨太な銘酒、義侠

しかし鮨匠の中澤親方も言うように「味」は時代で変化する。

私と中澤親方

昭和は食感、今は味の時代、では次は?

各造り手は進む方向を決めたら時代にアジャストし続けなければならない。
そして酒屋も時代で変わり続けなければいけない。

プラカップ2009個数えたり、誰にでもできる伝票処理をする時間はもう俺には無い。

北海道へ向かう飛行機内、日の入

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