職場における4つの対人リスクに怯えないこと
「成果を上げるチームの条件」について考えていきたいと思います。
まず、皆さんの職場では、次のような「対人リスク」言い換えると「人間関係で不安に思うこと」が存在していないでしょうか。
・同僚のAより知識が無いと思われたくない
・リーダーだから仕事が出来ないと思われたくない
・上司にそれは間違っていると否定されたなくない
・いろいろ質問して面倒な奴さと思われたくない
・場の雰囲気を壊したくない・・・など
私は20代の頃かなり内向的な性格だったのですが、先輩や上司の邪魔をしちゃいけないと思い、プログラムのコーディングで分からない所を聞けず、半日位一人で悩んでいたことがあります。その日の夕方に先輩から声を掛けてもらい、その問題はすぐ解決したのですが、「何でもっと早く聞いてこなかったの?時間のムダじゃん!」と怒られたことがあります。当時は常に周りの人の顔色を伺いながら仕事をしていたと今振り返ると思います。
このような職場で直面する対人リスクを「心理的安全性」を提唱したエイミー・エドモンドソン教授は、以下の本の中で4つに纏めています。
Amy C. Edmondson 「Teaming: How Organizations Learn, Innovate, and Compete in the Knowledge Economy」
日本語版:「チームが機能するとはどういうことか」
職場環境における4つの対人リスク
【1】無知だと思われる不安
質問したり情報を求めたりする場合には、無知だと思われるリスクを冒しています。例えば、会議で自分の他には誰も質問する人が居ないので質問をしなかった経験はありませんか?本来必要な質問や相談をしなかったことにより、後からトラブルが起きることがあります。
【2】無能だと思われる不安
自分のミスを認めたり、サポートを求めたりする場合には、無能だと思われるリスクを冒すことになります。例えば、部下に仕事の進捗状況を聞いたところ、部下は「全く問題ないです。ちょっとしたミスがありましたが、リカバリー出来そうなので心配しないでください。」と笑顔で回答されたことがあります。しかし、よくよく聞いていくと、お客様に迷惑を掛けているトラブルで大至急の対応が必要でした。その部下は、まさに無能だと思われたくないのでミスを隠す行動を取っていました。
【3】ネガティブだと思われる不安
学習して向上するためには、現在と過去の活動や仕事を批判的な目で評価することが不可欠です。しかし、それがネガティブ(否定的)だと思われるというリスクのせいで批判的な評価を言えなくなるは少なくありません。
そのリスクを気にし過ぎると、建設的な議論が出来なくなります。
【4】邪魔をする人だと思われる不安
周りの人の邪魔になったり、他の人の時間を奪ったりしてしまうのを恐れて、人々は意見や情報や支援を求めるのを止めてしまうことがあります。
また、例えば会議の場で今迄とは全く違う意見を出そうと思っても、その場の空気を読んでないと思われるのではということを恐れ、意見を出さないということもあるかもしれません。
これらの4つのリスクに怯えることが無い状態が、心理的安全性が確保されている状態であり、成果を上げるチームの条件と言えます。
次回の投稿では、心理的安全性を向上させるために職場で出来ることについてお伝えします。
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