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豆知識|電力の選択100V・単相200V・三相200Vの違いとメリットデメリット

お店を開業する際、業種や業態によってですが電力の選択は重要な決定の一つです。

一般的に使われる電圧には、100V、単層200V、三相200Vの3種類があります。

それぞれの特徴、メリット、デメリットを理解することで、適切な電力選択が可能になります。


100V(単相100V)

特徴

100Vは、日本の家庭用電源として最も一般的な電圧です。小型の家庭用電化製品や照明器具に適しています。

【メリット】

  • 設置が簡単: 多くの場所で既に使用されているため、特別な設備工事が不要。

  • コストが安い: 初期設置コストや電気料金が比較的低い。

  • 安全性: 電圧が低いため、感電のリスクが少ない。


【デメリット】

  • 電力不足の可能性: 大型の業務用機器や高出力が必要な機器には対応できない。

  • 効率の問題: 電力の効率が低く、大型機器の使用には不向き。



単層200V

特徴

単層200Vは、家庭用エアコンやオーブンなど、やや高出力が必要な機器で使用されることが多い電圧です。

【メリット】

  • 高出力対応: 大型の業務用機器も使用可能。

  • 安定した電力供給: 100Vよりも高出力で安定した電力供給が可能。

【デメリット】

  • 設置コスト: 初期の設備工事が必要で、設置コストが高くなる可能性がある。

  • 感電リスク: 100Vに比べると感電のリスクが高まる。



 

三相200V(通称:動力)


特徴

三相200Vは、業務用の大型機器やモーターなど、非常に高出力が必要な機器に使用される電圧です。

【メリット】

  • 非常に高い出力対応: 大型の冷蔵庫、フライヤー、大型ミキサーなど、業務用の高出力機器に最適。

  • 効率が高い: 電力の効率が良く、長時間の使用にも耐える。

  • 安定性: 電力供給が非常に安定しており、機器のパフォーマンスを最大限に引き出すことができる。

【デメリット】

  • 高コスト: 設備工事や初期設置コストが非常に高くなる可能性がある。

  • 専門的な工事が必要: 専門的な電気工事が必要であり、導入には時間と手間がかかる。


結論

開業に際して、使用する電力の選択は店舗の規模や使用する機器に大きく依存します。

小規模なカフェやレストランであれば100Vや単層200Vで十分な場合が多いですが、大型のレストランや高出力機器を多用する場合は、三相200Vの導入を検討する必要があります。

しかし電力会社との契約上の問題や、建物の供給電力の限界等でお金や時間では解決できない場合があります。
その際は熱源(電気・ガス・灯油)の変更やハイブリット、機器の変更など、状況にあわせて様々な最適解を模索することが大切です。


ポイント


設計時点では業務用機器に目が行きがちですが、家庭用の電化製品も細かく把握し、設計に組み込むことは重要です。

例えばサロンでのドライヤーや休憩室の家庭用電子レンジなども、瞬発的に電力を消費する機器は分電盤から単独の回路で専用コンセントを設置するのが常識です。

内装や設備業者と家電も含めた情報交換を事前に行わうことでリスクを回避できます。

これを怠る業者や、開業者からの伝達漏れがあると、特定の機器を稼働させるとすぐにブレーカーが落ちます。

また北海道などの寒冷地では補助暖房で電気ストーブ/整体等のサロンでは電気毛布などの導入も、消費電力の計算にいれて設計するのが常識ですので、必ず業者とのコミュニケーションをしましょう。

それぞれのメリットとデメリットをよく理解し、最適な選択を行うことで不便を感じない店づくりができます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。






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