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60歳からの幸せ人生の作り方〜引っ越しラプソディ

私は「人生の楽園」と言う番組が好きで、毎週欠かさず見ています。
時には古民家を改造してカフェを始めたお母さんの話だったり、奥さんの実家に移り住んで農業を始めたご夫婦の話だったり…。
穿った見かたをすれば、起業して大成功をおさめた話は一つも出てこないじゃない?とも言えるのですが、
どの方も笑顔で生き生きしてらして、幸せそうなんですよね。

そんな他人様の生き方に羨ましさを感じながら、自分はこの雪国秋田に生まれて、生きて、死んでいくんだなあ。と、思っていました。
だからと言って、秋田県が嫌いと思ったことはなく、むしろ農作物は安くて美味しいし、自然は美しいし、人は温かいし、台風や地震被害も少ないし、住みやすいといったら住みやすいところではあります。

雪さえ降らなければ!

私が住んでいる県南部は豪雪地帯です。一晩に60センチの積雪ということも度々あります。
それでも敷地が小さければ、筋トレがわりに雪寄せ労働もありかなと思うのですが、我が家は広大な敷地を有し(田舎は土地が安いので広い敷地に戸建て+畑+倉庫みたいな家屋が一般的です)機械を入れなければ雪寄せができません。
夫もローダーを購入し、毎朝せっせと雪寄せをしていました。
しかし、2年前に軽い脳梗塞を患い、以来、朝のローダー出動が億劫になったと言い出しました。
命ある限り仕事をするんだと意気込んでいたのですが、病は人を弱気にさせるものですね。

事業承継…

夫がそんなことを口にするようになってから一年以上が過ぎました。
「承継者が見つからないまま、また来年も冬も過ごすのか?」
「見つからなければ自分でたたむしかない。」と、ため息混じりにつぶやくことが増えました。

「たたむとしたら、いつ?頑張ってもあとニ、三年か。」
しかし、身体は確実に衰えていきます。あと二、三年頑張ったら自分でたたむと決心した時、突然状況が変わりました。
なんと、事業を継承したいという方が現れたのです。
広い土地と建物、事業の継承権も含めて考えると破格の売り値でした。「この田舎町で仕事を継承してくれるというだけでありがたい申し出だったから、値段を釣り上げようなどという気持ちはない。」
それが夫の正直な気持ちだったのだろうと思います。

さあ、そうなると、私たちはここを引き払わなくてはなりません。大急ぎで次にどこに住むのかを考えなければならないわけです。

シニアの移住といえば、現在住んでいる大きな家屋敷を売却して、マンションに移り住むか、子どものところに同居するか、おおむねそのどちらかです。
「人生の楽園」のように、死ぬまでに叶えたい夢でもあれば別ですが、一般的なシニアの移住のイメージといえば、持ち物も暮らし方もコンパクトにして、静かに年金で暮らす、と、いったところでしょう。
しかし、私たちの選択はちょっと違っていました。
夫は継承してくださる方としばらくはタッグを組まなくてはなりません。この町をすぐに離れるというわけにはいかないでしょう。
しかし、私は…

私はどうする?

現実的な話をすれば、うちには猫が4匹居ます。この時点でマンション暮らしは無理でした。
近くにある夫の実家に移動するという選択が一番無難ではあったでしょうが、姑が高齢のうえ、動物嫌い。
猫と暮らすことを第一に考えたら、私は猫を連れて一軒家に引っ越しするという結論に達しました。
嘘みたいな本当の話ですが、数年前から私はそのことを切に望んでいました。
それについてはまたの機会に話すとして、とにかく希望が現実味を帯びてきたわけです。
そう決めたら物事は一気に加速しました。
「移住先は?」
「秋田県じゃなくてもいいんじゃない?」
今は他県に住んでいる娘たちも口を揃えて言います。

さあ、条件を絞ろう。

①雪が降らないか、降っても大したことのないところ
②仕事やレッスンでしょっちゅう仙台市に行くから、仙台駅にアクセスが良いところ

この二つの条件を叶えるところはどこだ?
候補が5箇所ほどに絞られ、それからあとはまたまたハイスピードで物事が進みました。
結果、宮城県某所に心が動き、物件も長女と見に行って即決しました。

今は、秋田の家の片付け真っ最中です。20年以上溜め込んだモノ、物、ものたちを断捨離しているところです。断捨離中に気づいたこともたくさんあります。
それは次回お話しましょう。
引っ越しって、移住って大変なんだろうなと思っている方々が、なんだか意外に簡単で楽しそうと言ってくださること間違いなし!
次回をお楽しみに。

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