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常設展示室を読んで

本の感想を文章にするなんていつぶりだろう

下手したら中学2年生の読書感想文ぶりかもしれない。
ということは、6年ぶり

夏休みの宿題で一番嫌いなのが読書感想文でした。少しでも書きやすいようにと推薦図書を選ぶけどスムーズに書くことができた思い出がありません。

今でも縦書き原稿用紙を見るだけで寒気がするくらい。

そんな私が6年越しに感想を書きたいと思える素敵な本に出会ったのでnoteに記録します。

タイトルにもあるとおり、原田マハさんの”常設展示室”という本。
この本は、6つのお話が入っている短編集なんだけど、その中でも私が印象に残った一文、そして上白石萌音ちゃんによる解説で共感した言葉を記録します。

まず、最後のお話に出てくるこの部分。

作品が観る者の関心を奪うのには1秒もかからない。
(中略)
そして本当の感動は作品を見終わった後についてくる。例えばその作品を見たのが美術館なら、そこを出て、食事をして、電車に乗り、帰宅し、眠る直前まで、観た人の1日を豊かにし続ける。それが名作というものだ。

常設展示室 原田マハ

この部分を読んだ時、自分にはそのような絵画があったか、今まで行った展覧会を思い出してみました。

ありました。

それは、去年の秋頃、上野の東京都美術館で開催されていたゴッホ展にきていました。

キュクロプス

ルドン キュクロプス

いやいや、ゴッホ展なんだからそこはゴッホの絵を選ばないと、、、という感じですが、私にとって豊かさを与えてくれた名作はルドンのキュクロプスです。

当時、私は文学の授業でオデュッセイアを取り扱っていたところでした。キュクロプスなんて文学の授業を履修していなかったら知りませんでした。

ゴッホ展で、あの絵画の前はやに人が多いなーーと思い、誰のなんていう作品かリストで名前を確認してみるとキュクロプスと書かれています。

「うっわーーーーーー!!聞き覚えある名前だわ」


しかし単位のために取った授業なので「キュクロプスは文学の授業で習ったんだ!!!」。残念ながらそんなことはすぐには思い出しません。
家に帰り、心当たりがある資料全てを探し文学で習ったことを思い出しました。
思い出すまで私はキュクロプスに心を支配されていました。
単位のために履修した授業と趣味である絵画鑑賞が繋がった瞬間、それがすごく嬉しく1日、いや今でも忘れられません。

はぁーーーー!!!あの時単位のためと言って文学を履修した自分ありがとう。

そして、上白石萌音ちゃんの解説文。

実際アートとは「2度出会う」ことがよくある。まず私たちは暮らしの中で、たくさんのアート作品と意識的ないし無意識的に出会っている。例えば街中のポスターやデザイン、学校の美術の授業など、あらゆる場所で。そして美術館に行くと、それらの「実物」に再び出会うことができる。どこかで目にしたことがある有名な作品を、目の前で、触れそうな距離で鑑賞することができるのだ。

常設展示室 原田マハ

確かに。


2度目出会った時の感覚、なんともいえないゾワっと寒気がするそんな感覚が私は大好きです。

高校生の頃初めて行った絵画の展覧会、ロンドンナショナルギャラリー展でモネの睡蓮を見たとき、もう体の中の細胞全てが悲鳴を上げ絵画の前で私は立ち尽くしました。

そして、目玉のゴッホのひまわり。
もうこれがラスボスでした。
中学だったか高校だったか美術準備室のドアに貼ってあった絵が目の前にあるんですよ!!!!!!はあ信じられない!!!!!!!

この2度目出会う感覚が忘れられず、絵画鑑賞が今となっては私の趣味となっています。

これからも2度目の出会いを求めたくさんの美術展、美術館に足を運びたいと思います。

ゴッホの夜のカフェテラスもルノワールのムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会もモネの日傘の女もまだまだ観たい絵がたくさん!!!!!!待っててね!!

まずは、土曜日から国立西洋美術館で始まる自然と人のダイアローグで展示されるモネの舟遊びに会えるのが楽しみです。
毎度展覧会が始まってすぐだと、「混んでるだろうなーー」と思いチケットを取るのを渋ってしまいますが今回は一刻も早く舟遊びに会いたいので予定が空き次第チケット予約をします。

待っててね舟遊び

おわり


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