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見つけてくださってありがとうございます。

私、あまりにも久しぶりに本を購入しました。
それはあまりにも魅力的で危険なものでした。

『近畿地方のある場所について』著者:背筋

ページ数も多くなく、非常に読みやすいものだったということもあってか購入して丸一日で読み終えてしまいました。私は今まで小説等を一日で読み終えたことはなかったんです、むしろ章ごとに分けて何日もかけて読むタイプの人間でした。

全て読み終えた今ならわかります。何度も止めようとしてくれたのに。最後まで抗ってくれたのに。駄目でした。
読ませられていたんです。なんでかって?広めなくてはいけないから。
この全貌を、伝播させて、多くを山に連れていかなければいけないから。もっと高いところへ。
みんなも●●●●●の山に行こう。楽しいよ。●●●●●行こう。行こう。行こう。行こう。


見つけてくださってありがとうございます。



なんて、本の怪異になぞったものはこの程度にしておく。
いやあ本当に面白かった〜怖かった〜!

最近やたら流行っているモキュメンタリーというものを皆はご存知だろうか。

『フェイクドキュメンタリーQ』
『Aマッソのがんばれ奥様ッソ!』
『祓除』
『イシナガキクエを探しています』
『呪詛』
『女神の継承』

etc.....

「変な家」とかもそうなのかな、簡単にいうとドキュメンタリーのように見せて全てフィクションというジャンル(詳しくは調べてみてね)。

上記のものは全てホラーモキュメンタリーである。

中でも『近畿地方のある場所について』は『祓除』や『呪詛』のような“視聴者巻き込み型モキュメンタリー”に近しいものを感じた(正しい名称があるのかは知らない)。

まったく無関係な第三者として見進めていたのに急に怪異を視聴者に投げつけてくる後味の悪い作品だ。それ故に不快感と恐怖が後を引き、印象に深く刻まれる。タチの悪い手法である。

本書も同じように“読者巻き込み型”のモキュメンタリーなのだ。

にしても丸一日で読み終えたことには我ながらビックリしている。
ホラーはジャンルとしてはかなり好きな方だがホラー小説は初の試みだった(夏と花火と私の死体はホラー?なのか。それだけ読んだことがあった)。

映画やテレビ番組のモキュメンタリーは好んで見ることが多く、ホラー以外にも『最強殺し屋伝説国岡』なんかは大好きで大阪編はBlu-rayまで買ってしまった。
最近だと『イシナガキクエを探しています』。
全話リアタイで視聴するくらいには最近の楽しみとなっていた(TVerで見れるよ〜みんなも見てね〜探してみてね〜)。

というわけで小説のホラーモキュメンタリーなんて今まで読んだことはなく、この勢いに便乗していなければ購入もしていなかっただろう。

知った経緯としてはYouTuber兼俳優の『かいばしら』さんという方が紹介していたからである。
私はかいばしらさんの影響をかなり受けており、阪本裕吾監督や白石晃士監督作品を見るようになったのもこの方がきっかけである。

主に映画を紹介してくれるのだが、ホラー漫画やホラー小説なども稀に紹介しておりその中の一つが本書であった。
かいばしらさんの編集も併せて凝っており、だいぶ不気味なものになっているので印象に強く残っていた。
映画好きの方々、おすすめだから是非見てみてね。


というわけで深夜3時に読み終わったわけだが、これの最後に【取材資料】なる袋とじがある。
Kindleとかだと普通に見れるのかな?わからないけど、これが、非常に嫌だ。
好奇心でこんな深夜に見なければよかったとしっかりめに後悔した。すべてを通してずーっと怖い本書だが、今まで文字だけで自分が想像していた姿形を無理矢理形付けられた。勝手に想像する分には幾分かマイルドにすることも出来ていたが唐突に悪意の暴力。気持ち悪すぎる怖すぎるこんなの最後に見せてこないで!?


アフェリエイトとかじゃないんだけど気になった方のためにリンクを添付させていただく。
本書を読んで、語らおうではないか。

そして袋とじを深夜に破り開けてほしい。

私も身代わりを見つけないといけないし。

というわけで、慣れていない本の紹介はおしまい。勢いだけの拙い文章を最後まで読んでくれてありがとう。



〈了〉

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