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#2 BEYOND GIRLS 小澤綾子さんにインタビュー【後編】

こんにちは、Risaです😆

記念すべき初回インタビュー!車イスチャレンジユニットBEYOND GIRLSリーダーの小澤綾子さんにインタビューさせていただきました!👏

今回は後編、BEYOND GIRLS結成のきっかけやその活動について。

前編はこちら

綾子さんは、筋ジストロフィーという進行性の難病を抱えながら、障害を持った人々が自分らしく生きられる社会を目指し、歌と講演の活動と、車イスチャレンジユニットBEYOND GIRLSの活動をされています。また日本IBMで人事として働く傍ら、主婦としての顔もお持ちです。

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※ 筋ジストロフィーとは、身体の筋肉が壊れやすく、再生されにくいという症状をもつ、たくさんの疾患の総称。(日本筋ジストロフィー協会より引用)

「車イスに乗りたくなかった」BEYOND GIRLS結成のきっかけ

Q. BEYOND GIRLSを始めようと思ったきっかけはありますか?

始めたきっかけは車イスに乗りたくなかったこと。病気が進行して、杖をついて歩いているけど、危なっかしく、よく転ぶようになりました。お医者さんからは車イスに乗った方が良いと言われましたが、車イスに乗ると、自分が自分でなくなる気がしていました。変な言い方をすると、さらに障害者化する気持ちがして。杖を1本から2本に増やしても、どんなに転んでも、どんなに転んで立ち上がれなくても、真っ暗な道で誰かが通りがかってくれるのを待っていたとしても、歩くという選択をしていました。

でも、その時車イスでも自分らしく生き生きしている仲間に出会い、車イスの人たちにレッテルを貼っていたと気付いたんです。車イスでもいろんな方がいて、車イスに乗っても、人は中身が変わるわけではないと思いました。そこで、AKBをイメージして、車イスに乗った女子が沢山いるユニットを作りたいと思い、私から誘って車イスチャレンジユニットを結成しました。障害を越えて、自分の可能性を越えて、全てを超えていけるような人たちを集めて社会を変えたいと思ったんです。

最初は3人で始めたユニットでしたが、今はチャレンジしたい人は誰でもOKというプロジェクトベースで活動しています。関わってくれた人だと何十人に及びます。車イスの方が多いですが、いろんな障害を持った方が関われるプロジェクトもあります。車イスの方で私たちの姿を見て前に出て行きたいと一歩踏み出してくれた人が多いかな。

Q. BEYOND GIRLSはいろいろな活動をされていますが、その中でも自慢したい活動はありますか?

企業とコラボレーションして何かをする時は、社会が少し進んだと感じます。最近だと、自動車のシートを作るメーカーさんとコラボして、「緩急走」というスポーツを開発しました。マイナスと捉えられがちな新しい価値を生み出すことに使えた瞬間が嬉しかったです。

緩急走をもっと知りたい人はこちらから

また、バリアフリー映画として、好きな席に座って映画を観れるイベントを開催しました。普段は車イスで映画館に行くと席が決められていますが、前でかぶりついて見たい時と、後ろでゆっくり見たい時もありますよね。そこでボランティアさんに手伝ってもらいながら、1回だけですが、それぞれ好きな席に座って映画を見ることができました。

車イスでもできることがいっぱいあり、やり方を変えたらできないことは何もないと思います。やり方は百万通り。百万通りの可能性を考えて1歩踏み出してみることをやり続けたいですね。

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「車イスタクシー」なのに

Q. 車イスでできるようになったこと、良かったことはありますか?

聞いてくれて嬉しいポイント。車イスになって良いことを聞いてくれる人が大人になると少ないため、率直に聞いてくれるのは嬉しいです。私は前までは杖をついて歩いていたので、歩くのがめっちゃきつくて、500m以上一人で歩けなかったんです。500m以上歩く時にはタクシーに乗っていました。でも車イスになるとずっと座っていけるから、何kmという単位で自分の力で移動できるようになったし、荷物を沢山持って移動できるようになりました。

ドバイに行った時は、モーゼが海を開くみたいに、道を譲られたこともあります。笑

Q. 日常生活を送る中で、少し意識したら変えられるのに、なんで変わらないのだろうと思うことはありますか?

障害を持った人たちが意思決定の場にいないので、車イスユーザーにとって使いづらいものが作られることがあります。例えば、車イスタクシーのジャパンタクシーは、車イスの人たちも使いやすいものがデザインされたはずなのに、あまり広く意見を聞かなかったせいか、結局車イスの人が使いづらいものができてしまったと聞きます。私はジャパンタクシーを呼んだ時、「研修で習ったが習っただけなのでわかりません」と言われ、せっかく呼んだタクシーに乗せてくれないことがありました。自分以外の誰かのペルソナの視点を持つことが重要だと思いますね。

Q. 何かに挑戦したいけど自信ない、どうしたら良いかわからない人に対して、何かメッセージをいただけますか?

私も自信がないことの連続。どうせ叶わないと思い、夢を持つのが怖かったです。でも活動するうちに周りに応援してくれる人も増えたし、周りの人は、自分の可能性を自分以上に信じてくれる人が多かったです。その中でちょっとずつやりたいことをカタチにできるようになってきた。できないことが多いから人が助けてくれる人が集まるのかもしれませんね。

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Risa 後記

ここまで読んでくださり、ありがとうございます!前編後編まとめて、インタビューの感想を述べます。

BEYOND GIRLSを初めて知った時、とても楽しそうに活動されていると思いました。自分の可能性を越えてチャレンジされる姿は、障害を必死にを乗り越えようと頑張る姿というより、障害に捉われず自由になろうとする女性たちの姿に見えました。実際にお話しさせていただき、綾子さんは、どんなことがあろうと自分の人生を楽しみ、次々とアクションを起こしていく方だと感じました。

綾子さんのお話で特に印象に残っているのは、前向きになれたきっかけの1つとして語っていただいた、リハビリのお医者さんとの関わりです。綾子さんは「偶然の出会い」とおっしゃいますが、お医者さんからの厳しい言葉にめげず食らいついたことは、「偶然」の出会いというより、むしろ綾子さんがその方をコーチとして自ら選んだようにも聞こえました。障害に翻弄されるのではなく、自ら歩もうとするお姿はこのお話にも表れているのかもしれません。

貴重なお時間いただきありがとうございました。

BEYOND GIRLSをもっと知りたい方はこちら!


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