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ブレないマーケティング施策を考えるために大切な「課題の問いかけ方」をシンプルに整理する思考法

この記事は、マーケティング担当の方が「どうしたら売上げが伸びるのか?」と考えたときに、適切な「問い」の立て方を理解し、「本当にすべき施策」を見つけやすくすることを目的としています。
シンプルに理解できるように、図形で表現しています。

自分たちが売りたいものをサイトで紹介すれば売れるとは限りません。今、自分たちが抱えてる課題を、改めて見直すきっかけになれば幸いです。

なぜ買うのか?をシンプルにまとめると三角形になる

「買う理由」をシンプルに三角形で表してみました。

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下から説明します。

■理由
買う理由は、本当に人それぞれです。
価格や緊急性はもちろん、流行っているから、広告で見かけたら…何かしらの理由は根底としてあるはずなのです。

■価値
なぜ、たくさんある商品の中からその標品を手にとったのか。
その商品になんらかの「価値」があるからだと考えます。
これをもっていると自慢することができる。というのも、その商品の価値です。

■エンゲージメント
エンゲージメントが高いユーザー=ファンということになります。
この商品を買えば間違いない、とリピートしてくれる人たちです。

お気づきかと思いますが、いきなりエンゲージメントの高いユーザーは、ほぼいません。(自分の好きな芸能人がプロデュースしたなら、なんでも買う!ということはあるかと思いますが。)

そして、エンゲージメントの高いユーザーがいないのであれば、サービスとして破綻している状態です。

つまり、売り上げを伸ばすということは、「底辺を広げる」「高さをあげる」この二つの軸で、三角形の面積を広げることを考えていくことなのです。

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今わたしたちがすべき施策は、「底辺を広げるのか」「高さを上げるのか」どちらか、と考えると社内でのコミュニケーションも楽になるかと思います。

➀ 三角形の底辺を広げるために

底辺のなるのは購入する「理由・きっかけ」です。

底辺を広げるとはどういうことなのか、これを図形にまとめると下記のようになります。

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購入理由が3つ三角形よりも、五角形、八角形と多角形になった方が、ユーザーとの接点が増えることで買いやすくなる、というイメージです。
多角形になればなるほど、底辺が広がるということですね。

②高さを上げるために

高さを上げるということは、購入する価値を高め、ファンになってもらうということ。

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このサービスの独自性や優位性は何?
どうしたら信頼してもらえる?
など、ユーザーが喜ぶことを考えていくことが必要です。この丸がたくさんあるほど買いやすくなる、とイメージしてもらえればと思います。

「問い」を見直す

では実際に、具体的に図形を思い出しながら、「問い」の立て方を見直してみましょう。

今回は、価格にとらわれすぎてしまった場合を例とします。

とあるECサイトの運営担当者は、お得であれば自分たちのサービスを利用してもらえるだろうと思っている。
ユーザーを増やす施策として
・追尾のバナーでキャンペーンバナーを設置しよう。
・購入確定前に、定期購入がもっとお得なことをアピールしよう。
という考え方で、サイトの改修案を作っていた。

この場合の「問い」は、「売上が伸びないのはお得さを認知してもらえていないからではないか」、ということになります。

これ自体がダメということではありません。
しかし、価格に固執してしまいすぎると、「キャンペーンバナーを追加したが売り上げが思うように伸びなかった。バナーに気づいてもらえていないからではないか?ではバナーの見た目を変えてみよう。」
という、お得さ認知に関する問いにだけ考えが偏ってしまいます。

では、三角形を用いて現状を把握してみましょう。

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三角形で考えると、底辺のほんの一部のことばかり考えていたということがわかるかと思います。

では、「底辺を広げる」という観点で図形で表してみましょう。

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価格のみ、フォーカスを当てているので「点」です。
購入してもらいやすくするためには、多角形を目指す必要があるので、点の状態はあまりいい状態ではないということがわかるかと思います。

では、「高さを上げる」という観点ではどうでしょう?

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もちろん、お得だから利用しようと思うユーザーもいると思います。
ただ、デメリットがあって、お得なキャンペーンがないと購入しないユーザーが増えてしまいます。
また、価格以外のところ(サイトの使い易さやロイヤリティなど)で、他のサービスに魅力を感じてしまったら、リピートしてもらうことも難しくなるでしょう。

つまり、「他よりお得であれば自分たちのサービスを利用してもらえる」という価格の訴求だけでは、三角形の底辺を広げるのも、高さを上げるのも威力が弱いのです。

「キャンペーンバナーを追加したが売り上げが伸びないのは、バナーに気づいてもらないからではないか?」

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「お得なキャンペーンだけでは購入する理由や価値が少ないのではないか?」

というような新たな「問い」が見えてくるかと思います。

「問い」を変えることで生まれる新しい施策

「お得なキャンペーンだけでは購入する理由や価値が少ないのではないか?」
この新たな問いから、ユーザーがどのようなきっかけで購入しているのか、もっと深く考える必要があることが見えてくるかと思います。

これは、Aさんがとある電子書籍サイトで漫画を購入した際の購入プロセスです。

jobプロセス

同じ人でも、購入理由は何パターンか存在しています。
このプロセスを、大きく「認知」「興味」「(購入した)状況」に抽象化すると下記のようになります。

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購入プロセスを見直すと
・興味があるものを認知すると購入する。
・興味があってもわざわざ購入しないものは、無料で読めたり、移動時間が長いなど状況が噛み合うと購入する。
…という行動をしてることが見えてくると思います。

このAさんが再度購入してもらうためには、何をしたらいいのでしょうか?

様々な切り口でもっと作品を認知してもらうことが必要ですね。
これを考えていくのが新たに生まれる施策なのです。

[施策の例] サイト内レコメンド編
サイト内でポップアップやバナーで様々なキャンペーンを告知していると思いますが、出せばいいというわけではありません。

例えばゴールデンウイークの大型連休に合わせて行うキャンペーンがあったとします。

イマイチな例:
「GW特別割引キャンペーン」
 →GWでなければいけない理由がない。

ターゲットを意識している例:
「GWに考えたい転職に役立つ漫画10選」
 →時間があり、自宅で過ごす時間を活用したい人をターゲットとしている。

GW特別割引キャンペーンでは、「興味があるものなら購入する」Aさんは再度購入するきっかけにはならないでしょう。
一方で、もし、「転職」を考えていたら購入のきっかけになるかもしれません。

この例もひとつの案でしかありません。
もっと様々な角度で考えていく必要があります。

最後に

今の施策に違和感を感じたときだけでなく、社内で共通認識を持つためにも、定期的に施策の「問い」を確認してみてはいかがでしょうか?

マーケティング担当者以外の人でも、図形で考えると同じイメージを持てるのでおすすめです。是非ご活用ください。

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