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【データ解析担当者向け】レポート報告したら退屈そうな顔をされてしまった…退屈させない”本当に役立つ”レポート作成

数値レポートを作って報告しても、退屈そうな顔をされたり、リアクションがなったり、レポート作った意味あったのかな…と落ち込んだことはありませんか?

データ解析担当としては、
数字の羅列は面白くないかもしれないけど、データに改善のヒントがあるから、もっと気にしてもらいたいというのが本音ですよね。

今回は、解析担当者以外の人に退屈な顔をされない役立つレポートの作り方を説明します。

レポートは大きく2種類ある

レポートには大きくわけて
①モニタリング
②分析
の2種類あります。

①モニタリングは健康診断のようなもので、異常がないかの把握をするものです。
実際のレポートは、同じ指標を軸に前月や前週との比較をまとめ、簡単な考察を記載したものをイメージしてください。
ちなみに、同じ指標でデータを見るのでデータポータルでフォーマットを作ると作業が楽になります。

②分析は仮説があって、その確からしさを探すため、データを確認しながら考察することです。
仮説を元に色んなデータを見るため、モニタリングのようにフォーマット化はできません。

改善行動の道筋を整理する

実際に改善施策の考えるときの経路を2つ比較してみます。

ひとつめ、
A:
フォームの離脱率が高い
⇒これは問題だ
⇒改善しよう
というのは、一見普通ですが、それゆえ当たり前です。

ここで重要なのは、なぜ離脱率が高いかを考察する、ということになります。
しかし、Aの行動ではそれが出来ていません。

そうなると、Aの考え方では、改善の打ち手が出せず、EFOを入れようとか、そういう話で終わってしまいます。

では、
Aよりもよい分析や改善行動とはなにか、についてお話します。

例えば、人材派遣のサイトで、登録がCVとなる場合を考えます。
登録フォームにきた人が感じそうな課題を想像すると、
B:
登録する拠点が都内でたくさん出てくるが、どこを選べばいいのかわかっていないのではないか
⇒都内であれば、新宿でも渋谷でも品川でもどこでもいいと思ってる
⇒自宅の最寄りがいいのか、希望する勤務地がいいのかわからない
⇒選べないからまた今度にしよう
⇒離脱

という流れになっている可能性が考えられます。

そうであれば、
どこを選べばいいのかアシストする文言が必要なのではないか
⇒「自宅の最寄りや希望勤務地をおすすめします」などの文言はどうか

というアイディアが生まれます。

次に行うことは、この考えが正しそうか、を確認する作業になります。

ここで、実際のデータを見ていくことになりますが、

・フォームのスクロール
・フォームの離脱率
・該当箇所のクリック
などを確認し、
例えば、「クリックはされてるものの、該当箇所の前後でスクロールが減っていたりする」と、ここでユーザーの迷いが発生していそうだ、と捉えることが出来ます。

ここまできて、「どこを選べばいいのかアシストする文言」を加えるテストを行うことは妥当そうだ、という判断ができ、改善のアクションに繋がります。

つまり、この流れが健全な改善活動になるのではないかと考えています。

改善案は必ず成果が出るとは限らない

施策が失敗した報告は、暗い気持ちにもなりますが、
仮説がある改善施策の最大のメリットは、
施策が失敗しても成功しても知見が残る、という点です。

失敗した場合、仮説が外れていたとわかり、
登録フォームでの課題は、拠点を選ぶタイミングではなく、別のタイミングにあるのではないか、だとしたらどこか、など、さらに考察をしていくことが出来ます。

成功した場合、仮説があたっていたとわかり、
他の課題を考えることが出来ます。

退屈な顔をされる理由

退屈なれ顔をされてしまうレポートは、A※1のようなケースが多いと思います。

A:
フォームの離脱率が高い
⇒これは問題だ
⇒改善しよう

※1 再掲

サービス担当者もEFOツールをいれるんでしょ?で思考が止まってしまっているため、退屈になってしまうんですね。(実際ところ、EFOツールいれてすべて解決!なんてことも稀なので、考えることは沢山あるのですが…)

でも、Aのケースは陥りがちでよくある話です。
何故なら、WEBマーケはいろいろなデータが取れてしまうがゆえ、ユーザー行動の課題を考えたり、想像することが疎かになってしまうからからです。

本来であれば、
・どんなことに疑問を持つのか
・どんなことを不安に感じるのか
・どんなことが理解できていないのか
…という想像や仮説を持つのが、データの活かし方であり、
それを持って課題解決するのが施策であり、ひいては事業改善につながるのです。

そう考えると、サービス担当者がデータの結果だけ聞いても退屈そうな顔をする理由がわかってきますよね。
事業改善につながっているのかわからないのに、真剣に話を聞いてもらうのが難しいのです。

レポート報告の満足度を上げるテクニック

例えば、A/Bテストの結果報告をするとします。

結果報告会であれば、「テスト結果とその考察」でも内容は満たしているかと思います。
施策を考えるにしても、クライアント側の状況を聞かないと実際にできる施策できるかわからないし、施策を出したところで意味があるのかわからないと、特に忙しいときは改善を出すのが後手に回ってしまう気持ちもとてもよくわかります。

こんなときは、報告会の時間を前半後半に分けてみてはいかがでしょうか?

前半:①モニタリング報告
ABテスト状況を報告、考察を伝える

後半:②分析報告
モニタリング報告を受け、仮説会議という形で、B※2のような考え方で、こちらで仮説を出しつつも、先方と議論し、仮説を立て、その場で一緒に施策を考える

B:
登録する拠点が都内でたくさん出てくるが、どこを選べばいいのかわかっていないのではないか
⇒都内であれば、新宿でも渋谷でも品川でもどこでもいいと思ってる
⇒自宅の最寄りがいいのか、希望する勤務地がいいのかわからない
⇒選べないからまた今度にしよう
⇒離脱

※2 再掲

サービス担当の意見も伺うことで、知らなかった状況を聞けることもありますし、「ふーん、こんな結果だったのか」で終わってた結果報告が、議論する場になり、改善に対する意識が変わります。

サービス担当者も自分が担当しているサービスということもあり、積極的に意見を出してくれることも多く、同じ課題に向かって認識合わせができるので、この形式の報告会は実際に好評をいただいています!

最後に

せっかく作ったレポート、受け取った人が喜ぶものを作りたいもの。
それがデータ解析担当としてのやりがいのひとつですよね。
皆様の参考になれば幸いです。

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▼講師
and,a株式会社 取締役 CAO
中田 吉彦
1996年より日経BP社でウェブマーケティングのキャリアスタート。約26年間にわたりウェブサイト改善のコンサルティング業務に従事。
Googleアナリティクス(ユニバーサル アナリティクス、GA4)、ヒートマップ、A/Bテストに加えて、競合比較、ペルソナ設定、カスタマージャーニーマップ設定を得意とする。最近では、スマホアプリ解析の設計・解析、BigQueryとLookerによる解析基盤構築、Google Apps Scriptによるレポート生成自動化にも注力している。



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