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風呂キャンセル界隈←分かる

ちまたで「風呂キャンセル界隈」という言葉が話題になっているようだけれど、これ、鬱もちの私としては、首がもげるほど分かる。

私はもともと毎日お風呂に入って(湯船に浸かって)いた人だったので、入浴を「抜かす」という選択肢があることに「考えつかない」人だった。

でも、鬱(正確には、私の場合は双極性障害)になってから、この「お風呂に入る」ということが、ものすごくしんどくなったのだ。

まず、体を動かすのにものすごいエネルギーがいる。健康な時に、立ち上がるのにMPが5くらい必要だったとしたら、うつ状態のときはMPが50くらい要る。

そして、決めてから行動に移すまでのローディング時間がめちゃくちゃ長い。「お風呂……入らなきゃ……」と思ってから、実際に行動に移せるまで3時間くらいかかったりする。本当になんなんでしょうね、あれ。

私の場合は、思考だけがただ同じところを超高速でグルグル回ってる感覚がある。考えていることはお風呂のシミュレーション。でも全然体が動かない。

また、私の場合は身体症状として謎の微熱&頭痛もあったりするので、この状態でお風呂に入って大丈夫?という不安が爆発 VS  いや入らなきゃダメだろの思考に決着がつかず無駄に疲れる。往々にして、思考が建設的な方向にいかない(出来ない)けれど脳みそだけは謎に焦って思考が止まらないのだ。

そして行動に移せないまま寝る時間が来て「お風呂に……入れなかった……」と思いながらとりあえず就寝前の薬をなんとか飲み、ギブアップ(今回の言葉で言えば「キャンセル」)することをようやく自分に許せて寝る日もあった。

お風呂に入った後も、今度は出るのにものすごいエネルギーが必要で、「出なきゃ……」と思いながら謎に1〜2時間くらい浴槽に浸かって、シワシワになって出てきて、ドライヤーでまた疲れる。

昔は「お風呂に入らないなんて!」と思っていて、すごく自分を責めていたor死ぬ気でお風呂に入っていたけれど、今は諦めることも少しずつ覚えつつある(いまだに戦っている)し、お風呂にどうしても入れないとき=コンディションが良くないときのサインとして考えるくらいの心持ちでいる。
あとドライシャンプーとかのグッズも覚えた。

今回、色んな注目のされ方をした「風呂キャンセル界隈」だが、この言葉によって、自分が思っていたより多くの人が(精神疾患等の理由によって)入浴に大きな負担を感じている、ということが分かって、「私だけじゃないんだ……」と思えた部分もあった。みんなお風呂と戦っているし、工夫している。

衛生面の話ってどうしてもデリケートな話なので、個人的には率直に相談しにくい部分であったりもしたので、先達の知恵がTwitterなどで知れて良かった。あと、meritのドライシャンプーはいいぞ。

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