久光くんについて。

と言うわけで、早速大河について書くのである。

島津久光について、西郷の敵役として必要以上に愚物として描かれていると脚本、演出を非難する声が続出していますが、私はちっともそのようには思わない。

むしろ作家にこんなに愛されちゃって、と思っている。

実兄・斉彬に憧れる弟キャラ、両親からの愛情を素直に受け取る良い息子、しかし家臣にはぞんざいな態度を取る政治力を全く持とうとしないアホボンとしての姿と共に、危機に備えて資料を探しにきたり、私欲にとらわれず、瀕死の兄に尽くそうとする善良さ。

一貫してボンボンだけど好人物として描かれてきた久光くんがですよ、兄と父の権力を継承したからと言ってスマートに政治家に脱皮できたら、それこそドラマ的におかしなことなんですよ。

朝廷にいいように転がされ、不支持派の粛清騒ぎを起こし、ヒー様に芋と罵倒され、向こうから事故が転がってやってきたと思ったら薩英戦争にまでなってしまうと言うこの流れは最高に面白かった。

久光もまた西郷と同じく塗炭の苦しみの中で成長しているのであって、「愚物」として描いているわけでないと私は思います。

劇中人物は、作家に愛されていないと変化しないし、苦労させてもらえないのである。

なんとなくですが、この久光は、維新がなった時に「いつ将軍になれるのか」とか「島津幕府を開くんじゃないのか」とは言わない気がしますよ。

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