見出し画像

ここからが始まり 共創・協業の成果【課題解決P・2期振り返り】 ヒトトバチーム担当中川伸一


6月の初顔合わせ、どうにも固い。
私とメンターの上田浩史神戸大客員准教授は20年来の友人。
「苗字にさんを付けて呼びあうのはやめよう」
としてお互いを短いニックネームで呼ぶことになった。
サッカーやラグビーでは短いフィールドネームで呼び合う。そんな感じになった。
3人は「言いにくいことも言おう」と、メンタリング時は言いたいことを言い、週末はカフェでプロジェクトとは離れた話題も議論し、メッセンジャーなどでは時間問わず「いまコレを思いついた!」という連絡があったりもした。
「共創マネージャー育成プログラムの体系化」というゴールを目指す課題解決プロジェクトヒトトバチームだったが、「それは必然の部品だ」として、「食の貧困、住の貧困、人間関係の貧困をシェアキッチンで救うことを目指そう」となった。
ヒトトバが持つシェアキッチンともう一つのコンテンツはコーヒー。
一人で飲むコーヒーのほか、打合せ時にコーヒー、誰かに会う時のコーヒーなど、コーヒーはコミュニケーションの場にある。「人々に会話、コミュニケーションをして欲しい。コミュニケーションが3貧困を克服する1歩になりえる」と議論し、「デモデイがゴールじゃない。イベントをしよう。そのイベントによってデモデイを今後のスタートとする。コーヒーで会話の第一歩を。会場は、人の交わるところは・・・、駅だ」と、アンカー神戸で「神鉄モヨウガエ」を展開する神戸電鉄の西口氏とヒトトバチームは会った。
お互いにとって渡りに船であった。人が交わるところとして駅を活用したい側、場所はあるがツールを探している側。
たった1か月程度でイベント案ができあがり、イベント当日がきた。気にしていたのは天気だけだったがそれも杞憂に終わった。

デモデイでプレゼンする榎本代表=アンカー神戸


当初アンケートを取って意見を集める計画だったがそれもやめた。そのようなことよりも「会話を楽しむ」ほうが重要であると現場で気づいた。
提供した37杯の無料試飲スペシャルティコーヒー、ヒトトバ運営者の榎本康宏氏はコーヒーと引き換えにかけがえのない何かを受け取った。
共創マネージャー、技術やテクニックではない。「心を育てる」。本来デジタル的であろうアンカー神戸のプロジェクトで榎本氏はとてもアナログである収穫を得たと思う。
4カ月間のプロジェクトでは、共創スタイルへの変更と、神戸電鉄との協業という成果を得た。
施設運営側(アンカー神戸)の伴走者として私は「テクノロジーや解決ツールの伝授でなくてよかったのだろうか」とも思ったが、上田氏による「テックに走る前にすることがあるだろう」の言葉が胸に刺さった。
たった4か月だったがいいチームだった。
いや、課題解決プロジェクトとしては終了したがこのチームはまだまだ続く。
デモデイがスタートなのであった。
(アンカー神戸・神戸新聞社神戸新聞地域総研 中川伸一)

プロジェクトをやり遂げ、晴れやかな表情を見せる(写真左から)神戸新聞社・アンカー神戸の中川伸一、ヒトトバの榎本康宏代表、メンターの上田浩史神戸大客員准教授=アンカー神戸


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?