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『ドラゴンズドグマ2』クリア感想 - 王道だけど万人向けではないオープンワールドRPGについて語りたい - 4.5/5.0

個人的には大好きなゲームです。
剣と魔法のファンタジーのオープンワールドRPGという舞台そのものは王道なんですが、見た目や知名度(CAPCOM)の割に「かなり人を選ぶゲーム」なので、その辺について語らせてください。

ここではこのゲームの良し・悪しというよりも、
「こういう人には向いている」、「こういう人には合わないかも」…という好き・嫌いの観点で感想を書きたいと思います。

結論を述べると
不便さも含めて冒険を楽しめるか」…と言う所です。

ポーンというオフラインだけど他のプレイヤーと協力しているかのような独自要素


4人PTでプレイヤーが1人とポーン(NPC)が3人
ポーン3人のうち1名は自分のポーン、2名は他のプレイヤーのポーンを雇います。

真ん中がプレイヤー、両脇のキャラクターがポーン

このポーン達はただ自動で戦うNPC・BOTではありません。貴方や他のプレイヤーとの冒険を通して、マップ・クエスト・モンスターを学習しプレイヤーをサポートしてくれます。
雇ったポーンがマップの知識を持っていて宝箱や洞窟の場所を教えてくれたり、自分のポーンが他の世界の冒険で知識をつけてクエスト攻略を助けてくれたりする事もあります。

宝箱をガイドしてくれるポーン

そんなポーン達と一緒に冒険し、戦い、野営し…という体験こそがドグマ2の最大に面白い点です。

ゲーム時間の殆どは「ポーンとの冒険」なので、ここを楽しめるかが評価の別れどころだと思います。ネームドのNPCとの濃いシナリオや掘り下げ・イベントを期待していると肩透かしを食らうかもしれません。

ごつい獣人の戦士から美女まで、他のプレイヤーのこだわりのポーン達を雇う事が可能です。また公式ポーンとしてコラボした有名配信者のポーンがあり、Vtuberのサロメ嬢やルーナ姫のポーンまでいます。

また、雇ったポーンはレベルが上がらないので自分のレベルが上がる度に雇い直す必要があります。自分より低すぎると戦力にならないし高すぎるとリム費用が嵩むので、一期一会の気持ちで毎回違うポーンを雇うことになります。

ただ、お気に入りのポーンを見つけて何度も雇う事も可能です。ただし、自分よりレベルの高いポーンは雇用費用が高く、レベルが低いポーンは戦力として頼れません。基本的には毎度同じぐらいの新しいポーンを雇う必要があります。

私の場合は偶然にも他の覚者(プレイヤー)の進行速度が同じぐらいだった人がいて、再雇用の時に自分と同じぐらいのレベルで収まっているという奇跡的があり、何度も雇用させていただきました。
前に冒険したポーンに再び会うとそれ用のセリフもあり、他のプレイヤーのポーンですがかなり愛着がわきました。

Lv30~クリアぐらいまでお世話になったポーン。名前も知らない覚者様、お世話になりました!


一期一会で色んなポーンと会えるのは良いのですが、反面愛着がわきにくい事があります。レベルシンクで雇えるシステムとかがあると良いな…と思いました。

ここから先は好みが湧かれそうなポイント

取り返しのつかない要素を一期一会として受け入れられるか

時限イベント等やサブクエスト等は失敗するとやり直しがきかず、一発勝負の結果が例え失敗でも受け入れられるのか…と言う点は人によって好みが分かれるかもしれないと思いました。

セーブが1つしか作れないのでこの手の失敗は取り返しがつきません。サブクエストは失敗一つで即終了で残りのイベントもさようなら…みたいな理不尽な物もありました。
2周目に入る…と言う手もありますが、一周にかなり時間がかかる点と二周目要素も多くないので積極的に周回を楽しむゲームではないと思っています。

ネタバレを避けるので明言できませんが。公式サイトで取り上げられているような主要キャラ?っぽい人に出会う→クエスト発生→失敗→即退場するなんてこともありました…。このキャラクターを楽しみにしていた人ならコントローラーを投げている事でしょう…

記事の末尾に最後にネタバレ有りで、私の失敗談を書きます。

移動の不便さを含めて冒険を楽しめるか。

公式曰く「移動自体が面白ければファストトラベルは無くても良いはず」と言っており、不便さを受け入れて冒険での驚きや発見を重視しています。本作の良い点であり、合わない人にはトコトン合わない要素です。

『そもそもファストトラベルをしたくなるときって、移動が退屈なんじゃないのと思うんですよね。移動自体をおもしろくすればいいじゃん、というのが根底にあります。初代作では各駅停車の2時間を存分に楽しめるようにはなっていなかったかもしれませんが、今回はそれを格段にパワーアップさせました。』

開発者インタビュー:『ドラゴンズドグマ 2』の濃密な世界は、「冒険の価値」とは何か

ファストトラベルはあるにはあるのですが制限がきつく、

  • ファストトラベルに消耗品が必要で高価(1万G)

  • ファストトラベルポイントにも制限がある(最初の領都以外ほぼなく、探索やクエストで手に入る戻りの礎を設置する必要がある(置きなおし可能))

  • 町と町の移動には牛舎というバスみたいなものがあるが、経路も限定で、襲撃で止まったり、壊されると徒歩移動になる。

と、気軽に使える物ではありません。

青い物体が戻りの礎。探索やクエストを見逃すと1個しか手に入らない事もありえる。

クエストによっては町と町を大きく移動するようなものもあるが、その用事の為に町を往復するのはコストがかかり過ぎます。
そのため、「目標やクエストを順番に片付けていく」というよりも、移動を考慮して近隣のイベントをまとめて片付けてから次の街に移動するという工夫が必要で「試行錯誤して冒険の計画を立てる」という考えが求められます。

仲間と一緒に旅をし、魔物と戦い、キャンプで野営をして、持ち物や重量に悩まされつつ、移動経路や帰り道をどうするのか考える。
そして不意のイベントが発生して大型モンスターと遭遇したり、他のPTと共闘したり、偶然居合わせた牛車を護衛したり…と

これがドグマで描きたかった「冒険」なのでしょう。

序盤に物資が尽きて移動もままならない時に偶然通りがかった牛車に乗った所、来たことのない街について困惑…というハプニング。これも思い出

個人的に大笑いしたハプニングイベント


個人的に考えている問題点

移動自体を面白くするという公式の思想はわかったのですが、実際のところ密度の高い体験を十分に提供できているか?というと微妙に感じ所もありました。

突発的なイベントは襲撃・護衛・乱入(ドラゴンかグリフィン)ぐらいでパターンが乏しいです。

雑魚モンスター種類が少なく、序盤から終盤まで顔ぶれがほぼ変わりません。派生Mobや使いまわしは良いのですが種類がほぼ増えません。

冒険中のポーンとの会話もかなり定型文が多く、同じセリフを10回ぐらい聞きます。

このセリフの後、大概は「我々は皆違う職業ですね!」という定型コメントが来る

つまるところ、移動自体が面白ければ良いと公式は思っているようですが、実際は中盤ぐらいでマンネリ化するので「結局ファストトラベルで飛ばしたい」と思う場面が多々ありました。同じ道を移動するとしても毎回新しい発見や体験があれば飽きないのですが、そうでもありません…

序盤の強敵サイクロプスも何度も出てくると…

ネタ切れ対策に新しいイベント実装をする…とか十分に探索したエリアは快適に移動できるようにする…等の工夫が欲しいと思いました。例えば探索率が高くなると治安が良くなって牛車の事故率が大幅に減るとか、中間停車駅が増えるとか…

移動というのはオープンワールドゲームで永遠の課題だと思っています…移動が大変すぎると面倒でマラソンしているだけのゲームになるし、快適も度が過ぎるとファストトラベルでビュンビュン飛んで、クエストマーカーを追いかけるだけの味気ない物になります。この辺りは難しいですね…。

敵の種類を増やす…みたいなのは今更難しいかと思いますが、牛車の行き先が増えるとか、非戦闘時はダッシュのスタミナがなくなる…など快適性を重視した修正パッチに期待したいですね!

(ネタバレ有り)私が失敗したクエスト三選

ネタバレが嫌いな方は見ないでください。

ただ、取り逃し要素がある方が嫌!という方や自分と同じ失敗をした方が居ればぜひ












スフィンクスの謎解き

探求の証というマップに200個ぐらいある収集要素があるのですが、謎解きの1つに「最初に探求の証を拾った所に行って七日以内に戻ってこい」と言われます。覚えてない人には詰みです。

よくない!

メルヴェ村襲撃
ナデニア様護衛任務

以下のパッケージに移ってるメインキャラに見える二人が関連するクエスト

いかにも重要そうな見た目してる二人

右のウルリーケに関連するイベントは序盤の時限イベントで受注可能期間が短いです。メインクエストが一定の進行範囲内(早すぎても遅すぎてもダメ)の時にメルヴェ村に行くと起きるらしいのですが移動が不便なこのゲーム。王都に近いイベントを順番に片づけていった結果、過ぎていました…。

左のナデニアはバタルの国について早々護衛任務が発生するのですが犯人特定に失敗すると暗殺されてそのまま退場です。蘇生は可能なのですがそれでも表舞台からは消えてしまいます。

パッケージの絵柄から物語の重要ポジションかと思いきやクエストやイベントを見逃すとほぼ出番がありません。


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