転職をしまくった結果

転職活動をしなければ

3月末の退職にあたり、転職活動の準備を始めています。
気象予報士試験結果はまだ出ないものの、若いうちに散々遊び倒した…もとい登山やランニングを一通りやり尽くしたせいか、久々に勉強の楽しみを感じられたこの1年2ヶ月でした。
自宅での勉強の習慣が身についた今は、登山やランニングに対する興味よりも、次は何を勉強しようかと少しソワソワしています。
もっとも、不合格となればまた8月下旬までは気象予報士試験の勉強をするわけですけど。

就職氷河期世代にあたり、最初の職場でのパワハラ、モラハラ、過重労働の末、心身を病み公務員を退職した経験は、その後の私の転職にも大きな影響を与えました。
簡単に言うと、それらが未だに心の奥で深い傷となって残っているようで、それらに対する抵抗力が著しく低くなりました。ちょっとパワハラ、モラハラ、過重労働気味のことがあると、過剰に反応して心や身体が辛くなり、続かなくなるのです。
発症に個人差があれば回復力にも個人差があるでしょうから一概には言えないのだと思います。
少なくとも、私の場合はそんな状況の中、結果的に非常勤や派遣という形の仕事を転々と繰り返してきました。

ざっくり紹介すると、民間企業以外の総務人事事務の実務経験が長く、業種はあちこちを転々とし、スキー場や山小屋などでも働いたことがあり、しかし一番自慢できるのは趣味の登山とランニングのスキルという状態です。
ランニングイベントにいくとわりと市役所職員など事務職の方ともお会いするのですよね。なので似たような略歴の方も多いのではと思っています。
そして事務職から離れたことで、私は自分のキャリア形成についてはじめて真剣に考えるようになりました。今の若い世代の皆さんはこういった意識の強い方も多いと聞くのでお恥ずかしい限りなのです。


転職の効用


事務経験を売りにしてあまり興味のない仕事をするか、アウトドア経験を売りにして興味のある仕事をするか。そんな形の転職ばかりでした。

しかし、いくつも転職をしているうちに、30歳を過ぎてからの事務経験の転職は、大体「昔のあの職場の業務に似ている」ことがほとんどでした。
業務内容は違っても根っこの部分は同じで、電話取り付きや応対、また郵便などの雑務をしながら、自分の担当業務をこなす…といった感じに。

1.電話対応はできて当たり前

実は一番難しくてかつ奥が深いのは電話対応だと思っています。就職氷河期の頃など、長年に渡り電話を取らない男性職員の横で代表電話や所内電話の取り付きをしながら業務を行ってきた身としては、電話対応に取られる時間やストレスなどおまけでやってといった感じで業務を振られ、仕事が遅いなどと平気で言ってくる男性職員に辟易としていたものでした。
やらないからその負荷の大きさがわからないのか、やりたくないから知ろうともしないのか、それはわかりませんでしたけれど、今でもこのような風土のある職場はいくつも残っています。
ところが、女性が転職先の事務職で電話を取らなくてよいケースはほぼありません。必須といってもよく、一般市民相手など広い範囲からの受電を受けて取り次ぐ経験をしておいた方がよいです。身内の取り次ぎなどとはかなり勝手が違います。

その経験があまりないと、転職先で「こんな人雇ったつもりじゃなかった」と思われてしまうことがあると思います。電話をあまり取らない方や気を遣わなくてよい上長はその違いや難しさもわからない方もいらっしゃるのかもしれません。そのくらい、特に女性は電話対応はできて当たり前と思われている風潮があります。
コールセンター経験はないのですが、そちらの経験がある方だと文句なしなのでしょうね。

2業種経験は多い方が意外と役に立つ

メインの業種以外にいくつか持っておくと、自分だけが知っている強みになります。
私の場合は建築業にいたこともある関係で、よく間違われる「建築国保」なる保険加入者がいることも知っていた関係で、国民健康保険がらみの業務では役に立てたことがありました。
また、山小屋業務でも昨今は電子化が進んでいます。行政で求められるシステム管理レベルや文書レベルにする必要はありませんが、どこでも通用するレベルを経験していれば、業種に応じてそのレベルを変えて運用することができます。
長く事務職に就きたいのであれば、非常勤であっても行政で働くとかなりよい経験になります。

3趣味はどうするか

ここまでが前回までの転職経験での私の学びなのですが、大変困ったことに興味の幅が広く、昔に諦めた夢のふんぎりもつかず、「理学療法士になりたい」「カウンセラーになりたい」「もの書きになりたい」という思いもあるのです。
登山やランニングのスキルは履歴書に書くと確実に突っ込んで頂けるので、あまり自覚はしていなかったのですが使わないと大変もったいないレベルなのでしょう。
スキルの掛け合わせでいくと、アウトドア関連の事務職か行政関連の気象・防災管理の仕事などに行き着きそうですが、市場のニーズの問題があります。

気象予報士試験に合格したしがない一般人の道の一つに「気象防災アドバイザー」なるものがありますが、その実績を見ると、採用されているのはほぼ気象庁を退職した70歳など高齢の職員であり、かつ雇用コスト面で通年雇用を考える行政はほぼないどころか、出水期だけアドバイスがほしいといった程度であることがうかがい知れます。
それこそ、登録制の職業斡旋所を設け、短期間のみ雇用できるような…現在の派遣会社のような雇用のあり方が雇用側にとっては一番ありがたいようです。
それは行政だけに限らず、夏の安定した晴天続きであれば熱中症予測が欲しいかなーくらいのニーズで、それ以上はあまり必要とされないのはわかります。


4資格よりも実務経験が大事

このように今までを振り返るとなんだかんだで事務職経験で生きていたことに気付きました。どの職場でも、職場の中では電話交換業務も併用される女性の総務や庶務などその地位は低く、簡単な仕事をさせているような扱いを受け続けてきました。
最近は減ったものの就職氷河期の頃は「コピーをとってくれ」「ついでに郵便出しておいて」「机回り片付けたいから荷物運ぶの手伝って」「納品検収は全部やっておいて」などなど…始業前にトイレ掃除を済ませ、所長席に熱いコーヒーを入れておき、タバコの山が出来上がった灰皿を鼻をつまみながら掃除するのも毎日のことでした。今思い出すと本当に酷いもので、間違っても「就職氷河期世代っていっても努力しなかっから」などと(特にそのような業務にあたらなかった方には)言われたくないという強い思いがあります。
このような経験をされてこられなかった旦那様が、奥様にパワハラやモラハラをされるのかな、などと野暮なことを考えたりもしますが、それはまた別の話。

山小屋は宿泊業でありながら自分たちの住まいでもあり、また不便なところにあるため、1人暮らし経験の浅い私の生活技術は大きく上昇しました。生き抜く力(生活する力)という意味では、都市圏での1人暮らしよりも山小屋仕事の方が格段に身につきます。各種家事(日曜大工なども含む)への抵抗もなくなり、また雑務も多くチームワークも大切になるため、男女問わず家庭を持ちたい方にもおすすめしたいところです。

こんな感じで今までの自分を見つめてみると、資格をとることの意味がよくわからなくなってきました。
例えば興味を持っていた社会福祉士。しかし現場を知る必要があり、最初は介護現場での就業となることが多いようです。上述の古傷を持つ私が過酷な介護職で生き延びれるとは思いません。
簿記2級。40歳の就職にも有利とあり、過去に1点足らず不合格となった経緯があります。こちらは勉強してみたものの、全く興味がわかず苦痛だったため、これを実務に生かしたいという気持ちがありません。
よくわからない資格も乱立していますので、転職という視点においては、資格マニアになるとお金と時間を浪費するばかりです。「長く働ける仕事か」「自分の望む働き方(勤務時間・休日・勤務地ほか)」「今までの自分のキャリアと掛け合わせて活かせる資格か」「市場ニーズのある資格か」という視点が不可欠になります。

結果的に、あれもこれもと興味を持っていた資格勉強は3つほどに絞ることができました。
残りの働く期間を考えればちょうどよいでしょう。
そして、やはり実務経験が一番。もの書きやイラストは単純に、ものを書く・イラストを描くことを毎日繰り返し、いろんな本や絵に触れることが一番の勉強になりそうだなと思い、こうやって久々に一つ書いてみたのでした。

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