面白いとは何か?
どんな時に「面白い!」と思いますか?
お笑い芸人の漫才、
今までにないビジネスモデル、
伏線が張り巡らされたドラマ etc...
これらの共通って、なんなんでしょう?
そして、
面白いやつはなぜモテるのか?
生存戦略的にどんな意味があるのか?
そもそもなぜ笑うのか?
笑いに関して考えるといろいろ疑問が出てきますが、それらはこの理論で説明できます。人間が面白いという感情を抱く理由を一言でいうと、
「新しい視点の獲得」に繋がるから
だそうです。
新しい視点の獲得
日本語の「面白い」は大きく2つの意味に分けられます。
・interesting = 興味深い
・funny = ウケる
このどちらも、「新しい視点の獲得」という要素があります。
例えば、今までにないビジネスモデル(スマホで一般人が運転するタクシーを呼べるUberなど)を知った時は「こんなのアリ!?」という新しい視点獲得からのinteresting
スーツを着た強面のおじさんが実はウサギ愛好家だったりすると「いや〜予想の逆いったわ」となって新しい視点獲得からのfunny
という感情が起こりますよね。予想していたことから外れて、全く異なる視点を得たタイミングでおもしれ〜!と人間は思ってしまうようです。
interesting の方は、新しい視点が手に入ることで人類の社会が進歩するから面白いという感情が芽生えるように設計されているんじゃないかと思います。「ただの石」という視点を変えて「石器」が誕生したりなど技術革新につながってきたように新しい視点の獲得が人類の生存に貢献するため「面白い」と感じるようにプログラムされているように思います。
funnyの方は、危機的状況が安全に変わった時に起こるようです。昔、森の中でゴリラだと思ったらでかい岩だった状況があったとすると、危機ではなく安全な環境になります。この時、人は「笑う」という行為を通して、周囲の仲間にもそれを伝えるために「安全だぞー」と伝えているそうです。(コントも緊張からの笑いはよくありますね)
この動画、かなり参考になります!
逆に、面白くないとは?
面白いことを考える前に、面白くないことを整理したいと思います。
「既存の視点の範疇にとどまってしまう=面白くない」というのが前提としてあります。
ただ、新しい視点からそれすぎてしまうと、単なる理解不能になってしまうようです。なので、面白くない。ただ振り切れば一周回って面白くなります。混乱状態を極めるとハリウッドザコシショウのネタやボボボーボボーボボのように。こういうのはシュルレアリスムと呼ばれる類ですね。特に男性にウケる傾向ありそう)
あとは、一発芸をやるときは時間を掛ければかけるほど面白くなくなってしまいますが、あれは観る人の視点があれが来るかなこれが来るかなと視点を広げてしまうので新しい視点を与えるのが難しくなってしまうそうです。逆に、「間」を使って少し思考を施した後に突っ込んでいく方法もありますね。
面白いことを考えるには?
ここまでは理解できても、「じゃあどうやったら面白いこと思いつくの?」という部分に関して触れないと実践につながらないのでそこも考えていきましょう。
1つのポイントは、抽象化と具体化 かなと思います。
例えば、さっきの「ゴリラだと思ったらでかい岩だった」というのは、ゴリラをでかくて黒い塊として抽象的に捉えたから同じ特徴である岩と間違えてしまった。と誤解釈してしまったんだと思います。
あえて面白いものを自分からつくろうとするときは、連想ゲーム/逆張り/組み合わせ が役立つように思います。それに伴って、共感ポイントやパワーワード、言い方などを工夫するとより面白さが増すようです。
実際にIPPONグランプリの動画で実践したら、IPPONとれた(回答と同じ答えを導き出せた)ので、解説します!
お題:「 この怪談、完全につくり話だな。 どんなの?」
考えるべきは、"つくり話をどうやってつくるか?"。
怪談自体は、過去の話というのが前提(連想ゲームで抽象化)
→ 逆に考えると、未来の話だと嘘になる(逆張り)
という思考をしたら、千原ジュニアが実際に「2年後の話なんですけど...」というフリップを挙げてました!
ちなみに、この動画の途中、松本人志が「言葉に魂が宿ってるからなぁ」というんですが、まさにここが大事な気がします。作り物としてではなく、実際にそういう人いるよなぁというリアリティのある言い方なども笑いに影響するし、いう前に緊張感をつくるのもテクニックだなと思います。
次。
お題:キアヌ・リーヴスと小藪千豊の共通点を教えて下さい
これはお題に釣られて、キアヌ・リーヴスと小藪千豊について考えてしまいがちですが、人間という大きなくくりで考えることが重要っぽいです。ただ、人間というのはあまりにくくりが大きいので、+aの要素を加えて考える必要がありそうです。
A1:実家の匂い
→ 人間誰しも実家はあるという前提(抽象化)
→ 実家というキーワードからの実家の匂い(連想ゲーム)
→ 大物なのに素朴な感じ(イメージからの逆張り)
A2:2人ともソムススースを愛用している
→ 共通のものを使っているという前提(抽象化)
→ 前のお題を踏襲した言葉を使ってる(組み合わせ)
A3:仕事が入ったら神に感謝する
→ 絶妙に一般の人がやってなさそうなこと(逆張り)
大吾は怖い感じで優しいことを言う 恐怖→安全 で笑いを誘っていて、田中はナヨナヨして自分も笑いながら言うことで安全であると伝達して笑いを促している。フリップの出し方も面白い。
お題:「でしょーね!!!」 と言わせて下さい
これは、予想外のことを伝えずに面白いことを言わなければいけないので、かなり難しいお題だと思います。
「新しい視点の獲得」という点でいうと、
① あるあるタイプ:みんながいつも心の中で「定番」と思っているにも関わらず、誰も口にしてこなかったようなもの(みんなもそれ思ってたんだ、という新しい視点の獲得?)
② そんなわけねーよタイプ:ギリギリ理解できるシュール(やっちゃダメなのは当たり前なことをやるなど)
という抽象的概念を具体化していけばいいのかなと思います。
そうやってみると、基本全てどちらかに当てはまっているように思います。
最後に
お笑い芸人さん、まじですごいですよね。
これらを理解して、日頃から突飛な面白いことを考えられるように修行したいなーと思います。
もう世にはネタが出し尽くされているので、今は「三親等のボケ(かけ離れたボケ)」を使う芸人さんが多いみたいです。どんどん難易度UPしてるんですかね...
ちなみに、「大喜利における笑いを生み出す表現特性 ―『IPPON グランプリ』を題材に―」という大阪教育大学の方の卒論があったので貼っておきます。
そもそも「面白い」というのは、目の前(面)が明るくなる(白い)感じを表した言葉。日本語ってよくできてますよね、面白い。
笑うことで幸せホルモンエンドルフィンが分泌されるし、ナチュラルキラー細胞でがん細胞を倒すらしいです。すげー。
ということで、面白いことやっていきましょう!
追記:
このnoteを書いたおかげで知人から面白いnoteがあるよと教えてもらいました!コチラもぜひ呼んでみてください。お笑いを生む問いの立て方について
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