ヴィクトリアマイル2020傾向~舞台・過去傾向・出走馬評価~

舞台

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解説
東京芝1400mからスタート地点が後ろに下がったことで向こう正面の緩やかな坂に入るまでにスピードをつけられるようになっている。また、3コーナーまで3Fもあるため、枠による有利不利はそこまでない。3角手前で緩やかな坂を上った後すぐにまた下り坂になっているため、息を入れづらいコースになっており、逃げ馬は不利なコース体系になっている。
向正面の上り坂までの距離が伸びたため、スピードに乗ったまま坂を上れるため芝1400mよりもパワー寄りの血統より瞬発力寄りの血統の成績がよくなっている。芝1400mで好成績を残しているダイワメジャー、キングカメハメハ、ハーツクライ、ステイゴールド産駒も引き続きこの距離で狙うこともできるがダイワメジャーとステイゴールドは複勝圏内30%を切っているため信用度が一段階落ちる。東京マイルで台頭してくる産駒はディープインパクト、ルーラーシップ、ヴィクトワールピサ、クロフネ、キンシャサノキセキ、リアルインパクトである。

Point
血統→パワーよりもスピード系
産駒→ディープインパクト、ハーツクライ、ロードカナロア、クロフネ

・傾向

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解説
人気馬が勝ちづらく非常に荒れやすいGⅠレースとなっている。脚質では差し・追い込みが有利であり4角を2桁で通過しても馬券に絡むことが多々ある。また、前走がトライアル阪神牝馬Sに出走し、勝利していない馬が多く馬券に絡んできている。血統的には父ディープインパクト母系にNorthen Dancerの血が入っている馬の好走が目立つ。リピーターレースであることも注目だ。

Point
人気→人気馬の不振。荒れやすいGⅠ
脚質→差し・追い込み
前走→阪神牝馬S

出走馬画像3

買い要素、消し要素

ラヴズオンリーユー
・買い要素
ディープインパクト産駒かつ後ろから競馬ができる。前走のエリザベス女王杯では2番手につけて競馬をしているが基本的に後ろからの競馬をする。
また、鞍上のデムーロ騎手は東京芝マイルの成績がよく、複勝圏内40.9%の数字を持っていることは見逃せない。
・消し要素
馬がマイル戦に対応できるか。デビュー二戦目で京都のマイルを勝っているが馬の本質的にはマイルより中距離を得意としている。馬体も胴が長く、決してマイルを得意としている体型ではない。

ビーチサンバ
・買い要素
クロフネ産駒は東京芝マイルを得意としており複勝内率35.3%の数字を持っている。実際にビーチサンバ自身も東京芝マイルを二回経験しておりいずれも馬券を外していない。鞍上の福永騎手も昨年の安田記念でインディチャンプに騎乗し勝利をしていること、先週のNHKマイルカップでギルデッドミラーに騎乗し3着をとっていることから東京芝マイルに苦手意識がないと思われる。また、前走阪神牝馬ステークスに出走しており、過去傾向にも当てはまっている。
・消し要素
馬の能力が上位陣に比べて少々劣っている。秋華賞のように自身で逃げる可能性も少なからずある。持ち時計もないところも不安が残る点である。

シャドウディーヴァ
・買い要素
ハーツクライ産駒。母系にはNorthen Dancerの血が入っているので血統的には買える要素がある。また、前々走の東京新聞杯では2着と適性も証明している。
・消し要素
鞍上の池添騎手は東京芝マイルの成績が悪く複勝圏内率は13.6%の数字である。前走の阪神牝馬ステークスでも折り合いを欠いており、馬との相性がいいとも言えない。

シゲルピンクダイヤ
・買い要素
3歳時の後方待機からの鋭い末脚を使うことができれば今回も善戦は可能。
・消し要素
今年に入り気性の悪さが悪化し、さらに馬の操縦性は悪くなっている。兄妹馬の成績を見てみても古馬になって重賞で好成績を残していない。早熟で既にピークアウトしている可能性あり。鞍上の和田騎手も東京芝マイルの成績はトップ50にも入っていない。

プリモシーン
・買い要素
ディープインパクト産駒。鞍上のレーン騎手も昨年のヴィクトリアマイルに騎乗し、ノームコアで勝利をおさめていることもあり安心できる。東京芝マイルの成績自体も複勝圏内率65.2%の数字を持っている。プリモシーンはリピーターであり昨年2着の実績もある。
・消し要素
アーモンドアイとの末脚比べになった際に勝てるヴィジョンが見えない。レーン騎手がテン乗りということもあり、馬の能力をいかんなく発揮できるか。

トーセンブレス
・買い要素
ディープインパクト産駒。
・消し要素
明らかな能力不足。来たら事故レベルである。

ダノンファンタジー
・買い要素
ディープインパクト産駒。ローテーション的には過去の好走傾向と合致している。鞍上の川田騎手も東京芝マイルの成績が複勝圏内率55.6%の数字を持っているので信用度は高い。
・消し要素
高速馬場に対応できるか疑問である。前に付けても残れるだけの脚もなく後ろから競馬しても脚が足りない。

ディメンシオン
出走取消

セラピア
・買い要素
厩舎の成績が良い。東京芝マイルの藤岡厩舎は複勝圏内率50.0%の数字を持っている。
展開が向けば残る可能性あり。
・消し要素
オルフェーヴル産駒の成績が悪い。東京芝マイルの複勝圏内率は17.6%しか持っていない。また、鞍上の田辺騎手もテン乗りの為、積極的には買えない。

メジェールスー
・買い要素
血統がいい。父のロードカナロア産駒は東京芝マイル成績の複勝圏内率を33.6%という数字を持っている。また、母のエイジアンウインズは2008年にヴィクトリアマイルを優勝しており、潜在能力を上手く引き出せば穴を開けてくる可能性もある。前走阪神牝馬ステークスを使っているところも過去の好走傾向とは一致している。
・消し要素
能力不足。鞍上の岡田騎手も特質すべき点が無く積極的に買える騎手ではない。


サトノガーネット
・買い要素
ディープインパクト産駒。強烈な末脚を持っており、昨年は8戦中7戦で上がり3Fを3位以内の速さを繰り出している。
・消し要素
今年に入って自慢の末脚が不発している。また、末脚を発揮してもプリモシーン、アーモンドアイ、スカーレットカラーと比べると見劣りする。

アーモンドアイ
・買い要素
実力上位。不利がなければ勝つ可能性が一番高い。
・消し要素
ドバイ帰り。そもそもマイルで使う予定でなかったこともあり馬体がマイル仕様になっていない。惨敗した有馬記念以来の出走なのでメンタル的なところで問題を抱えている可能性あり。また、国枝厩舎はここ3年東京芝マイルの重賞で勝ち星がないため取りこぼす可能性あり。

トロワゼトワル
・買い要素
安田隆行厩舎の成績がいい。東京芝マイル複勝圏内率46.2%と非常に高い数字を持っている。現在の前残り気味の東京競馬場の恩恵を一番受けることができる。
・消し要素
GⅠで逃げ残るほどの能力はない。鞍上の三浦騎手は中央GⅠで勝利経験もなく横山典弘騎手が鞍上を勤めた京成杯オータムハンデのような逃げができるほどの技量もない。

スカーレットカラー
・買い要素
実力上位。特に切れる末脚を持っており昨年の府中牝馬ステークスでは上がり3F で33.2秒の末脚を繰り出している。また、この馬がGⅠを一番取りやすい舞台がここであることから陣営はここを目標に究極仕上げをしてくる可能性が一番高い。
・消し要素
鞍上が主戦騎手だった岩田康成騎手から石橋騎手に変更されたこと。また、ベストパフォーマンスを出せるのは東京芝1800mである。石橋騎手もテン乗りということもあり馬の能力を出し切れるか疑問である。


アルーシャ
・買い要素
父ディープインパクトで母父Tapitということもあり瞬発力はある。前残り馬場かつ前で競馬した場合、スピードで押し切る可能性はあり。
藤沢和雄厩舎の馬であり当厩舎の東京芝マイルは複勝圏内率57.9%の数字を持っている。
・消し要素
能力不足。後ろで競馬しても届くような足もなく前で競馬しても残ることは正直難しい。

ノームコア
・買い要素
前年の覇者。レコードホルダーということもあり高速馬場は得意としている。スローペースでもハイペースでも競馬ができることから展開の影響を受けにくいことも魅力的である。
・消し要素
横山典弘騎手は東京芝マイルの成績が悪く複勝圏内率は13.7%と低め。前走のなれない1200m戦かつ重馬場でのレースで疲れが残っている可能性あり。

コントラチェック
・買い要素
逃げた場合の勝率が100%である。鞍上も逃げの名手である武騎手なので化学反応を起こす可能性あり。
・消し要素
逃げ馬は他にもいるのでペースも早くなることから逃げ残ることは難しい。東京競馬場のような大きい競馬場よりも小回り向きの馬である。

サウンドキアラ
・買い要素
実力上位でありリピーター。昨年は1000万条件下を勝ち上がった後にヴィクトリアマイルに格上挑戦し、7着だったことは評価できる。今年に入り、GⅢを三連勝し再挑戦してきたこともあることから陣営のやる気は高いと見える。
・消し要素
右回りの方が得意な馬。左回りでは勝ったことがないためここで凡走する可能性もあり。

その他

出走馬評価については騎手と厩舎については考慮して書いていますが枠・馬年齢・所属先(美浦or栗東)は考慮していないのでご注意ください。

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