立場が変わって気づくことについて

私が彼に

嫉妬をしてしまって

彼を傷つけてしまいました。

改装工事の看板を見ながら

ひたすらに作業をする中で

つらくて何度も頭と目を片手で覆って

前髪をぺしゃんこにしながら

泣いてはいけないと堪えました。

前髪は手のひらにちょうど収まりきらない長さになって

目を少しだけ隠してくれるのが

なんとなく、ほんとうになんとなく、ひどく、惨めに感じました。



私がかけたあの言葉は、あの嫉妬は、

ほんの少しの弱音とぶりっこと

私のめいっぱいの愛でした。



ああ、あの時、貴方はこんな気持ちだったのだろうか。

私は

私のやりたい事を素直に受け入れない貴方が嫌いでした。

応援してくれない貴方が嫌いでした。

私は貴方に、1番近くで見守って欲しかった。

絶対的な安心感と、帰ってこれる居場所が欲しかった。

貴方は私の、唯一弱音を吐ける場所。

そうだと示してほしかった。



でも今になって、

私が彼に思うように、

彼を愛すように、

あの時の貴方の私への言葉は

全て私を愛してくれていたから故のものだったのですか。

私を支配したいわけでもなく

私を拘束したいわけでもなく

ただ私を好きでいてくれた故なのですか。


なぜ、向き合わなかったのだろう。

今なら分かる、あの日、

うるさい店内放送から

後悔と悔しさで、涙が出ました。

貴方がいなくなってから、一度も泣けなかった私が、

貴方のことで泣くのかと、切ない気持ちになりました。



貴方がくれた思考が、私の中にストンと落ちるまで、

こんなに時間がかかりました。

貴方がいる時に、貴方がいるうちに、

もっと貴方の心の中を

大切にして過ごせば良かったと、

彼に言った言葉を過去の私が回収するように

向き合えなかった貴方の心を後悔しながら、

彼を大切にしたいと思いました。


私と過ごした3年を

私が奪った貴方の3年を

どうか嫌いにならないで欲しい。


今の貴方が幸せであって欲しい。

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