ミライノオトモニターN0.5「招かれたその先」
見上げると、青い空。
雲ひとつないところへ、すうっと飛行機雲が通っていく。
よく見ると、微妙なグラデーションである青の中を、これまた微妙なグラデーションの白い線が走っていく。
だんだんと飛行機雲が消えていく様子を見ていると、冷たいような、暖かいような感じが体の中を走り抜ける。
それと同時に、小さな音が聞こえたような気がした。
鈴のような、可愛い音。
「こっちを見て!一緒に遊ぼうよ」
そんな風に聞こえてきそうな、茶目っ気のあるような音。
聞こえてくるままに身をまかせると、どこからかアイデアの塊が降ってくる。
その塊から拾い出すように、私は指先から様々なものを生み出していく・・・
というか、生み出されていくことが、おもしろくて仕方がない。
数ヶ月前は、飛行機雲じゃなくて、飛行機を見送った。
娘が留学するために乗った機体だ。
そしてその留学が、まさかこんなことに繋がるとは思ってもみなかった。
娘が通う学校で、仲良くなった子がいる、というのは聞いていた。
ちょくちょくホームパーティにお呼ばれしたり、
ちょっとしたお出かけに連れていってもらっていると。
日本とは文化も違うし、そんなものかなあと思っていたけれど、あの日は流石にびっくりした。
「あのね、お母さんに会ってみたいって言ってるよ」
聞けば、私のインスタを見て、どんなことが書いてあるかを聞かれたらしい。
そして販売している本を娘が訳し、読んでくれたとのことだった。
そして、なぜかそれにいたく感動してくださったらしく、「会ってみたい」とのこと・・・
「へ〜なんでだろう。分からないけど、ありがとうございますって言っといて」
そんな感じで軽く受け止めていたのだが、メッセージが日に日に変化していった。
「ぜひお会いしてみたい」
「機会があれば、というけど、作らないとね!」
「いつ来るの?ご予定を聞かせて」
だんだん圧を感じ始め、なんだかジリジリとした感覚を感じていたのだけど・・・ついにこんなメッセージが来てしまった。
「もう、待ちきれないのでこちらから旅費をださせて」
えええええ????
そこまでしてもらう必要は、はっきりいってない。
丁重にお断りしたのだが、何度も何度も同じようなやりとりがなされ、挙げ句の果てには、勝手に日を決められそうになってしまったので、それはさすがに無理でしょ!!と、観念した。
仕事はどこでもできるものだし、もういいか・・・と半ば諦めの気持ちで、その方のお宅に向かうことになってしまったのだ。
娘から聞いてはいたけれど、やっぱり日本とは住宅事情のスケールが違う。
広々と取られた空間、光の入り方や家具のクオリティ。
どこからか香る、私好みの匂いにも、ぐっと来てしまう。
私の体の奥深くが、もぞもぞとしてしまうようなものが目の前に広がっていた。
そして、そこに十分なお金をかけられるだけの財力をお持ちだった。
だって、私の旅費を払ってくれるぐらいなのだ。
一度も会ったこともない、私に。
そういうお金の使い方ができる方ということだもの。
そして、なぜ私をそうまでして呼んでくださったかが、ようやく分かったのだ。
いくつかの会社を経営していらっしゃるこの方は、新規事業として、自然なライフスタイルの提案をし、それを広めていくコミュニティを作ろうとされていた。
まずは自国から、そして将来的には海外、日本へなども広げていきたいとのことだった。
しかし、お国柄でライフスタイルも、何を大事にしているかも違ってくる。
その日本への事業展開のメンバーとして、私を候補に挙げてくださっているらしい。
「でも、それが一体どういうものか、なかなか説明ができなくて。
一度体感してほしいと思って、ちょっと強引にお呼びしてしまいました」
そう言って、顔をくしゃっとさせて、いたずらをしたあとの子どものような笑い方をされたのをみた時に、不意に鈴の音が聞こえた気がした。
あたりを見回したけど、どこから聞こえたかは、分からない。
でも、とても心地よく、そして
「一緒に遊ぼうよ」
と言われているような感覚がしたのだ。
遊びならば乗るしか、選択肢はない。
それが楽しいなら、なおさら。
「さあ、忙しくなるかもしれませんよ?
その前に、ぜひここの良さを味わってください。
そして、あなたの言葉と写真で、それを表現してもらえませんか?
私は、あなたが何を見て、どう感じ、それを伝えるのかが見てみたいのです。
プロセスも全て含めて、あなたという人を感じ、知りたいのです」
その言葉と同時に提示された、予想される契約金と報酬は、私が今までに見たことのない数字が踊っていた。
そう、まさに、踊っていた。
思いっきり、遊べる喜びを感じて、跳ね回っている。
私の大好きな音楽が流れ、思わず体が動いてしまうようなリズムを感じ、何かが湧き上がりそうな香りとともに、手を伸ばしたくなるような感覚。
日本とは違うこともたくさんある。
感覚も、ものも、習慣も、お国柄も。
どれだけできるかは分からない。
でも目の前に置かれたことならば、できるしかない。
天井から射す陽の光からは、見えるはずのない虹色が降り注いでいた。
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「ミライノオト・モニターシリーズ」
MIERUKAアーティストAKARIが綴る、
お申込みくださった方の「勝手な未来の妄想ストーリー」
今回はインスタグラマーさんから、
「お金」に関してのストーリーのご依頼でした。
モニター募集時の記事はこちら
https://resast.jp/events/YjkwYzc3NWQ4M
<追記>
本募集が始まりました!
小さな本のタイプと、動画タイプをお送りしています。
現在こちらで受け付けています。
https://resast.jp/inquiry/ZjI3OTgyNzQwM
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以下は、お申込みくださった方のご感想です。
・今回お申込みいただいたきっかけ、何にピンと来たかなどお知らせください。
なんかワクワクしたから
・届いた妄想ストーリーのご感想をお願いいたします
いやはや、びっくりな内容で読んでてトリハダ立ちましたよ~
自分ではまったく想像できない現状の外側すぎて……
そっか、そういうことがあっていいんだ! って思えました。
日本から世界に広がった感じ。 器が大きくなりました。
それがわかった今、一体どんなゴールがやってくるのか とても楽しみです! びっくりなお話をどうもありがとうございました!
・どんな方にオススメしたいでしょうか?
想定外の未来に行きたい!と思っている人にピッタリだと思います!
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モニターのご参加ありがとうございました。
未来への一つのヒントとなりましたら幸いです!
この度は本当にありがとうございました^^
さらにミライへ、そのオトを聴きならがら。
MIERUKAアーティストAKARI