マガジンのカバー画像

ニュージーランドで子育てる

79
ロックダウンのさなか、2020年5月に爆誕した息子の育児日記です。ニュージーランドでの子育て、父親としての子育て、海外で家族を作ること。様々な視点を盛り込んでいけたらと思います。… もっと読む
運営しているクリエイター

#イクメン

出産後、妻は女王になり、私はゲリラになった。

身重の妻と暮らしているうちに国がロックダウンになり、毎日一緒に散歩に行くようになった。 冬でも青い西洋芝の公園をぐるりと周り、紅葉した桜を見ながら歩いていると、色々な話が出てくる。会社が潰れるんじゃないかとか、noteでどうやったら小遣い稼げるんだろとか、あとはもちろん、子供が産まれた後の話とか。 思うに、夫婦間でこうやって何気ないコミュニケーションをどれだけ散りばめているかは、子供が産まれた後の生活で発生する問題解決に、決定的な役割を果たすと思う。 NZの産休・育休制

子育てで潰れる理由がわかった気がしたのと、それに対する新米父ちゃんの私の見解

親が子を死なせてしまう悲しい事件を見聞する度、大切な我が子になぜそんな仕打ちができるのだろうと憤る人は多いだろう。私もそうだ。しかし、実際に子育てをしてみてこそわかることもある。 私など、子育て歴にしてたかだか2ヶ月の超若輩者だが、それほど短い経験からですら、子を産み(産むのは妻だが)育てることの労力とそれに伴うストレスの強烈さは、大いに実感することができる。 肉体的な疲労と精神的なストレス夜中に泣き続けられて、睡眠を阻害されることは、確かに辛い。でも、それは主に体力的な

NZで帝王切開に立ち会った

前話はこちら 手術室には入れないと思っていたので、一瞬面食らったが、よく考えたら私も靴にはカバーをつけていたし、目の前のドクターとほとんど同じ格好をさせられていた。それは、当たり前だが、手術室内での出産に立ち会うためだった。 中に入ると、妻が手術台の上に横たわっていた。頭の上に周って声をかけると目を開けて私を見た。疲れ切った顔をしていたが、痛みから解放されてホッとした表情だ。しかし、まだ腹部は丘陵のように膨らんでいる。今にも向こう側からデイダラボッチが現れそうなほど立派な

有料
150

【NZで出産!】緊急対応の代償は、冷めたコーヒーだった。

前話はこちら しばらくすると、手術室の向こうの妻の声が聞こえなくなった。 分娩室で聞いた話によればシアター(手術室)に運んだ後、自然分娩が可能か判断し、だめならシザリアン(帝王切開)になるとのことだった。麻酔で陣痛から解放されたのだろうか、そうであればいいのだが。 手術室の扉の脇のベンチに座り、しばらくあれこれと考えたあと、もういちど深く腰を掛け直した。それから坐禅よろしく半眼で静かに呼吸を整えはじめる。ストローで息を吹くように細く8秒。吐ききった反動で吸い4秒。投げ上