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花を植える母をみて気づいたこと

58日目(5月31日)

ここのところ、ずっとやりたかったベランダガーデニングを始めた。
といっても、花を買ってきて植木鉢に植え替えて、ベランダに置くだけなのだが、これがなかなかできないでいた。

母と最近毎日散歩し始め、ホームセンターへ母が花の苗を買いに行くのにおつきあいをしたことがきっかけになり、私も花を育ててみることにした。

何しろ花のことは全くわからないので、苗選びから母に教えてもらう。
この花は、今はいいけど、あまりこのあと花がつかないのよね、とか、これは虫がつきやすいとか、この花は置いておくだけでどんどん育つわよ。とか、そうそう、そういうことが知りたかった、ということをスラスラと話し出す。

これは匂いが嫌いとか、こういう葉っぱが綺麗なのよね、やっぱり華やかなのが好きだわぁ、新種のものは高いからねー、とか好き勝手いいながら、選んで行く。

家にもどり、ポットから植木鉢に移し替えるのだが、私はそれとて、ドキドキものだ。

母はサクサクと植木鉢を庭の裏から持ち出してきて、このぐらいのサイズかな、といいながら、この植木鉢は穴が大きめだから、網かなんか敷いて、、と網を出したり、発泡スチロールを出してきて、これを置くと高さも出ていいのよね、とやっている。あれよあれよというまに進んで、ちょっとオタオタする私。

ポットから苗を出してみて、今度は下の部分をバリバリと剥がして根っこ毎ほぐしている。私からみると大胆で大丈夫なのかとドキドキしてしまう。

「昨日はやらなかったけど、根が張ってるからやるの?」と、訊くと、
「あ、そうだった?ま、こうやっとくといい感じがするからやってるのよね。」

なんというか、感覚的なお答え。

この間まで、白く可愛い花をたくさんつけていて、母も喜んでお世話していた鉢がたった一日暑い日があったときに枯れてしまったのを見て、私は驚いて、さぞや母はがっかりしているかと思いきや、
「ちょっと病気だったからねー」「玄関に置いとくと見栄えが悪いから後ろに下げて置いた」と、あっさりしたものだ。

そうかと思うと、私がぎこちなく苗を避けながら、鉢に土を加えていると、
「あーー、そんな風に触ったら、お花がかわいそう」という。
確かに、花が一輪、私が触ったところが曲がってしまっていた。

私はその母の様子をみていて、ふと思った。

母は昔から、花を育てるのがうまいのは、
もしかして、それは、自然に起きたことは、執着せずさっと流し、難しく考えるより感覚的に手をうごかしながら色々試しているからなのではないか。

これって極意なんじゃないか、、、そう思ってしまった。
つい、この方法でっているのだろうか、とか難しく考えてしまうと、手が動かないし、起きたことを後悔したり残念に思ったりしていると、続けるのをやめてしまったりする。
そう思うと、園芸だけに限ったことではないな、と思えてきて、おおお、となる。

母から、園芸から、こんな学びを得ることになろうとは、、
まだまだ人生は続く。









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