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産まない?産む?

20歳半ばで結婚した。
結婚前、パートナーには「妊娠・出産・育児は怖い、子どもをほしいと思えない」と宣言して了承は得ていた。
結婚を機に転職したため、数年は子どもをもうけずに仕事に専念すると言い訳ができると思いながら過ごしていた。周囲に、「子どもまだ?」なんて聞く人は皆無だったのだが、勝手に身構えていた。
実際は、旦那の方が聞かれていたようだ。すまん。

私が「子どもがほしい」と素直に思えない理由は以下の通り。
① 性行為が好きではない
② 妊娠という身体の変化に嫌悪感がある
③ 痛いと噂の出産が怖い
④ 心穏やかに子育てできる自信がない
⑤ 子どもに障害がある場合、種類や程度によっては生活が制限される可能性がある。その心構えがまだできない。
⑥ お金も心配
などなど

子どもをもうけてももうけなくても後悔するだろうなと思っていた。
しかし、子どもを産んで後悔するくらいであれば、産まない方が良いだろう。生まれた子に失礼だからだ。
そんなことを思いながら過ごしていたある日、突然に、『子どもがほしいかもしれない』と思うようになってしまった。30歳を目の前にして、焦りが生じたのかもしれないが、未だに何故考えが一変したのか分からない。加齢によるホルモンバランスの変化か?

心配事項について調べた。
① 性行為が好きではない
→ 性行為を直接しなくても妊娠できる術がある 
② 妊娠という身体の変化に嫌悪感がある
→ 一時的なことだから我慢できるかもしれない
③ 痛いと噂の出産が怖い
→ 無痛分娩がある
④ 心穏やかに子育てできる自信がない
→ 子育てはできるかもしれないが、心穏やかになれるかどうかは不明。
手抜きできる育児製品や家電を駆使することで、心に余裕ができるかもしれない。
⑤ 子どもに障害がある場合、種類や程度によっては生活が制限される可能性がある。その心構えがまだできない。
→ 障害児が生まれる確率や福祉サービスを調べた。産むなら年齢的に今しかない。当時小児科で働いていたため、コネはある!と思った。夜間も看護が必要な子だったとしても、子一人であれば福祉サービスを駆使して何とか対応できるだろうと心を構えた。
⑥ お金も心配
→ 職場にワーキングマザーが多くいたこと、私は仕事が好きなことから、子どもがいても働くことに抵抗はなかった。高収入ではなくても夫婦2馬力であれば、もし子どもがひきこもりになり無職であっても何とか養えるかと結論をだした。計算はしていない。

ということで、①により一般とは異なる妊活が始まった。
はっきり覚えていないが、2~3か月は妊娠に至らなかったと思う。短い期間であるにもかかわらず、子持ちファミリーに対してとても嫌な気持ちが生まれたことは覚えている。子どもを産みたいと思う以前は、全く眼中になかったのに…。親しい友人に対してはそんな気持ちは抱かない。知らない人に対して不愉快な気持ちを抱くのだ。そんなことを想う自分に対しても不快だった。
車の"子どもが乗っています”ステッカーが妙に目につくのだ。そのため、私が妊娠しても、子持ちアピールステッカーは絶対に貼らないと心に決めた。わざわざ、不妊で苦しんでいる方に見せつける必要はないと。ステッカーが使われ始めた経緯は調べたので、貼る意味は知っている。しかし、現在はチャイルドシートを使用するし、子を見落とすことはないだろうと判断。

妊娠すると、見知らぬ子持ちファミリーに対して、欠陥を探すようになった。私だったらそんなことしないのに…とか思うのだ。
本当、私は性格が悪い。今は、そんなことをする背景を想像できるようになった。心に余裕があるときに限りだと思うが。

そんな性格の悪い私から、純粋無垢な子が産まれた。
私の元に来てくれてありがとう。






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