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現代版ティキタカ完成の不可欠なピースとは?

筆者:クレ(@analyze_foot)

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「クレの好きなバルセロナが帰ってきた!」

セティエンの初陣ホームでのグラナダ戦後、持て囃すようにバルセロナをそう評すファンや記事がポロポロと出始めた。

筆者ももちろんその1人で、ぼんやり見ていたら早く縦パス出せよとツッコんでしまいそうなゆったりとしたパス回しからブスケツを経由してメッシに渡ると急加速

守備者を完全に後手に回す流麗なパス回しこそがバルセロナのあるべき姿と思う。

思えばバルベルデの解任もバルセロナならではである。
もう数多の記事に取り上げられている通りで、リーガの制覇はもちろんチャンピオンズリーグでの敗退はローマとリバプールに喫したショッキングな2敗のみ

合理的な彼のフットボールは、内容にもこだわるチームでは結果に対する猶予はないと言って差し支えない。そう見るとフロントは長く待ったほうか。

さて、話を戻すと次の会長選のための票集めにも見えるティキタカ原点回帰で選ばれたのがクライフ信奉者であるキケ・セティエンである。

前述したグラナダ戦では勝利したことに加え
パスの総数は、なんと1000本を超えたこともありかなり好感の持てる試合
であった。

就任まだ間もない頃ということも考えるとここから向上するのを期待せざるを得ない。

しかし、懸念が2つある。
怖いのがメッシだけであること。そして、ロスト後の即時奪回の精度である。

バレンシア戦での配置と仕組み

画像1

(https://formation-y.com/ja/formation/barcelona.html)

バルセロナのこの試合でのスタメンは、上の画像の通り。スタートポジションは、433。

いつも通りバルセロナは、右サイドバックのセルジ・ロベルトを組み込んでウンティティとピケの3人で可変式3バックでビルドアップを行う。

深い位置では、アンカーのブスケツを中心にデ・ヨングとアルトゥールの両インサイドハーフの補助も得ながら前進。ここでは、過剰な程に人数を割くが前進が目的なのでそこまで問題ではない。

相手を押し込むと、インサイドハーフのデ・ヨングとアルトゥールはもちろんアンカーのブスケツもバイタルエリア付近までパス回しに絡んでいく。

スリートップは、右のファティが大外に開き左のグリーズマンが中に絞りポジションレスなメッシとツートップになる時間が長く見られた。

左サイドで大外を使うのは、ジョルディ・アルバだ。

面白いように低い位置では、パスが回る。
さて、どのように点を取るかというところになるのだがこの部分が懸念である。

崩しの起点は、メッシ
仕上げも、メッシである。

懸念していた問題が露呈するバルセロナ

画像2

(https://www.goal.com/jp/ニュース/セティエンバルセロナ3試合目で初黒星ポゼッション70超えも堅守速攻バレンシアになす術なく完敗/1sms8ldtaxeap1ahy0ttdsa83w)

ビルドアップの仕組みは大体話したので割愛するとして、彼らの崩しの出口はメッシであり、メッシに入った瞬間にスピードアップする。

逆にいえばメッシ以外では誰もスピードアップしないチームとなってしまっている。

もちろん入念に作ろうが適当に作ろうがチームの中心は自ずとメッシになるので彼が中心点になることには全く異論がない。

彼は武器なので、もっと使うべきである。

ただ、それを差し引いてもメッシだけ抑えれば良いチームなのが現状である。

アルトゥールとデ・ヨングは、ゴールを意識したプレーが本当に少ない。縦パスが出てもいわゆるアシストになるパスではなく小気味良いパス交換のためのパスがほとんどである。せめてもう少しでいいので、攻撃の姿勢が欲しいところである。

その結果、メッシしか脅威でないチームがメッシにボールが効果的に入る回数も増えてこない。
更に、スアレスがいない影響で仕上げる人もいない。
もちろんグリーズマンも素晴らしい決定力を持つ選手だが彼は近くにストライカーがいることで輝く選手だ。

そして、効果的なボール回しが出来ないことで相手に嫌な形で引っかかる回数も増える。その結果として生まれた攻守の切り替えでは、アルトゥールだと心許ない印象が強い。

即時奪回では、自ずとぶつかり合いも増えてしまうため印象に残ってしまっている。いずれにせよもう少し求めたいところである。

となると、ゴールを意識したうえで、即時奪回に貢献できる球際に強い選手が必要な訳だが少しでもサッカーを知っている人であれば想像に容易いだろう。

アルトゥーロ・ビダルである。

事実、彼はバレンシア戦まで3試合連続で得点に絡んでいる上、そのバレンシア戦では途中出場でもメッシがシュートするシーンで一度崩しにも絡んでいる。

そして、彼はボックス内に侵入して点を取ることも出来る球際でのファイトもお手の物である。

バルセロナが結果を残すために克服すべき課題

画像3

(https://news.biglobe.ne.jp/sports/0220/sck_180220_8748848352.html)

今年のバルセロナは、バルベルデの解任時点で首位でありチャンピオンズリーグもベスト16入りを決めている。

勝負強さとバルサらしさを取り戻すための監督交代とは言え、解任した時点での順位を見るに今シーズンの無冠を許すとも思えない。
メッシが健在のうちにビッグイヤーをもう一度と言うのは言わずもがなである。

リーガだけでなくチャンピオンズリーグの奪還を視野に入れるとやはり現在のチームでは物足りない。(もちろん就任直後なのは承知の上である)

特に最近で見られる課題は、前述したことに加えメッシ(&スアレス)が守備をしないことによる負担を庇いきれないことにある。

となると、解決策は大きく分けて3つ。
メッシが守備をするか、メッシ分の守備を誰かがするか守備の時間をなくすかである。

メッシにボールを持っていない時での守備を常に求めるのは、彼の攻撃性能を生かしたいことを考えると避けたい。

では、誰かが守備をすることか守備の時間をなくすことが必要である。

そうなるとやはりビダルを組み込むことが必要不可欠ではないかと思うわけである。

現在露呈している課題は端的に言うとメッシ頼りの攻撃と守備をしないメッシ。

ビダルを起用することで守備強度が上がれば、ボールの即時奪回が可能になるので自ずと守備の時間も減ることも期待できる

ティキタカを目指す上での最後のピースは、華麗な足捌きでもない。ファイター・ビダルだ。

あとがき

最後までお読みいただきありがとうございます。

ここでは、ある程度バルサを普段観ない人向けに記事を書きました

アンス・ファティやジョルディ・アルバ外に開いた選手たちについて言及したいところもあるのですが、それはまた後日。

あと大外の使い方上手くなるといいな

まあ、記事かキャスでお話しできるかと思います。

それでは!

サムネイル画像: https://www.football-zone.net/archives/241883 から引用

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