2019年に聴いた最高のアルバムたちーs
今年の海外メディアのベストを見ていると、圧倒的なのがラナ・デル・レイと、FKA Twigsの二人。女性アーティストが大半を占めている中、今年もっとも輝いたのはやっぱりビリー・アイリッシュで決まりでしょう。去年のHIP-HOPブームを引っ張りつつ、ライブで見たThe 1975をもっとも聴いた年でした。
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ベストアルバム TOP 11
Brockhampton / Ginger
去年に続いて今年も新作をリリースし、各地でフェス出演と精力的な活動を続ける彼ら。アルバムの中でもこれはめちゃくちゃ聴いた。
ライブでは、ウォールオブデスがHIP-HOPファンにまったく通じなくて、全然起こらなかったのはウケるが、そんなメンバー数を活かしたロックさながらの爆発力でぐいぐいオーディエンスを引っ張っていく。中心人物のケヴィンより、ジョバのほうがライブでは際立つかなぁ。とにかく多彩な表現と全体的に聴きやすいラップアルバムで、”いま”の自分の琴線にばっちしとはまるんだよね。
Nick Cave & The Bad Seeds / Ghosteen
ニック・ケイブと聞くと、はるかむかしのアーティストのような印象があったのだけど、84年デビューというのだから実際にキャリアも長く、いまいちよくわからなかったのがオーストラリア出身のニコラス・エドワード・ケイヴ率いるこのバンド、本作で17作目。音楽誌のベスト常連さんとして名前だけは知っていた程度。フィジカルでは2CDでリリースされ、合計1時間と近年の作品としては長尺の作品で、ダークなスピリチュアライズドのような宇宙的浮遊感もありつつ、壮大なインディー・ロックの世界観が楽しめる。ただ聴くにはちょっとだけ根気が必要。
Billie Eilish / When We All Fall Asleep, Where Do We Go?
グランジ期の女性アーティストを思い起こすようなダークなエレクトロビートと、アメリカンなしゃがれ声を持つ若干17歳の超新星。テイラー・スウィフトなどと異なり、繊細でアーティスト然とした姿勢や抑圧してこようとする世間に反発して、自分らしくいようとする姿は非常に現代的で共感を得やすいと思う。ラナ・デル・レイからの影響も大きいようで、音に惑わされていたが確かにメロディや歌い方にその片鱗があるね。
Brittany Howard / Jaime
アラバマ・シェイクスのフロントウーマンであるBrittany Howardによる初ソロ作品。バンドからソロになりファンクやジャズをベースに、シンプルになったせいかメロが非常に耳に入りやすくなった。そんな中、7曲目に突如現れる「13th Century Metal」はめちゃくちゃカッコいいのでぜひ聴いて欲しい(出囃子にしたいレベル)。個人的に盤だけ聴いていると、いい意味でジェンダー感が出ておらず、フラットな気持ちで音に触れることができている気がする。いや、これはほんといいアルバム。
Yves Jarvis / The Same But By Different Means
モントリオールを拠点に活動するJean-Sebastian Audetによるプロジェクト。フォークともソウルともいえるインディーな世界観になんともいえぬ気持ちいいチルな雰囲気を持った本作。実験的な要素も見せながら、時に美しく、時にファンキーにその独特な世界が心地よく響く、まさに怪作。
Post Mallon / Hollywoods Bleeding
去年、Chance The Rapperを知り、今年はPost Mallonに手を伸ばすという感じ。このアルバムを聴くともうHIP-HOPのアルバムという感じじゃないかもしれないが、ロック、ラップをうまくジャンルミックスさせ、ポップスとしてうまく昇華しているといっていい。なにせ聴きやすいんだから。
またルックス的にもだが、元はギター少年だったようでUSロックの要素もあるので、これぞロックファンには受け入れやすい(もはやロックファンの方が少数かもしれないが)作品になっている。
Coldplay / Everyday Life
ここ最近のColdplayはUKロックファンからすると「どうかしてた。」と言いたくなるメインストリームへの摺りよりを感じていて、もうバンドに興味が薄れていたのだが、この最新作は彼らのバラードや美しい曲たちが凝縮したような作品だ。シガー・ロス的とでもいうのがわかりやすいか。
もし同じく離れてしまっているファンがいたら、ぜひとも聴いてみてほしい。美しいピアノの音色にまた心奪われるはずだから。
Tyler the Creator / IGOR
初期の『Goblin』から考えると、アンダーグラウンドなインディー・HIP HOPの代表的な存在だった頃から比べて、いい意味で完全にメインストリームな音になっている。もはやラップかと言われると…という位ソウル風味を感じさせる歌や、もう可愛いと断言していいメロディが特徴的な作品。ゴリゴリのHIP HOPファンにはどうかな?って感じだけど、音に煩いインディーズ好きや音楽ファンには嵌りそうだ。
James Blake / Assume Form
ダブステップ自体がもともとHIP-HOPと相性がいいこともあり、ラップ勢やロザリアなどコラボレーションが特徴的なこの作品。それに加えて彼の特徴でもあるクラシックなピアノ曲もしっかり聴ける。全体的にしっとりした雰囲気で、歌声をしっかり感じられるファンには満足度が高いアルバム。ただJBはライブ行くと、お腹痛くなるぐら低音ビートが効いてるからそこも面白いところなんだけど。
(Sandy)Alex G / House of Sugar
前作2017年発表の『Rocket』以来、注目しているアーティストのひとりで、今作も最高な出来。ローファイ、アコースティック、インディーロックなどSSWとして才能を爆発させながら、エレクトロやサイケと言った様々な要素も加えてより複雑な表情を魅せる。まだ26歳のようだけど、この世代というむしろ近年のSSWとしてはボンちゃんと並んで、もう最強レベルなんじゃなかろうか。
Bon Iver / i,i
近年で最高のSSWと勝手に思っているボンちゃんの4作目。エレクトロ色を取り入れ始めた前作を経て、飛び交う音をコラージュしたような浮遊感漂うものや、荘厳なランドスケープに曲が展開していく様は圧倒的!それにしても1作目から作った作品が全部名盤って、なんだよ。すごすぎ。
◆それ以外で 、よく聴いた作品
Vampire Weekend / Father of The Bride
Big Thief / U.F.O.F.
Black Midi / Schlagenheim
Foals / Part.1 Everything Not Saved Will Be Lost
Thom Yorke / ANIMA
Oso Oso / Basking In The Glow
◆大好きなアーティストだが、思ったよりインパクトがなかった作品
Chance The Rapper / The Big Day
Whitney / Forever Turned Around
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ベストソング
欅坂46「角を曲がる」
映画「響」の挿入歌で、平手ちゃんのソロ曲。映画をまったく見ていなかったので、東京ドームのラストでお披露目されたときは新曲かと勘違いしてた。そんなこともあって自分の中でインパクトが強い楽曲。個性という言葉が独り歩きする中で、他人の先入観に惑わされず、いかに自分らしさを見つけて歩いていけるかという欅坂の一つのテーマともいえるものが美しい音に凝縮されているよう。時制と平手友梨奈という触媒を頼りに、10代にも刺さるメッセージをいまだ創り出せる秋元康って、ほんとすごいクリエイターだなとつくづく思う。
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ベスト名盤
U2 / The Joshua Tree
今年、13年ぶりに来日公演の前準備として事前に予習を欠かさなかったため、このアルバムは聴きまくった。ボノのボーカルの迫力、エッジの特徴的なギター、8Kによる大迫力の映像といやぁ、最高でした。こういったロックレジェンドはできるだけ見ておきたい、そう思う次第です。
まとめプレイリスト
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