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#5 今日10時からのぼくは上手くいかない。

人生の中には、まるでダメな日がある。ときどきそいつはやってきて、そいつが来るたびにぼくは「あぁ、なんて自分はダメなんだろうか…」と失意のどん底に突き落とされる思いがするのだ。

それが今日であり、ここ数時間である。

今日は「関西の秋葉原」と呼ばれる日本橋に来ている。その二つ名の通り、オタク文化が色濃く根付いており、アニメやホビーのお店が軒を連ねている。あとは「これ何に使うの…?」みたいな家電製品のパーツを販売しているお店も多くみられる。秋葉原のようにドでかい電気屋さんが無いため、秋葉原よりもディープな街っぽく見える。ちなみに読み方は「にほんばし」ではなく「にっぽんばし」である。

なぜこの街に来たかというと、新居に引っ越して荷解きをしている最中に、昔使っていた一眼レフを見つけたからだ。もう長らく使っていなかったし、売ってしまおうと思いたった。

自宅最寄り駅の大阪メトロ千日前線「野田阪神」駅からこの日本橋までは乗り換えなしで来ることが出来たが、運動もかねて自転車で移動することにした。片道30分程度だし、節約にもなる。

大阪のいいところは、大概自転車移動で何とかなるところである。主要な街がそれぞれ自転車で移動できる距離にある。東京ではこうはいかない。

でだ。日本橋に到着したのが10時ちょっと過ぎだった。お目当ての店が開店するのが11時、あと1時間弱あるしnoteも書きたい。どこかカフェで時間をつぶそうと考えた。カメラ屋さんの近所の駐輪場に自転車を停め、目当てのカフェに向かった。

なんばと日本橋のちょうど間にある、ブルックリンカフェというとってもおしゃれで、電源もWi-Fiもバッチリ揃っている完璧カフェ。このあたりに来るときにはよく通っていた店だ。

アイスコーヒーが爆裂的に美味い店なので、自転車運動で乾いた喉を潤したくてルンルンで店へ向かう。

が、店が開いていない。店先に貼りだされた掲示を見ると「コロナの影響で開店時間を11:00~とします」という案内が。

ぼくはもう完全にアイスコーヒーの口だったのだが、この案内があっては仕方ない。コロナだもの、誰も悪くない。がっくりと肩を落としながら別の店を探すことにした。

しかし、しかしだ。このあたり、電気もWi-Fiも完備してくれているカフェが限りなく少ないのだ。デンキ街のクセに電気や電波の供給さえろくすぽしてくれないなんて。ややお門違いの怒りを抱えながら街を歩く、、歩く、、。

ちなみにここで自転車を使わず歩いてしまったのは完全なミステイクだ。駐輪30分以降は料金がかかってくるので、このタイミングで出しておけば余計な出費はなくて済んだのに…。

なんだかんだで10店舗くらいカフェを回っただろうか。どこも電源とWi-Fiを用意してくれておらず、たらいまわしにされる始末である。こちとら20GB使い切って速度制限かかっとんねん!完全にお門違いな怒りである。

そうこうしているうちに11時が近づく。ならばもう、一度カメラを売りに出してしまってから査定してもらってる間カフェでのんびりしよう。そうと決まればもと来た道を戻り、カメラ屋さんへ向かう。

11時になり店の前に到着した。店はシャッターが下ろされたままである。嫌な予感。シャッターに貼られた「営業時間変更のお知らせ」を読む。

開店は11時半から、とのこと。うわぁ…。ちょっと引いた。自分の引きの悪さに引いた。というか「なぜコロナの時期にお出かけするのにリサーチを怠ったのだ」という部分に関して怒りがふつふつと湧き上がって来ていた。

理想はカメラ屋の開店をコーヒーを飲みながらnoteを書いて優雅に待ち、店が開いて査定中は街を優雅に歩いて過ごす、

だったのだが

現実は、目当てのカフェが開かずとりあえずうろうろした挙句予定の時間にもカメラ屋が開かずシャッターの前で崩れ落ちている

になっているわけだ。

結局この時間になるともう目当てのブルックリンカフェも開いているので、半泣きで駆け込みアイスコーヒーをグビグビ飲みながらこの記事を書いているというわけなのだ。

これからカメラ屋にも行くので、一応希望はすべて叶っているということになるのだが、「うまくいかねぇなぁ…」という思いだけが靄のように残るのだ。

午前中はこんな感じで終わっていく。アイスコーヒーは変わらずすこぶる美味しかった。

もし「サポートしてやってもいい」という方がいらっしゃいましたら是非宜しくお願いいたします。サポート費用で大阪の街の取材等を重ね、記事をよりパワーアップさせていきたいと思います。