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#4 NHKってこんなに面白かったか

ぼくには朝のルーティーンがある。

6時半に目を覚ます。トイレを済ませて、洗面所へ行き体重を測る。朝のコーヒーの豆を挽く。手動でゴリゴリ挽いていくタイプのミルなので、この豆を挽く作業の途中で徐々に覚醒してくる。挽いた豆に湯を注いでコーヒーを淹れる。部屋にコーヒーのいい匂いが広がって、さらに覚醒が進む。淹れたコーヒーを飲みながらぼんやりとテレビを見る。点けているのはNHKだ。

最近ぼくの中でNHKが相当来ている、放送内容が一新されたとかそんなんでは全然ないのだが、なんか見てしまうのだ。朝だけではなく、夕方や夜もNHKを見ている時間が増えた気がする。なんでこんなにNHKを見ちゃうんだろうか。

理由の一つは、それこそルーティーンなんだろうなと思う。横浜の実家に引っこんでいた3か月くらい前から、両親の影響で朝はNHKを見て過ごす、という習慣が形成されたのだが、3か月同じリズムで朝を過ごすともうそれをやらないと気持ち悪くなってしまう。

で、このNHKってやつが習慣化するのにとっても都合がいい。1つの番組の放送時間がだいたい15分と結構短いので、「これを見たら〇〇しよ」なんていう習慣を作りやすい。あとは番組の内容が「面白すぎない」から、適度に集中し適度にぼんやりしながら見る事が出来るっていうのもその理由の一つだと思う。番組が面白すぎてしまうと、朝からハラハラドキドキさせられて情緒が大変なことになってしまう。

一方で、夜や夕方のNHKは「面白い」のだ。イメージで言うと「funny」よりも「interesting」の方の「面白い」だ。「睡眠の神秘」とか「ベンガルトラの生態」とか、ちょっと「お、気になる…」っていう内容の放送をしてくれている。

こういう内容は、NHKでは以前から取り上げられていたけれども、それに惹かれるようになったのは、どうやらぼく側に変化があったからみたいだ。

いままでは「刺激が強くてあとに何も残らないような番組」が好きだった。バラエティ番組をバカ笑いしながら見て「あーおもしろかった」で終わるような、そんなテレビの見方をしていた。

だが、ここ最近のYoutubeが台頭してきたことによって、ぼくの中でも「バカ笑いしたかったらYoutube見よ…」という思考が醸造されるに至った。

そんななかでぼくがテレビに求めたのは「情報の確かな教養」だったのかなぁと思う。

大学でレポートを書く際に「インターネットのページを参考にしてはいけない」というルールがあったりする。その理由は「出所が分からないので、情報の正確性に欠ける」というもの。その考え方を借りると、教養はテレビが担ってくれて然るべきかな、と思うのだ。そして教養分野での情報の確かさで言えばNHKが群を抜いているので、結果的にNHKを見てしまうのだ。

昔は「NHKなんて小難しいことやっててつまんねぇ!」「なんであんなのに受信料払ってるのかわからねぇ!!」くらいの感じだったが、だんだんその小難しさを面白く感じられるようになってきていることに気づいて、ちょっと嬉しくもある。

もう亡くなった田舎の祖父は相撲が大好きで、夕方はいつもNHKで相撲を見ていた。爺さんになっても見れるなら、これから先の長い付き合いになりそうだなぁと思う。

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