メルカトールの世界地図 東西南北 そのニ

中学生になってから習うのが、世界地理だった。

小学生のときに眺めていたのは、メルカトール図法の世界地図だと知った。

地理野先生は強烈だった。

メルカトールの世界地図を指して、この地図はデタラメだと言った。

ぼくはクラクラした。信じてた世界が崩れたようだった。

正しいのはこれだ。教卓の上に置いてあったのは地球儀だった。

先生の話だと球体は平面に展開できない。地球儀だけが正しい面積・距離・方角・形を同時にあらわせる。

義務教育だから地図帳は無償で生徒に配られる。
でも地球儀は、「かさばるから要らないんじゃない。」

とっても残念だ。地球儀だけが正しいのに、ふさわしい扱いをされてない。

グード図法、サンソン図法、モルワイデ図法、ボンヌ図法、ランベルト正積方位図法、正距方位図法

地理野先生はいろんな図法の地図を教えてくれたが、

ぼくはメルカトールの世界地図が好きだ。

欠点だらけだってかまやしない。

オーストラリア大陸よりもグリーランドがで大きくたっていいじゃないか。
オーストラリアは南半球で孤高の存在だ。

東京とサンフランシスコの最短距離が曲線になったって
急がば回れだ。

でも、ぼくのふんばりはここまでだった。

日本から真東に二万キロ行くとどの辺りになるか。

メルカトールの世界地図だと、東は北アメリカ大陸の方向だ。

しかし地理野先生は、南米のブラジル沖を指さした。

どうして東がメルカトールの世界地図では、南東の方角になるのだろう。

この地図では問題解決の糸口さえ見つからない。

地理野先生の言う通り、間違った前提から正しい答えにたどりつけなかった。

真東に二万キロとは、言いかえると日本の真裏ということだよ。

ぼくは混乱してしまった。

では、北極の真裏はどこだ。

これは簡単、南極だ。南極と地球の中心を直線で結ぶ。この直線が球面に突き当たる点が北極だ。

その考え方で東京の真裏はと考えてごらん。

ぼくは東京から地球の中心に向かってとぼとぼ歩きだした。



#地理が好き

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