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和菓子が お花にかわった そのあとに。


こんばんは。noteさん。

雨音で目が覚める、薄く暗い朝は、からだもこころも、おもたくなります。
さっきまでの、夢の続きを知りたくて、もう一度、目を閉じてみました。


七月に入ると、何となく、忙しい気分になります。
お盆までの間の、やりたいことを考えて、
あたまの中で、カウントダウン、が始まる、んです。


まずは、ことはじめ。
素敵な和菓子に出逢えそうな、
気になっていた、お菓子屋さんを訪ねました。
祖父へのお供えものに、っていう、
もっともらしい、口実で。

決まった曜日にだけ、開いているお店なので、
なかなかタイミングが合わなくて、
やっと巡ってきた、この機会に、とてもワクワクしていました。

地図を見ながら、ぐるぐる、廻って、やっとたどり着いたのは、
午後のお茶を飲むには早いくらいの、昼下がり、でした。


完売。しました。


とじた扉にかけられている、お店にとっては、 嬉しい文字が、
ずっと待ち焦がれていた、視線には、かなしく映りました。

今日こそは、なんて思ったり、して、
いろんな種類に迷っている、そんな想像まで、していたので、
帰り道は、残念な気持ちでいっぱい、になっていました。

行き慣れた、すぐ近くの、お花屋さんに立ち寄る、ことを、
すっかりと忘れてしまう、くらいに。

家に着くころに気がついて、
あわてて別のお店をのぞいてみた、けれど、
何となく、しっくりこなかった、そんな時間の中で、
木々が揺れている静かな影道に、ひっそりと立てられていた、
小さな看板、を思い出しました。

伸びた草花のポットに囲まれた、
木造の、古いおうちの入り口に、
無造作に置かれている、花の束。
静かすぎて、引き返そうか、と思いながら、
おずおずと入ってみると、
狭いけれど、あたたかみのある空間が、広がっていました。

よくあるショーケースに、ではなくて、
奥へ奥へとつながった、ひんやりとした部屋の中で、
涼しげに待っている、たくさんの花が少しずつ。

気さくな店員さんとお話をしながら、
長い時間、迷いに迷って、
作られていたひと包みと、惹かれてしまった一輪を、選びました。

いつも、なら、イメージの中で組み合わせて、
少ない数を、ひとつひとつ、自分で選ぶのだけれど、
いつもとは違う、ゆるい雰囲気に、流されていく、ままに。


和菓子が、お花に、変わっちゃったな。

なんて、ひとり微笑みながら、帰る道は、
とても、よい後味の、心地いい時間でした。


変わったカタチの空き瓶に、飾ること、なく挿してみたら、
漂う空気をふくんだ中に、凛とした生命を感じる、
いつもとは全く違った景色、がありました。

無理やりに、つけ足してしまった、
アンバランスに思えた、鮮やかすぎる色さえも、
そこにしか、なかったはずの、
たったひとつ、だけの、集まり、で。

誰かの、感じたものを、とり入れてみたら、
見える世界、が変わっていました。

ほんのちょっとの、通りすがりの瞬間を、
自分のこれまでに、とらわれずにいただけで、
こんなに、美しい画、を見ることができる、なんて。



まわりまわった、巡りあわせで、
手に入れたものが素敵すぎたから、
食べそこなった、美しくて甘い、あのお菓子が、
いつかの、機会に、おあづけになったことも、
楽しみがもう一つ、また増えたような、
おかしな、感じが、しています。


大人になって、いろんなことを積み重ねて、
誰もが歩いている、平らな道を知っている、つもりでいたけれど、
ときどきは、通りすがりの、風に吹かれて、
ちょっと寄り道、しちゃうのも、いいもの、なんですね。

そこに広がった、お花畑の、
あちらこちらの、花と虫たちのように、
甘くて、酸っぱくて、スパイシーで、
ときには、ほろ苦い、
そんな時間、を味わえる、
自由な、わたし、でいたいと思います。


今日、という日に、
雑然とした、ちいさな、この部屋に佇む、
可愛い花たちが教えてくれた、から。



追伸。
なつかしい、ふるさとの甘い味を、
想いを込めて、作りました。
今年の夏も、あなたに、届けたいです。







 最後まで、読んでくださって、ありがとうございます。。