見出し画像

言いあらそい~そのひと言に気をつけて~

自立活動とは
特別支援学級には「自立活動」という教育課程があります。
『自立活動の目標は、個々の生徒が自立を目指し、障害に基づく種々の困難を主体的 に改善・克服 するために必要な知識、技能、態度及び習慣を養い、もって心身の 調和的発達の基盤を培う。』
と文部科学省で定められています。

 そして、その柱となる資質・能力が、
・何を理解しているか、何ができるか。(知識・技能)
・理解していること・できることをどう使うか。(思考力・判断力・表現力など)
・どのように社会・世界と関わりよりよい人生を送るか。(学びに向かう力,人間性など)
の3つの要素(以下3要素)となっています。
 個別の支援計画・指導計画を作成したのをもとに、一人一人の課題に合わせて自立活動の時間だけでなく、教育活動全般で指導、支援を行っています。

自分はどんなタイプかな?
 私が担当しているチャレンジ学級にいる子ども達は、いろいろとトラブルが多いです。言い争いもその一つです。
 図書館に学校のトラブル解決シリーズ『言いあらそい』の本がありました。この本を読み進めながら、どんな時に言い争いになるのか?その時、どのように対応したらよいのか?等を話し合いました。
 まずはじめに、こんな時自分だったらどうする?をA、B、Cのタイプ別にチェックしました。
Aタイプ:自己主張を通すタイプ
Bタイプ:相手に合わせてしまうタイプ
Cタイプ:中立の立場を取ろうとするタイプ

 すると私の予想に反して、チャレンジ学級の子ども達は、みんなCタイプという結果を選択していました。なるほど~!Cタイプの方が望ましいということは、理想として理解しているんだなと思いました。
しかし、担任から見た実態はAタイプの方が多いのでは?と感じています。だからトラブルが多いのです。(そのことに気づいていない子ども達)授業は、そのまま進めていきました。

「Cタイプの人は、こんな場面でこんな対応をしますね。皆さんは、そのような行動ができていますか?」と例示をいくつかあげていきました。担任が念を押しながらどんどん質問していきます。すると、だんだんつじつまが合わなくなってきました。
担任の質問に対して反論してくる子がいます。その反論がだんだんヒートアップしてきました。

そこで一言!「今、言い争いになっていますよね。」と言っても、自己主張を通そうとしているAタイプなんだと、なかなか認めようとしない子ども達です。
しまいには、「自分で自分のことを知るのが一番難しいんだ。」と言う名言まで(笑)

「俺は怒っていない!ただ注意しているだけだ!」という口調は、大声で怒鳴っているので、怒っているように間違えられるよ。本当に相手のことを思って注意するのであれば、もっと優しい口調で言ったほうがいいのでは?と提案しました。
『売り言葉に買い言葉』が飛び交っているのがチャレンジ学級の実態です。

『言いあらそい~そのひと言に気をつけて~』の本を読み進めながら話した内容が、子ども達の心に少しでも残って、気をつけてくれることを願っています。根気強く、繰り返しの指導・支援が必要なのは言うまでもありません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?