急にテレワークと言われましても

東京都知事が「会社・仕事があるという人はテレワークできるよう上司に言ってください」と言ったことがニュースになっていたのを受けてこのnoteを書いている。

テレワーク、在宅勤務、リモートワーク、work at home、work from home、様々な言い方があるが、こういう情勢になる遥か前から国はテレワークという言葉を選び、総務省が旗を振って進め厚生労働省が”働き方改革”の下それを推奨していた。

リモートワークという言い方が最近ぽい感じがするので、私もはリモートワークという言葉を使うことが多くなった。(超余談だがリモワと約している人をTwitterで見かけたがスーツケースしか思い浮かばない)
このnote内では「テレワーク」に統一する。

ありがたいことに、私は何の問題もなくテレワークに切り替えられた側の人間である。なぜか。一言で表すと会社のおかげである。私は外資系のIT企業で働いていて、かつ営業職だ。社員全員のPCがノート型だし、仕事で使うアプリケーションはほぼすべてクラウド上にあり、インターネットにさえつながればすぐ仕事ができる。勤務時間はもともとフレックスだし、営業なので評価がしやすい。(売上で成果さえ出ていれば上司から見えなくても仕事をちゃんとやっている証明がしやすいというか)

例外はあると思うが外資のIT企業はセキュリティの意識が日本よりも緩く、例えば「ノートPCや業務用スマートフォンを落としたり失くしたらどうするんだ」というようなことはあまり考えられていないように思う。

※以下、ちょっとだけIT企業務めの人間ぽいことを書くの興味ない方は読み呼ばしてもらっても問題ないです。
私はこれまで何社かの外資系IT企業に勤めているが、例え「情報セキュリティの強化」のための製品を作って売っている企業であっても社員に配られるノートPCは思いっきりファット端末であるし、SSOでログインさえしてしまえばVPNにつなぐことなく仕事で使うほぼ全てのアプリケーションが使えてしまうことが多かった。
セキュリティの強化と利便性はトレードオフの関係にあると思っているが、少なくとも私が勤めてきた数社は完全に利便性重視であるように思う。

とにかく、我々のような業界はそもそも「いつでもどこでも働ける環境」を社員に提供することが当たり前だった。(働いている立場としては良い面悪い面が同じくらいあるが今回は割愛する)

もちろん私のお客様は日本の企業なので、事情が全く異なることも理解している。

実際、私自身も先月の頭までは会社に行けば誰かしらいたのでお客様に提出する書類に捺印が必要な場合は会社に行っていたし、ついでに会社で夜まで普通に仕事をして帰っていた。このように一部でも会社に行かないと止まってしまう業務があると結局出社してしまうし出社してしまったら会社のほうが仕事がしやすいのは当たり前なのでそのまま居てしまったりする。

しかし今月に入って東京都が緊急事態宣言を出してくれたのでこれまで捺印して書類を提出していたお客様も「捺印できない旨を書いた書類」をもう一枚用意すれば対応してくれた。(正直なーんだ、できるんじゃん!と思った)

というように「会社には誰かしらいてくれる」状態でテレワークが成り立つわけがない。(自分を含めた一部の誰かの犠牲で成り立つのはテレワークとは言わないだろうというのが個人的な考え)

私が今勤めている会社もお客様がテレワークに移行するために一助となる製品を扱っているのでここ最近ご相談をいただくことも増えた。増えたがここに書いているようにいろんなシステムを入れたりして環境を整えることは時間とコストさえあればできるが、最後は意識そのものを変えなければならない。

その大変さをちゃんと明示しながらも提案していかないといけないんだよね、我々は。

私がここに書いているテレワークが可能な業種はごく一部であることも理解しています。そうではないエッセンシャルワーカーの方々のためにも、テレワークに移行できる企業は意識自体を変える機会であると言いたい。

ということで、今日は珍しく真面目にテレワークに関して今私が思っていることを書きました。
ではみなさん、またね。

※冒頭で「総務省や厚生労働省はテレワークを推奨してきた」と書いたが彼らの組織自体もテレワークを部分的に導入しており、そのメリットデメリットやコストなんかはよく知っている。その上でいろんな資料を提供してくれているので貼っておきます。

【参考】
総務省のテレワークを導入するにあたっての資料。

「捺印できない旨を書いた書類」はここを見ながら書きました。


お読み頂きありがとうございます。最近またポツポツとnoteを上げています。みなさまのサポートが私のモチベーションとなり、コーヒー代になり、またnoteが増えるかもしれません。