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KAMEzine vol.5

今回は少し番外編を。

取材記事でもイベントレポートでもなく、個人の振り返りようなもの。

思考整理も兼ねたいと思います。

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地元で動きはじめて2年半ちょっと。仕事で関わりはじめて1年。

月日の分だけ感じる面白さや、見えない変化があることは確かで。


ありがたいことに、京都新聞の地域版にも幾度か取り上げていただき、本当に少しずつではあるけれど、みんなの手によってゆるやかに「土」が耕されはじめている、そんな気がしています。「風」が吹く兆しもあります。


だからこそ、度胸はあっても技量が足りない自分自身にずっと歯がゆさを感じていました。

一人分のいかだを漕ぐことはできたとしても、大きな船で航海する術がない。

感覚として、方向性は間違っていないのかもしれないけれど、このままでは、関わる人やまちに最良のものを届けることはできません。方位磁石は大事ですが、それだけでは航海できないので。


今の自分の状態では、あまり大きなことは言えませんが、地元に対して言いたいことだけ言わせてもらって、膨らませたいだけ膨らませてしまって、修行期間へ移ろうと思います。

なんて言ったって世界は広いし、亀岡の懐は深いから。

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今日に至るまでに感じたあれこれを5つの提言として、僭越ながら綴らせていただこうと思います。


提言1:かめ人が誰よりも楽しんでいる「まち」へ

ここで暮らす人たちが楽しそうにしている様子が伝わっていくと、きっと外からも訪れたくなるものです。まずは「かめ人」が亀岡を楽しむ環境を整えることから。

「楽しさ」は人それぞれだから難しいけど、“亀岡らしさ” という文脈は忘れないようにしたいものです。

人口減少時代だからこそ、移住者を増やそうと人口の減りゆくパイを引っ張り合うのは得策とは思えません。

人が増えるシミレーションをして未来の子ども達におんぶに抱っこするのではなく、人が減ること受け入れた上での次の一手を。


提言2:自分達の楽しみを自分達でつくる「まち」へ

まずは “ここにあるもの” を大切にしながら “ここに足りないもの” を考え、世代を超えて、みんなで楽しみをつくっていく。田舎はクリエイティビティの宝庫だと思っています。

そういったワクワクできるような施設があってもいいかもしれませんし、あるものから組み合わせてもいいかもしれません。

今度台湾に行くので、覗いて来ようと思います。

表具屋さんと一緒にファブリックパネルが作れたり、苔好きのおっちゃんと苔玉づくりができたり、おいしいコーヒーが飲めたり、アートに触れたり・・

思考の基盤になるのはやはり、今関わらせてもらっているH商店街やアートボンチの皆さんなんですよね。いいものをつくられている方々がいるからこそ。

 

提言3:訪れた人にそんな雰囲気が伝わる「まち」へ

楽しい様子は伝えるものではなく、伝わるもの。それはいとも簡単に世代や人種を越えていくんですよね。

自分たちが暮らしの中で大切にしていること・楽しんでいることを、訪れた人に肌で感じてもらえるまちへ。

そんな要素が細部に宿っていくといいな。


ちなみに、良いまちに暮らす人たちは「いいところですね」に0.1秒で「そうでしょ」と答えてくれます。本当に早いです(笑)


提言4:みんなの “やってみたい” を地域のみんなで応援できる「まち」へ

「広げたい」「やってみたい」をみんなで応援できるまちへ。

前向きな失敗をどんどんしていける場所だったらいいなと思います。

ほれ見たことか、言わんこっちゃない。そんな大人たちがいる地域ってやっぱり出て行きたくなりますよね。比較する世界が狭いと言いますか。


地域から飛び出して広い世界を見に行く人もいますよね。そういった人たちの背中をどんどん押してあげたい。いつでも帰ってきていいよ、存分に楽しんでおいでって。学びと実践の循環づくり。

良いまちには必ず、良い大人がたくさんいます。そんな大人を見て育った子ども達にはきっと、地元の良さが無意識に伝わっているのだと思います。


提言5:「カメオ株式会社」を・・

まだまだ名前も何もかも仮ですが、10年以内かなあ。どうでしょう。

「カメオカンパニー」は最近風だけどきっと飽きるから、あえてね(笑)


2年半前に一番もったいないと思ったのは、実は「チームワーク」だったんです。情報発信も確かに足りないけど、何よりも各所がチームになっていない気がして。人口減少は進んでいるけど、わりかし大きくて、困っていないまちなんだと思います。

いろんなところでお話を聞かせて頂いた時に、それぞれが課題に感じている部分は同じなはずのに、その話がそれ以上プラスに進まないということを感じたことがあって。

間をすっ飛ばすと、少なくともこれからの子ども達は厳しいグローバル社会を生きていかないといけないわけで・・。世界情勢ははるかに変わっていますから。英語ができて当たり前、国籍なんて気にしていられない。仕事も大幅に変わると予測されています。

大人達がいい環境をつくっていかないと、それ以上のものは生まれてきませんし、「ここには何もない」なんて言ってしまった日にはもう終わりです。

ひと言付け足してくれるだけでいいんですよね。

「ここには何もない。だからこそ、何でもできるんやで!」って(笑)

地域の “関わりしろ” のような余白を常に用意しながら、いろんな関わり方を「まち」の方から提案できるような、そんな地域にしていくための、組織を超えたゆるやかなチームを。

ずっと、地域発の会社があったいいなと思っていました。働けるなら地元で働きたい子、地元で暮らしたい子はいるんですよね。でも、「やりたい仕事」は確かにちょっと少ないかもしれません。選択肢が多い世の中ですから。


そうですね・・リトルプレスと小さな旅行会社なんてどうでしょう。


ただ残念なことに、今の私にはそれをするだけのセンスと技量が全く足りません。ライフワークだけでは生きていけませんし、得意分野はどちらかというと裏方の仕事。

説得できるだけの材料を集めるためにまずは自分が経験を積まないといけないし、何をどれだけ考えても今じゃない。

きっとその間にもいろんなものができるんだと思います。本当にいろんなものが。

根幹の思いを聞くとそこの部分は案外近くにあることがわかってきたんです。アウトプットがちょっと違うんですよね(笑) そういった部分も含めて「もったいない」と2年半前に感じたことは、まぎれもなく原動力。


なんとなく「観光」はキーワードになるけれど、今から観光地をつくる必要はないと思っています。もう日本にはそういった場所が溢れていますから。

受け入れる気持ちと受け入れる体制が整うこと。

それは、小布施の第二町民制度のようなものかもしれませんし、地域のセレクトギフトのようなものかもしれません。また、hanareのようなものかもしれません。

そうやって少しずつ「人・物・金・情報」が健全に循環していくように。


例えば、贈り物やお祝い物として地元のものを選んでもらえるように、素敵な組み合わせをつくりれないかと思っています。亀岡にはすでに良いものがたくさんあるからこそ。きれいに統一されたパッケージもあったらいいですね。


亀岡には現在、9万人あまりが暮らしています。1人100円ずつ集めるとおよそ900万円、200円ずつだと1800万円。そんな資本金、なんだかワクワクしませんか? なんて冗談半分にいつも考えています(笑)そこから「かわいい子には旅をさせよ基金」とかできたらいいな・・とか。

カメオ会員ステッカーをつくって、カメオ蕪を栽培して。タートルネックの日をつくって・・発想がちゃらんぽらんですみません(笑)


どこかの国で見てきたように、まち中の赤信号をハートにしたい!(亀でもいいですね。笑) とか、ゆっくり運転したくなるスピードメーターをつくりたい! とか、ちょっと危ない道路脇の細い歩道に足跡ペインティングをしたい! とかそんなことも考えていたりします。

アイデアだけはどんどん膨らんでしまいますね。あとは動くための知識と体力、そしてチームを。

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「のんびり、ゆっくり、着実に。」をスローガンにしています。

流行りだからやりたいわけじゃないし、1人で考えるには限界がある。


今日は少し話しすぎてしまったかもしれません。どうやら熱が入ってしまったようでお恥ずかしい限りです。でも、これが全て。

この奇妙なキャラクターは「かめ人」と言います。

亀岡育ちです。 

どうぞよろしくお願いします。


めっちゃ亀岡好きな人みたい。自覚はあまりしていないのですが、やっぱりそうなのかもしれません。まぁ地元ですしね。


あ、そうだ!最後にこれだけ言わせてください。

「亀岡、いいところですよ。」


この2年半の間に、そう思わせてくれる「人」にたくさん出会えたのだと思います。なんとなくから確信へ。

よし、次に進もう。


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