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寝る前のメモ。


わたしが所属してきた会社は、フリーランスの集まりに近しい小さな組織で、リモートワークも兼業も認められている。昨年6月に一応の転職をし(前の会社でも引き続きプロジェクトベースで仕事をしている)、現在2社目ということになるのだけれど、どちらもそんな環境だったので、ある意味これがわたしのスタンダードになっている。

それぞれの予定はGoogleカレンダーで共有し、社内の連絡等々はチャットワークをベースに行なっている。この働き方がすべてだと思ってはいないし、業種によって良し悪しはあるけれど、そんな働き方だからこそ、わたしは今日も祖母との時間を大切にできる。

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わたしの祖母は88歳で、同じ敷地内の別の家に住んでいる。(昔でいう、母屋と離れのような距離感)彼女は認知症を患っていて、症状が見られてからおそらく4,5年は経過している。

初期症状と言われている「怒りっぽい」時期は過ぎているので、「忘れる」ということについては、そこそこのレベルになってきた(悪化している)のだけれど、いまのところ、食べる・寝るは自分自身でできており、週に3日はデイサービスに通っている。

デイサービスのない日で、わたしが自宅にいるときは、時よりやってくる祖母の相手をしている。今日は雨だったので外にも出れず(最近は散歩にもあまり出ていないけれど)、暇だったのかわが家にやってきた。

たまたまリビングで仕事をしていたので、一緒にコーヒーを飲んだ。祖母は苦いものや辛いものが苦手なので、砂糖と牛乳を加えてあげた。たまたま置いてあったお土産のマカロンをあげると、馴染みがないなりにも食べていた。

祖母は、デイサービスの先生に恋をしているので、大抵は「先生」を歌ってから「あの先生、ええ先生やわ〜。あんた、今度会ったら伝えといてくれんか」というフレーズがやってくる。正直、なんどもなんども聞いていることなのだけど、まるで少女に戻ったような祖母は、見ていて可愛い。


夕方には、今日わたしと一緒にコーヒーを飲んだことなんて忘れてしまうのだけど、「あの先生が好きだ」という気持ちは全然忘れていないので、記憶がどれだけなくなっても、それだけは人間として大事な感情なのかもしれないな。祖母のもともとの気質もあるとは思うけれど、いろんなものが失われていった最後に何が残るのか、祖母との日々のなかでゆっくり観察していきたいと思う。

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