私に花を買う

前回の投稿の経緯で、我が家に久しぶりにお花が飾られた。

暮らしの中で、ふとお花が目に入ると心が明るくなる。

どの色もステキだけど、特にひまわりのような黄色は心がパッと明るく元気になる。


我が家は観葉植物が少しあるものの、

お花は時々、ささやかに飾る程度だ。

花瓶という花瓶もなく、

お花を飾る用に買った小さいグラスや一輪挿しくらいしかない。


そんな我が家だが、

レストランでもらったブーケを生けたことをきっかけに、

出不精の私は重い腰を上げ、お花を買いに出かけた。


「今日、お花屋さんに行く!」と朝から決めていたが

他にもやりたいことがあったので、お花のことが気になりつつも

買いに行けないまま、夕方になってしまった。

子どものお迎えの時間だ。

(私は時間管理が苦手なのと腰が重いために、お迎えもギリギリ…)


子どもを連れて、少し遠いけど市内ではやや大きめの花屋さんへ。

会社勤めをしていた頃、部署の先輩に連れられ、

社内の茶華道部に入っていた。

はじめはイヤイヤだったが、お茶菓子に釣られて通っていた。

その時、月一であった華道のお稽古に、お花を配達してくれていたお花屋さんだ。

店内には数えるほどしか入ったことはないが、何となく馴染みがあるお店だ。


お察しの通り、私はあまりお花の種類には詳しくないし、生けるのが上手なわけでもない。

かつてのお稽古のときも積極的ではなかったし笑


店員さんにお店の冷蔵室に案内され、お花を見せてもらう。

大きな冷蔵庫…夏とはいえ、長時間いると寒い。

いくつかお花を見繕って包んでもらう。

(我が家に飾れる量は決まっている。買いすぎてもダメだし、足りなくては少しさみしい。慎重に決めた。)


お会計してもらうと、思ったより高い…。

高いと言っても500円ほどなんだけど、一瞬「しまった!」と思った。

私の喜び(つまり幸せ)のために払うお金(しかも500円ほど)をケチるなんて…。

しかし、いかんせん私はまだ新しくお仕事を始めたばかりで、収入を得ていないのだから、

というかここ数年まともにお仕事をしてお金をもらっていないのだから!

(そしてお料理教室に行ってもお料理は上達せず、お掃除や整理整頓も苦手、草むしりもサボりがちときている!ダメ主婦の極みなのである。)

(…という風に自分のことを貶めて楽しんでいるとも言える。)

夫の顔が浮かび、無駄遣いはダメだと思ってしまう。

私はまだ私にお金をかけることを許せていないんだな。


お花を受け取って帰ろうとすると、店員さんが声をかけてきた。

「長く保たないかもしれないけど、1本ずつどうぞ。」と

子どもと私に1本ずつ、優しいピンクとショッキングピンクのガーベラをくれた。

ふふ、嬉しい。

我が家の数少ない花瓶は、ギュウギュウになってしまうかもしれないけど。笑


こうして、今週も我が家にお花を迎えられた。

日常の中でお花が目に入るたび、心が緩んで一つ一つの動作を丁寧にしたくなる。

質がいいものとか、デザインがステキなものに囲まれて暮らすのは理想なんだけど、

豊かな暮らしというのは必ずしも物理的なことでなくて、

居心地のいい空間を丁寧に吟味しながら作っていく「過程」のことなのかな、と思った。


「豊かな暮らし」には完成形はなくて、常に変化するものなのかなぁ、とも感じた。

子どもの頃は、変化しないことが好きだったのだけど、

自分で快適さを求めて、少しずつ作りかえていくことを楽しめるようになってきたのかもしれない。


今思い出したんだけど、私の住む田舎にもオシャレな花屋さんがあったんだった!

来週はもう少し足を伸ばして、オシャレな花屋さんへ行ってみようかな!


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