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見かけと第一印象 運動神経が悪いということ Vol.40

40年も生きて、ようやくわかってきたことがある。慣用表現にも、真実と偽りが入り混じっているらしい。後者の例は、「人は見かけによらない」だ。実際、人はたいてい見かけによるだろう。たまには見かけによらないこともあるから、あの言葉の意味するところは人のことを決めつけてはいけないという「戒め」であって、見かけによらない人が多いという「傾向」ではないということか。

対象的に、おおむね信じてよいと思っているのが、第一印象の正確性だ。個人的には、その良し悪しはいつまでも変わらない感がある。若かりし頃に洗礼を浴びた先輩方への苦手意識はずっと拭い去れないし、前々から仲良くさせてもらっている数少ない人たちとは初対面でも気が合った。

新天地の上司の風貌は、どこか得体が知れなくていかめしい。これまでたまに顔を見かける程度だったが、いつも難しそうな表情という憶えがある。初めて近くで過ごした最初の1週間、その見かけや第一印象から抱いてきた想像は、ほぼ正確だった。「会議資料、頼める?」何の会議でどんな議題なのか、説明も無いまま指示がきたり、就業時間をずいぶん過ぎたあと、急に別の仕事をふられたり。前部署では上司にだけは恵まれていたから、戸惑いは否めない。

「無茶ぶりもあるけど、慣れていってね」「あぁ見えても、打ち解けたらええ人やから」面食らう私を気遣ってか、周囲の先輩方はそんなふうに励ましてくれる。これで4つ目の配属先になるが、過去3分の2は1年で異動になっていて、明るい未来を想像するのは難しかった。けれども、こんな温かい声と、それぞれが多忙ななかでも新参者を気にかけてくれる様子は、1年で追い出された2つの配属先には無かった。上司はともかく、この方々とならうまくやっていけるかもしれない。どうか、この第一印象が当たっていますように。40歳も最後の日に祈念している。



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